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賃貸不動産を活用した相続税対策の注意点とは?

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2016年10月28日 公開
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Q:賃貸不動産を活用した相続税の節税対策は有効ですか?

A:土地の評価額を減らせるので節税にはなります。ただ、入居率が低く不動産所得が赤字になったりすると足元の生活資金にまで悪影響を及ぼしかねないので注意が必要です。

これだけある賃貸不動産の注意点

2015年からの相続増税をきっかけに、節税対策を真剣に考える個人が増えてきました。最近一段と注目を集めているのが賃貸不動産の取得や活用による対策で、中には会社まで設立して節税を考える人もいます。

「財産を金融資産で持つより賃貸不動産で保有するほうが相続税の課税上の評価額を大きく減らすことができ有利」

Aさんは金融機関の相続対策セミナーでこう聞き、税理士に相談を持ちかけました。自宅以外に預貯金、株式、国債など金融資産が約2億円あります。このままだと多額の相続税がかかる可能性があります。

税理士や金融機関の担当者によると、Aさんのような相談例が最近増えています。

確かに、相続税評価額は、預貯金では額面どおりで、有価証券は相続時の時価が原則です。これに対して、不動産は評価額を減らせる余地があります。特に賃貸不動産は、現預貯金で持つよりも数十%評価額を減らせる場合が少なくありません。

小規模宅地(貸付事業用)の評価減の特例が使えたり、他人に貸す分を割り引くことができたりするので評価額を大幅に減らせるからです。建物は取得価額でなく固定資産税評価額(取得価額のおおむね60%~70%)が使えるため、現金で持っているよりも評価額が減らせるのです。当然、その分、将来支払う相続税は減らせる計算です。

ただ、賃貸不動産を取得したり活用したりする場合は注意点が少なくありません。

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入居率によって生活資金が変動する可能性がある

まず、賃貸不動産の入居率が低く不動産所得が赤字になったりすると、将来の相続税の納税資金を食いつぶす恐れがあるだけでなく足元の生活資金に食い込みかねないという点です。

遺産分割時の納税資金を考慮しておく必要がる

次に気をつけたいのは、遺産分割に影響を与える恐れがある点です。Aさんの場合、賃貸不動産が相続節税上有利だとして金融資産の大変を不動産にしてしまった場合、相続人が共有状態になり何かともめる原因となります。また、相続人に十分な預金などがない場合、納税資金に困る可能性もあります。

したがって、納税資金対策も加味すると、金融資産にはあまり手をつけずに、生前贈与・生命保険などで財産を相続人に移していくほうが賢明だとの見方も成り立つのです。

Aさんの場合、金融資産の大半を不動産に変えるよりは、子どもや孫に毎年一定額を贈与していく生前贈与でかなり相続財産を減らせる可能性があります。それでもある程度の相続税がかかることは避けられないかもしれませんが、一方で、相続人に生前贈与により財産が移転するので相続税の納税資金も確保できます。

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賃貸不動産の活用が向いている人

専門家によると、金融資産が1~2億円くらいまでの人だと、賃貸不動産で節税するよりも生前贈与のほうが確実に節税になり、もめないようにできると言います。特にAさんの場合は、金融資産を比較的多く所有しているものの、年金収入しかないので、不動産賃貸経営がうまくいかないと生活が大変になる不安があります。

一方、不動産保有会社を設立してまで相続税の節税対策をしている人もいます。これはどういう場合に有効でしょうか。

税理士らの専門家は、課税所得がおおむね1000万円以上の人には会社を設立し、そこに保有する賃貸不動産の建物を移すようにアドバイスすることが多いと言います。こうすれば、今後発生し続ける不動産所得にかかる税金を節税できます。会社から配偶者や子どもが所得を得る形にすれば、法人税と1人当たりに係る所得税の合計額を1人にかかる所得税よりも抑えられるからです。

一方で、相続税の納税資金は会社や相続人に移転できるので、節税と資金作りの一石二鳥というわけです。

ただ、注意しなければならないのは、このプランも賃貸不動産が比較的高収益を生み続ける前提で有効だという点です。赤字だと、会社の運転資金不足を個人が補填する形になり破綻しかねません。賃貸不動産を使った節税は難しい側面もありますから、専門家や金融機関の意見も参考にしながら、対策を考えていくことが必要です。

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