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【弁護士監修】生命保険はなぜ、相続税を減らせるのか?

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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更新日:2018年12月29日
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Q: 相続税の節税に生命保険が役に立つと聞きましたが、どういうことですか?

A: 現預金で相続するよりも死亡保険金で受け取れば非課税枠が使えるため節税できます。ただ、自分の生活が不安にならないだけの資金を手元に置く必要があります。

なぜ相続財産を減らせるのか

生命保険を相続税の節税対策に活用するケースが目立ち始めました。2015年からの相続増税で、新たに納税が必要になった都市部の中流層の関心を集めているようです。

生命保険を活用した相続税節税の3つのメリットと注意点

Aさんもその1人です。すでに定期付き終身保険に加入しています。60歳になる前に保険料払い込みは終わり、定期特約による高額の死亡保障はなくなりました。現在は終身保障部分が500万円あり、それを葬儀代金や残される配偶者の生活資金に充てる考えです。

ところが、相続増税で新たに相続税の納税資金を心配する必要が出てきました。
Aさんの場合、自宅や老後のための金融資金を合計すると、
財産総額は約1億円。自宅が6000万円、金融資金は4000万円です。

仮に今、相続が発生した場合、子供2人に315万円の相続税がかかります。

一方、葬儀代金はAさんだけで200万円程度見込まれます。子ども2人はまだ社会人になり立てなので、貯蓄はほとんどありません。相続させる金融資産から支払わせればいいとも思いましたが、Aさんは生命保険を活用しようと考えました。

どういうことでしょうか?

ポイントは、約4000万円の金融資産の一部で終身保険(保険料は一時払い)に加入することです。例えば、死亡保険金が1000万円だと、60歳のAさんが支払う一時払い保険料は約870万円。高額ですが、支払えば万が一すぐ相続があっても1000万円を受け取れます。

相続税の課税上は死亡保険金も相続財産となります。Aさんの場合、すでに加入済みの保険の500万円と合わせると1500万円となります。ただ、生命保険は非課税枠(500万円×法定相続人数3人)が使えます。Aさんの非課税枠は1500万円なので、相続財産に加算される保険金はありません。

一方、課税される相続財産は一時払い保険料分だけ減ります。

相続税の基礎控除は、2015年以降「3000万円+600万円×法定相続人数」と従来の6割の水準に下がりましたが、死亡保険金の非課税枠は従来通り維持されました。Aさんの場合は、生命保険を使うと子供2人の相続税は約250万円に抑えられます。

生命保険に加入せず、預貯金のままにしておいて相続が発生するとどうなるでしょうか。

相続税が節税できないばかりか、葬儀代金を相続人が一時立て替える必要があります。遺産分割協議が終了しない間は金融機関が被相続人の口座を凍結するためです。この点、生命保険ならば比較的早めにお金が手に入ります。

節税を狙うもう一つの加入方法

相続を意識したやり方で、中流層にも注目される加入の仕方がもう一つあります。

親が子供に保険料を贈与し、親が被保険者、子どもが契約者、受取人になる加入法です。ミソは、保険料を贈与する際に贈与税の基礎控除(年110万円)内で贈与すること。これだと、子供はお金をもらっても贈与税を支払わずにすみます。

子供としては、保険料に使途が限定される贈与よりも、単なる贈与のほうがありがたいかもしれません。しかし、贈与する親としては、無駄遣いされるより保険金として受け取ることが決まる贈与のほうが安心できるようです。

このケースでは、相続が発生すると、子供には相続税ではなく所得税と住民税がかかります。保険の所得は「一時所得」と呼ばれ、他の所得と合わせた総合課税になるので所得の高い人には税負担が重い場合がありますが、一時所得の計算段階で所得を半分にできるので比較的優遇されています。

生命保険のデメリットはあるのか?

ただ、生命保険は問題点もあります。一時払いの保険料を捻出するために多額の金融資産を取り崩すと、足もとの生活資金が足りなくなる恐れがあるからです。

相続対策で活用する場合は、保有財産額や財産構成、家族構成などを総合的に考えることが必要で、生命保険会社や税理士ら専門家に試算してもらい、納得がいく場合に踏み切るのがいいでしょう。

相続税・贈与税対策にチェックすべき5つの方法

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

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