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【相続で役にたつ】婚姻・離婚などの戸籍の見方を教えます!

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2016年10月07日 公開
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婚姻による新戸籍

婚姻届の中で男女どちらの氏(姓)を称するのかを選択し、氏を称する側が戸籍の筆頭者となります。婚姻届を提出すると、原則として夫婦の新戸籍が編製されますが(一夫婦一戸籍の原則)、婚姻前に自らが筆頭者となっている人がその氏を称する形で婚姻する場合には、その戸籍に配偶者が入籍するため、新戸籍は編製されません。

戸籍の記載順序(戸籍法14条)は

  1. 氏を称する者
  2. 配偶者
  3. 子(出生の順)

となります。

ただし、戸籍を編製した後にその戸籍に入るべき原因が生じた者については戸籍の末尾に記載されることになっています。

なお、本籍地の変更はどこへでも自由に行うことができますが、戸籍法で「転籍をしようとするときは、新本籍を届書に記載して、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者がその旨を届出なければならない」(戸籍法108条1項)と定めています。

また、同一市区町村内の転籍を管内転籍他の市区町村に出て行く転籍を管外転籍といい、管内転籍は新戸籍を編製せず、本籍地を修正するだけなので、戸籍調査上も特段問題は発生しません。しかしながら、管外転籍の場合、戸籍法には「他の市町村に転籍をする場合には、戸籍の謄本を届書に添附(添付)しなければならない」と定められています(戸籍法108条2項)。よって、管外転籍後の戸籍には「戸籍事項」欄には転籍と記載され、従前の本籍地が記載されています。

新戸籍に引き継がれる事項9つの項目

転籍を含む新戸籍編製において、次の9つの項目が引き継がれます。(戸籍法施行規則39条)

逆に、以下の項目以外はその前の戸籍などを辿らないと調べることが出来ません。

  1. 出生に関する事項
  2. 嫡出でない子について、認知に関する事項
  3. 養子について、現に養親子関係の継続するその養子縁組に関する事項
  4. 夫婦について、現に婚姻関係の継続するその婚姻に関する事項および配偶者の国籍に関する事項
  5. 現に未成年者である者についての親権または未成年者の後見に関する事項
  6. 推定相続人の廃除に関する事項でその取消しのないもの
  7. 日本の国籍の選択の宣言または外国の国籍の喪失に関する事項
  8. 名の変更に関する事項
  9. 性別の取扱いの変更に関する事項

「新戸籍において離婚歴が戸籍の表記から消える」というのは、ご存知の方も多いでしょう。

配偶者が外国人である場合

婚姻の相手が日本国籍を持っていない外国人の場合は、その配偶者が戸籍に入ることはありません。ただし、婚姻の届出は可能で、その場合、単独で新戸籍が編製され、「身分事項」欄に配偶者の名前が記載されます。

もともとの筆頭者が外国人と婚姻する場合は新しい戸籍は編製されず、身分事項欄に婚姻の事実が記載されるだけです。

なお、外国人と結婚した場合は婚姻の日から6ヶ月以内に氏の変更届を出せば、戸籍上外国人の氏に変更することもできます。

外国人と結婚した夫又は妻が死亡した場合に、配偶者である外国人には日本の民法に基づいて相続権が発生します(法の適用に関する通則法36条)。その際の相続手続きにおいては、配偶者の実印か、実印がなければサイン証明書付のサインが必要となります。

離婚した場合の配偶者と子供の記載

離婚をすると配偶者は除籍されます。電子化前の縦書の戸籍では、配偶者の名前が×印で消されます。(「バツイチ」というのはここからきているそうです)

除籍された配偶者は、婚姻前の戸籍に戻り復籍する場合と自分だけの新戸籍を作る場合があります。筆頭者はそのまま残りますが、離婚についての記載が残るため、離婚した時点の戸籍を見れば双方ともに離婚した事実が判明します。

ところが、離婚があっても現戸籍に記載されていない例が多くあります。これは、離婚が記載された戸籍から後に新しい戸籍が編製された場合にこのようなことが起こるのです。

離婚の際に子供がいた場合の記載

預金者が死亡した場合に、過去の離婚歴があったとしても、別れた元配偶者は相続人ではありませんから無視して問題はありませんが、離婚前に子供がいた場合、その子供は相続人になりますので、離婚により子供が戸籍の中でどのように記載されているかを知っておく必要があります。

離婚した夫婦に子供がいた場合、子供は筆頭者である側の戸籍に残ります。子供が未成年の場合はどちらかを親権者として定めますが、親権者の側に戸籍が移るのではなく、あくまでも筆頭者のところに残ります。従って、親権者である母親が子供を連れて出て行ったとしても、子供は父親の戸籍に残ったままであることがあり、この状態で母親について相続が発生すると、子供の存在を見落とすことがありますので注意が必要です。

子供を母親側の新戸籍に移すためには、家庭裁判所の審判を申立たうえで「子の氏の変更許可」を得て「母の氏を称する入籍届」を役所に提出する必要があります。この場合は先ほどのケースと反対で、父親について相続が発生した時に子供の見落としがありえるので十分注意が必要です。

子供がいる場合の戸籍の記載

子供には、実子と養子があり、実子は嫡出子(婚内子)と婚外子(または非摘出子)に分けられ、

① 嫡出子とは、婚姻している男女から生まれた子

② 婚外子とは、婚姻していない男女から生まれた子

とされており、現行民法では、相続分については嫡出子と婚外子は平等です(最高裁大法廷平成25年9月4日決定)。

また、養子は、普通養子と特別養子に分けられ、

③ 養子(普通養子)とは、養子縁組手続により養親との間で法定の嫡出子としての身分を取得した子

④ 特別養子とは、実父母との関係を終了させる養子(縁組の届出ではなく家庭裁判所の審判で縁組成立し、養親との間は法定の嫡出子としての身分を取得)

いずれの子も法定相続人となります。

婚姻している男女間に生まれた子は、その父母の戸籍内に出生順に記載されていきます。続柄も「長男」「二男」「三男」・「長女」「二女」「三女」というように順番に記載され、父母の戸籍に入った子は除籍されるまで父母の戸籍に在籍しますが、多くの場合は父母が死ぬまでの間に婚姻・分籍等により除籍されるため、除籍された子がいないかどうかを調べる必要があります。

婚姻していない男女間に生まれた子は婚外子として母親の氏を名乗り(民法790条2項)、母親の戸籍に入ることになります(戸籍法18条2項)。その際、父親が認知するまでは、相手の父親欄は空欄となります。

母親となった女性が親の戸籍に入っている場合は三代戸籍禁止の原則があるため(戸籍法17条)、子供を生んだ後は必ず分籍して、自分が筆頭者となる戸籍を編製し、その戸籍に子供を記載する形になります。但し、父親が認知をして父親の姓を称する場合は、家庭裁判所の許可を得たうえで父親の戸籍に入ることもあります(民法791条)。

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