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【弁護士監修】祖母に離婚歴があり、前夫との間に子供がいたことが発覚。その異父兄弟も相続人?

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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2016年10月06日 公開
祖母に離婚歴があり、前夫との間に子供がいたことが発覚。その異父兄弟も相続人?のアイキャッチ

異父兄弟も相続人になるの?

夫の母(義理の母、以下:義母)が亡くなりました。

義理の父(以下:義父)は既に亡くなっており、相続人は夫と、夫の妹のみであると思っていました。ところが先日、義母の戸籍を調べたところ、なんと、義母には離婚歴があり、義父は再婚相手であったことが分かりました。

しかも、義母には前夫との間に子供が1人いたのです。夫も、夫の妹も、あまりの衝撃に茫然自失の状態でした。

しかし、義母の相続について話し合っている二人を見ていると、「既に義母は前夫と離婚をしており、前夫との間の子供についても前夫が親権を得ているのだから、義母の相続人ではない」などと言って、夫と妹の二人だけで遺産分割をしようとしているようです。私には何となく腑に落ちないのですが、義母の相続のことなので、嫁である私が煩く口を挟むわけにもいきません。

本当に、前夫との子供は相続人にならないのでしょうか。

夫家族と異父兄弟がいる家系図

参考までに家系図を作ってみました

離婚すると配偶者との縁は完全に切れる

まず、離婚のお話を少ししておきましょう。

離婚した場合、婚姻期間中に夫婦で築いた財産を分けるための「財産分与」、相手方に与えた精神的な苦痛などの損害を賠償するための「慰謝料」、子供が一定の年齢に達するまでにかかる衣食住の費用などを負担する「養育費」など、当事者間の取り決めによって、一定額の金銭の受け渡しをすることがあります。

こうした離婚に伴う金銭のやり取りは、離婚が成立した後のしばらくの期間で(子供が成人などの年齢に達したときなど)終わるのが前提であることがほとんどです。

離婚をすることによって、元配偶者とは籍を抜いたわけですから、慰謝料や養育費などを払い終えてしまえば、元配偶者は何の関係もない赤の他人となり、どちらか一方が亡くなったとしても、お互いに相続する権利は一切発生しません。

離婚したら子供との縁も完全に切れる?

では、離婚した場合、子供との縁はどうなるのでしょうか。

子供の場合は、配偶者の場合と大きく事情が異なります。

たとえば、未成年の子供がいる夫婦が離婚をして、夫が子供の親権を取得したとします。戸籍の筆頭者が夫であれば、妻が夫の戸籍から抜けて、子供とは別の戸籍になります。しかしながら、離婚によって戸籍が別々になったとしても、親子である事実は未来永劫変わりがないのです。

したがって、離婚した元妻が亡くなった場合、その子供たちは当然に相続人になるのです。

上記のとおり、「夫婦が離婚をすれば元配偶者の相続権は消えますが、元配偶者との間の子供たちの相続権は消えない」ということです。これは、親権の有無とは無関係であり、親権がなかったとしても、親子関係が切れるわけではないため、相続する権利はそのままなのです。

再婚した場合、相続権はどうなるのか。

では、離婚した夫婦の一方が再婚をした場合はどのようになるのでしょうか。

仮に、前夫が離婚をした後、子供を連れて新たな女性と再婚していたとします。

子供は、父親が再婚をしたことによって、自動的に再婚相手との親子関係が生じることはありません。その子供は、再婚相手と養子縁組することで、はじめて新たな養親子関係が生じることになります。そこではじめて養親の相続についても相続する権利を発生することとなるのです。

但し、養子縁組によって、実親との親子関係が途切れることもありません。

つまり、子供は実親からの相続権を持ち続けたまま、養親である父親の再婚相手についても相続する権利を得ることになるのです。

再婚相手と養子縁組をすると「実親とは縁が切れてしまい、相続についても何ら権利がなくなってしまうのではないか」との誤解を持たれている方もいらっしゃるようです。ところが上記でも述べたとおり、子どもたちは実親についても、養親についても、それぞれの親子関係によって相続する権利を有するのです。

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今回の相談ケースについて

前で説明したように、親が再婚をしていたとしても、子供は実親の相続人である事実は変わりません。

再婚された方に相続が発生すると、配偶者やその間の子供たちにとっては、思わぬトラブルの形となって現実が突きつけられることがあります。今回ご相談いただいたようなケースがその一例です。

今回のご相談では、義母が亡くなってから戸籍を調べてみて、初めて、再婚であったこと、及び前夫との間に子供がいた事実が判明しており、前の夫や、その夫との間の子供について、相続人たちは、生前に全く知らされていなかったようです。

しかしながら、これまでの説明のとおり、前の夫との子供についても法定相続人となるのです。

したがって、ご相談者の夫と、その妹さんだけで遺産分割のお話を進めようとしているようですが、異父兄弟にも法定相続人である事実をきちんと伝えて、その方々を含めて遺産分割協議をしなければならないのです。相続人の一部を無視して、手続きを行うことはできません。

さらに、前の夫との間の子供たちの相続権は、一代だけのものではない点にも注意が必要です。被相続人より前に、その子供たちが亡くなっていれば、その子供たちが相続することはありませんが、仮にその子供たちにすでに子供(つまり、被相続人にとっては孫)がいれば、相続する権利が孫に代襲されます(これを代襲相続といいます)。相続人である子に代わって、孫が相続人としての権利を持つことになるのです。

代襲相続:親より先に子が死亡していたら孫が相続する
相続人となるべき人が亡くなった方の死亡前に亡くなっていたり、なんらかの理由で相続権を失っているときは、
その人の直系卑属(子・孫)が相続人...

このように、子供がいた場合の相続権については、離婚でも消えない、自分の一生涯にわたって続く可能性のあるものとなります。

この現実をしっかりと直視し、離婚した配偶者との間に子供がいる場合は、遺言書の準備や遺留分対策として何らかの準備をする必要があります。

遺留分:相続人なのに遺産がもらえない?

思いがけないトラブルに見舞われる前に、そのような可能性がある方は、しっかりと対策を考えてみてはいかがでしょうか

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

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