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贈与を活用すれば相続がスムーズになる!贈与税の基礎控除はいくら?

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更新日:2018年12月29日
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相続税の税率は相続される財産が多いほど税率が高くなる超過累進税率が採用されています。ですから相続の時の財産を少なくすることが相続税の節税につながります。今回は贈与を活用すれば相続税は安くなるということについて紹介いたします。

贈与は2種類「暦年贈与課税と相続時精算課税って何?」

贈与には2種類の課税方法があり、財産を受ける人が選択できるようになっています。それぞれの特徴をみていきましょう。

【贈与財産の額から控除できる額(基礎控除額)】

暦年課税贈与・・・110万円

相続時精算課税・・・2500万円

それなら相続時精算課税が圧倒的に得なような気がする。そうですよね。ですがこんな違いがあります。

暦年贈与課税と相続時精算課税の違い

暦年贈与も相続時精算課税もどちらの場合も、贈与財産が2000万円だった場合。

・暦年課税贈与で基礎控除額110万以下の財産だったから贈与税を0円にするためには毎年100万円の贈与を20年かけて行う。

・相続時精算課税で基礎控除額2500万円以下だったから、一括で2000万の贈与をしたとしても贈与税は0円とできる。

贈与の地点では基礎控除額以下に抑えた場合、相続時精算課税が一度で2000万円の贈与できるのですから、得にみえますよね。暦年贈与の場合は、基礎控除額が110万が最大となりますので、現金2000万の贈与なら贈与税を非課税にしようと思えば、20年という歳月がかかります。

ですが相続時精算課税は、財産を与えた人が死亡したなら、相続税の財産として相続税の計算要素として、その2000万円分の財産が再度でてきて課税されることになるんです。

Aさんは61歳。現金1億円を先祖代々から受け継いで保有していました。相続財産を減らし、節税するために、2人の孫BさんとCさんに贈与することにしました。Bさんには2000万円を贈与しました。

Bさんは、暦年課税贈与で毎年100万ずつ、合計20年かけて少しずつ贈与していくことで、贈与税を0円におさえました。

Cさんには残りの8000万円を贈与します。Cさんは基礎控除額が多い、相続時精算課税にしてもらい、一括で8000万円の贈与をしました。Cさんは2500万円という基礎控除分だけ、贈与税が節約できることになりますので、残りの5500万円に20%の贈与税率を課税して、贈与年度に贈与税を納付しました。(相続時精算課税での贈与だけは、超過累進税率という額に比例して大きくなる税率ではなく、一律20%となっています。)

30年後にAさんはこの世を去ります。

このとき、暦年課税贈与で毎年コツコツと贈与を受けていたBさん。基礎控除額が110万円なので、100万円ずつ贈与をうければ毎年の贈与税は0円でしたね。20年経過したとき、2000万円のすべての贈与が終わりました。30年後のAさんの相続では財産をもらわなかったので、相続税も0円です。

一方、Cさんは30年前に相続時精算課税で贈与を受けていたので、Aさんの死亡のときの相続財産として再度、30年前に受け取った贈与財産である8000万円がAさんの相続財産として課税されることになります。CさんもAさんが死亡したことによる相続財産は受けなかったので、相続時精算課税で贈与を受けた分だけが相続税の課税価格になり、相続税が算出されます。このとき、

相続税の額 ≦ 相続時精算課税での贈与時の贈与税の額

ならば、相続時精算課税を選択したCさんは、相続税と贈与税の差額を還付してもらえます。

相続時精算課税というのは、相続税の前払いであり、相続税以上の税金は徴収されないというシステムなのです。つまり、贈与されたときに、将来の相続税で支払いますよという届出をし、一旦20%の贈与税率で仮払をしておき、数年後の相続時に、相続税額を計算し相続税を支払い、差額は還付されるというのが相続時精算課税なのです。

暦年贈与と相続時精算課税はどちらか1つ

贈与税は相続税よりも税率が高く設定されています。さらに、財産から控除できる額も少額になっていますので相続税のほうが優遇されています。その理由は国はできるだけ相続で納税してもらいたいからです。贈与で贈与税を0円にされてしまうと相続税の徴収漏れということになるからです。

じゃあ、少額の現金は暦年贈与で110万という基礎控除額以下の贈与にし、コツコツと贈与税を0円におさえるようにし、土地などは相続時精算課税で相続税で課税すればいいのでは?と思われるかも知れません。

ですが1人の贈与者からは暦年課税と、相続時精算課税は同時に活用できないのです。さらに、一旦相続時精算課税を選択したのなら、暦年課税に変更することはできません。

相続時精算課税は誰でも利用できるの?

贈与を受けた人で、財産をくれた人が死亡したときの相続税の額よりも、支払った贈与税の額の方が大きい場合は還付されるし、相続税の方が贈与税よりも税率が低いのだから、贈与を受けたとしても、相続財産として課税してもらったほうが支払うキャッシュが減って節税になります。

ですが相続時精算課税は贈与を受けた人が誰でも利用できるわけではありません。改正前は、贈与年度の1月1日において、20歳以上の子だけだったのですが、改正によって、子だけでなく贈与年度の1月1日において、20歳以上の孫も対象になりました。また、贈与する人の年齢も、改正前は65歳だったのですが、60歳に引き下げられました。

ですから莫大な財産を譲り受ける場合、子や孫以外の人は暦年課税を選択し、コツコツと毎年100万ずつを贈与でもらい基礎控除額110万以下におさえて毎年の贈与税を0円にし、残りの財産(贈与しきれなかった財産)は相続の時に一括で相続財産として課税することになります。非課税となった贈与税の額だけでも、相続税の節税できるということになりそうです。ただ注意も必要です。

あまりにも毎年連続で暦年贈与で基礎控除額ぎりぎりの財産の贈与をしていると、相続税の課税逃れだとなってしまい、トータルの贈与財産の額で計算した贈与税額が徴収されてしまうこともあるので要注意です。

居住用不動産の贈与を受けたときの配偶者控除とは?

配偶者への贈与で多いのが住居ではないでしょうか?そこで贈与税で配偶者が贈与で住宅を取得した場合は、基礎控除額110万に加えて、最大2000万円の基礎控除額が加算されるという優遇措置があります。ただし、婚姻期間が20年以上であることや、一度この制度を利用したことがある場合は適用されないなどの条件もあります。

生命保険金なのに贈与税がかかるケース

父が加入していた生命保険で、父の死亡により保険金3千万円が給付されたとします。このとき保険金の受取人が息子だったとします。保険金は父の財産であるから相続税の課税対象となるのですが、このとき贈与税が課税される部分があることに注意が必要です。

保険金は保険料を誰が支払っていたのかによって、相続財産なのか贈与財産なのかが決まります。この場合において、毎月の保険料を父と母が折半して支払っていたとします。この場合、息子は保険料を支払っていません。ですから、保険金の全額のうち、半分は父からの相続、半分は母からの贈与ということになり、相続税と贈与税の両方が課税されることになります。贈与税のほうが税率が相続税よりも高いので、同じ金額に対して税額が高くなり、納税者は損をすることになります。

保険金の額が多くなる場合は、できるだけ保険料支払いについては、相続財産となるようにし、贈与財産とならないようにすることがポイントです。

あらかじめ保険料の支払う人は、被保険者(保険を掛けられている人)にすることが節税になります。

まとめ

いかがでしたか?相続税の節税のためには様々なメリットとデメリットがあることがわかりました。相続財産をどれくらい贈与にまわせばいいかなど、迷われたときは是非とも税理士にご相談ください。

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相続相談弁護士ガイド 編集部

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