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相続税の節税!「家なき子」になれないと相続税が増える?

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2016年10月06日 公開
相続税の節税!「家なき子」になれないと相続税が増える?のアイキャッチ

安達祐美さん主演のドラマ「家なき子」は1994年に大ブレークしたドラマです。「同情するなら金をくれ」という小学6年生とは思えない、大胆な言葉も当時大流行しました。

「家なき子」であることは、実は宅地の相続税の節税になっていることがあります。今回は宅地を相続する場合におさえておきたいことなどにふれながら、小規模宅地の特例について紹介します。

宅地を相続したいけれど相続税はどうなっているの?

最近は単身世帯が増えており、別居しているケースも多いのではないでしょうか?また、結婚はしていなくても、独身で下宿していたりする方でご両親が実家に住まわれている方もいるのではないでしょうか。

家と土地の資産価値が1億円など、時価の高い地域に住まわれている両親の相続があったとします。1億円もの財産に相続税が課税されてしまうと、宅地をもらっても、相続税を支払うことが困難になってきます。その結果、相続を放棄することも考えられます。

都心に住んでいて、田舎の莫大な土地を相続する場合は、相続税だけが課税されてしまい、空家となってしまう可能性もあります。そうならないように、宅地について相続税の軽減のための措置として、宅地の額そのものを引き下げるという小規模宅地の特例というものがあります。相続税は財産の額の大小によって税率が決まるので、財産の額を下げれば相続税が少なくてすむからです。

小規模宅地の特例って?

小規模宅地の特例の中の特定居住用宅地等の特例は、相続した土地について一定の条件を満たした場合には、土地評価8割減で相続税の財産の評価額を設定できるというものです。1億円の土地なら2000万円の財産として相続税が計算されますので、かなりの節税になります。

小規模宅地の特例を受けれた場合、土地評価8割減することができますが、すべての相続人が小規模宅地の特例を受けれるわけではありません。

宅地を相続する場合、財産を与える人(死亡した被相続人)の配偶者や同居している親族などに関しては、その家屋に住み続ければ、小規模宅地の特例は受けることができます。

ここでは同居していなかった相続人について焦点をあててみましょう。同居していない相続人の場合は、いくつかの条件を満たさないと、相続した場合100%の価格で相続税が課税されてしまい、節税ができなくなるので要注意です。

また、贈与でもらった宅地で、相続開始の日(財産を与える人が死亡した日)から3年以内の場合や、贈与の課税方法のひとつである、相続時精算課税を選択していた場合の贈与によって受けた宅地には適用が出来ないので要注意です。

小規模宅地の特例について詳しくは

小規模宅地の特例で最大80%評価減で相続税が減税される?
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土地の評価8割減となる場合ってどんな時?

例えば、両親と別居していて、都市に住んでいる息子が実家を相続する場合にはこのようなことが判定要素となります。

・息子の状況(相続人の状況)や他の相続人の状況

・相続財産である土地の状況と面積

それでは具体的に次で条件をみていきましょう。

同居していなかった親族が宅地を相続して土地評価80%減額とする条件とは?

父親の家屋を相続し、土地の評価額を80%減額したい場合、同居していない息子にはこのような条件が求められます。

  1. 相続開始3年以内に持家をもったことがないこと

    →ここにドラマ「家なき子」が登場します。

    つまり持家を持っている場合は、同居していなかったとしても、実家を相続する場合は土地の評価80%減である小規模宅地は適用されないのです。家なき子のように、持ち家をもたないことが、別居している相続人が土地の評価80%減を受けれる条件なのです。(相続開始日とは被相続人(財産を与える人)の死亡日のことです。)
  2. 海外に住み別居している場合は、日本国籍を持っていることが必要です。
  3. 被相続人の配偶者がいないこと

    →お父さんと同居しているお母さんがいる場合は、宅地を別居している息子が相続したとしても土地評価8割減の小規模宅地の特例は適用できません。
  4. 同居している親族である相続人がいないこと

    →家にはお父さんとお母さんそして兄弟のうちの1人が住んでいたとします。同居していない息子が実家の相続をした場合、土地評価8割減されるためには、実家でお父さんと同居している親族である相続人がいる場合はNGとなり、100%の宅地の価格が課税されてしまいます。
  5. 申告期限(相続の開始を知った日から10月を経過する日)までに宅地を売却などしないで保有していること

宅地の面積には限度がある

そもそも小規模宅地の特例は、優遇措置としてのものなので、莫大な面積の土地には適用がされません。そこで面積に限度額がもうけられています。

住居として使う場合の宅地は330平方メートルまでが限度面積となっています。宅地の面積が530平方メートルの場合は、土地の評価額のうち330平方メートル部分に対応する土地の額だけが土地評価8割減となります。残りの200平方メートルについては100%の額が相続税の課税価格になります(減額なしで課税価格となります。)

親が老人ホームで過ごしていた場合は?

老人ホームで介護が必要なために過ごしていた親がいる場合で、実家がある場合です。親が死亡したので実家を相続することになったケースです。この場合は、別居の相続人はさきほどの条件を満たしていること、同居していた配偶者は無条件に、同居していた親族である相続人は、申告期限まで住んでいれば、土地評価8割減となる小規模宅地の特例が適用されるので、節税ができます。

宅地の上にマンションを建てた場合は?

宅地の上にマンションをたてて、住宅兼、貸家として活用していたとします。この場合は少し条件がちがってきます。

小規模宅地の特例というのは居住用家屋のほかに、貸付の事業をしている場合の宅地についても減額の特例があります。ただし、貸付の事業をしている場合の減額割合は80%でなく、50%となります。また適用できる面積(限度面積)も330平方メートルではなく、200平方メートルとなります。

まずは、マンションの宅地の評価額を各階層に部屋の面積などで按分します。按分されたそれぞれの階の利用状況によって、居住用家屋なのか、貸付事業用なのかなどを評価し、限度面積分だけを減額対象の部分として減額した評価額を算出します。

小規模宅地の特例でマンションの場合は、用途、面積、使用状況(居住用家屋なのか、貸付事業用なのか、事業用(特定事業用宅地等)なのか)によって、評価減できる割合によって、限度面積分だけを減額した後の評価額を、各相続人に相続財産の額として振り分けることになります。

マンションのある階を事業に利用していた場合は、特定事業用宅地等という宅地になります。そうなると限度面積は400平方メートルとなり、減額出来る割合は80%となります。

まとめ

いかがでしたか?

小規模宅地の特例を利用すれば、相続税にかかわる宅地の評価額が大幅に節税できることがわかりました。

別居の相続人が住居を相続する場合は、「家なき子」でないといけないんですね。このように、小規模宅地では条件が多いので、迷ったときはぜひとも税理士にご相談されることをおすすめいたします。

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