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【弁護士監修】行方不明の家族がいて遺産分割ができない場合の2つの対処法

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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2016年10月06日 公開
行方不明の家族がいて遺産分割ができない場合の2つの対処法のアイキャッチ

兄が行方不明になっており連絡が取れない

以下のようなケースについて事例を混じえて解説していきます。

私は2人兄弟の次男です。半年前に母が亡くなりました。特に遺産と呼べるものはありませんでしたが、既に亡くなっている父の名義のままになっている実家の不動産(土地・建物)が残っています。

母は長い間、介護施設に入っていたため、実家はもう何年も空き家のまま放置しており、固定資産税等の維持費も掛かりますので売却したいと考えています。しかし、兄の行方が分からないため、売却の手続きが進められません。

相続税の申告期間もありますし、私としては早く売却し、事業資金に回したいと考えています。どうしたらよいのでしょうか。

遺産分割協議は相続人全員の同意が必要な為、まずは、出来る限り行方不明のお兄様を探し出す努力をしなければなりません。なお、個人の力だけでは限界がありますので、難しい場合には、専門家に依頼することも検討して下さい。

しかし、それでも見つからない場合には、以下の方法で申立をすれば解決を図る事ができますので、いずれか適した方法を選択して下さい。

方法その1 失踪宣告の申立

失踪宣告を受けた行方不明者は法律上死亡した者とみなされます。そして、失踪宣告は「普通失踪」と「特別失踪」に分けられます。

「普通失踪」

通常の失踪を示し、7年間生死が不明な場合、失踪宣告が認められます。

「特別失踪(危難失踪)」

船の遭難、戦地などでの失踪を示し、1年間生死が不明な場合、失踪宣告が認められます。

利害関係人が家庭裁判所に申し立てをし、その後、多くの場合は、申立人や不在者の親族などに対し、家庭裁判所調査官による調査が行われます。

その後、裁判所が定めた期間内(3か月以上。特別失踪の場合は1か月以上)に、不在者は生存の届出をするように、不在者の生存を知っている人はその届出をするように官報や裁判所の掲示板で催告をして、その期間内に届出などがなかったときに失踪の宣告がされます。

なお、失踪宣告が認められた後、生存が判明した場合には、家庭裁判所は本人、または利害関係人の請求により失踪宣告を取り消さなければなりません。

ここで間違えてはならないのは、既に終了している遺産分割は有効で、取り消しに影響されることはありませんが、仮に相続人全員の一致があれば遺産分割をやり直すことは可能です。そして、その反対に誰か1人でも反対すれば、当然分割協議のやり直しは出来ません。

失踪宣告を取り消された相続人の本来受け取るべき遺産を既に受け取った相続人は、失踪宣告が取り消された時点で残っている財産のみを返還すれば問題はありません。そして、すでに処分や消費してしまった財産については返還する義務はありません。

方法その2 不在者財産管財人の選任

失踪宣告が認められるまでは最短でも1年と長い時間を要します。その間、他の相続人は遺産分割の話し合いが出来ないまま待たなければなりません。何年もかかる間に、不動産や動産の価値が下がり、中には不利益が生じる可能性も出てきます。そこで、その様な時には不在者財産管財人選任の申立をし、不在者財産管財人が選任されれば、失踪宣告を待たずに、分割協議を進めることが可能です。

まず、家庭裁判所に相続人ら利害関係者が不在者財産管理人の選任の申立を行います。どのような人が選任されるか、具体的な決まりはありませんが、行方不明者の代わりに財産管理を行うことの出来る適格者が選任されます。選任された不在者財産管理人の業務は、不在者の財産調査・管理・家庭裁判所への管理報告等があげられます。そして、家庭裁判所に「権限外行為許可の申立」をし、許可を得れば行方不明者の代理人として、遺産分割協議に加わり、財産を処分する手続き等を行う事が出来ます。

不在者財産管財人は、以下の3つのどれかが確認されるまで不在者財産管財人としての責任は終わりません。

  1. 行方不明者の失踪宣告がされた時
  2. 死亡している事が認められた時
  3. 生存が確認され、失踪宣告が取り消された時

そして、それらがはっきりした際には、行方不明者であった人の相続人に財産を引き継いだり、または遺産分割協議のやり直しとなったりした時に、初めて不在者財産代理人としての責務を離れる事になります。

今回のようなケースの場合、どちらが適しているかは、相談内容だけでは判断でき兼ねますので、弁護士などの専門家にご相談することをおすすめします。

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

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