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著書・論文多数の琉球大学名誉教授の弁護士先生にインタビューのアイキャッチ

著書・論文多数の琉球大学名誉教授の弁護士先生にインタビュー

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2017年06月04日 公開
著書・論文多数の琉球大学名誉教授の弁護士先生にインタビューのアイキャッチ

新宿外苑前に、現・元大学の教授などが多く、研究と法律を掛け合わせてリーガルサービスを提供する弁護士事務所があります。
事案によっては、研究者・学者と一緒に事案を検討したり、証拠を固めるといった珍しい事務所です。

メトロポリタン法律事務所 北河隆之弁護士

メトロポリタン法律事務所 北河隆之弁護士

また、今回のインタビューに協力してもらった、北河弁護士は東京の新宿御苑前に法律事務所を置きながらも、長く琉球大学法科大学院の教授を務めていた経験もある弁護士です。
なぜ?現・元教授などが多く在籍しているのか、どういった経緯で大学の教授になったのか?もインタビューさせていただいた。

■メトロポリタン法律事務所に関して

メトロポリタン法律事務所 北河隆之弁護士

---メトロポリタン法律事務所に関しての特徴、名前の由来などを教えて下さい。

元々は北河法律事務所という事務所名だったのです。
当時は事務職員のほかは私1人でやっていました。
いずれは弁護士を増やそうかな、共同事務所にしようかなと考えはじめていたころに、明治学院大学法学部の教授をされていて、同じ恩師(故野村好弘先生)のもとで学んだ、私のいわば弟弟子に当たる阿部満教授が、ここに弁護士登録されるという話が出てきて、「北河法律事務所じゃ、やっぱりちょっとねぇ」と思ったわけです(笑)。

---じゃあ、北河・阿部法律事務所なども?

それもありですが、そうするとまた弁護士が増えたときに困りそうですし、阿部先生は、基本的には大学の先生をやっておられますからね。
そういうこともあって、もう少し個人の名前に偏らないものがいいだろうと、じゃあ何にするかと考えたときに、新宿だとか東京だとかその土地の名前を付けるのもありますが、それだと事務所の場所を移転するとときに困るかな?と思いました。

それでいろいろ考えていた時に、私は東京都立大学(現在の首都大学東京)の出身なんですが、東京都立大学は英訳が<Tokyo Metropolitan University>なんですよ(笑)。
それで「あっそうだ!」と、それだったら首都(メトロポリタン)だったらいいだろうと、首都だったら東京都内どこに移転してもいいだろうし、ちょっと羊頭狗肉の感はありますよね(笑)。
それでメトロポリタン法律事務所と名前を変更しました。そのぐらいの内容が伴ってくるといいなという希望も含めてつけました。

---先生は39年の弁護士歴があり、独立は何年目なんですか?

自分の事務所を開設して独立したのは1984年の4月です。友人の弁護士と二人で共同事務所を設立しました。(当時は)2年間の司法修習を終えてから、勤務弁護士、いわゆるイソ弁として6年間銀座の法律事務所にお世話になり、それから独立しました。ですから、今年(2017年)で、弁護士として39年間、独立してから33年間になります。

---次に特徴など教えてください

メトロポリタン法律事務所 北河隆之弁護士

ホームページにも載せておりますが、「理論と実務との架橋」ということを事務所の理念にしており、こういう事務所は他にないと思います。
これは私自身が2004年から今年(2017年)の3月まで琉球大学法科大学院の教授を務めていたことや、それ以前は2000年から2004年まで4年間、明海大学不動産学部という所で教授をしていたことと関係しています。こういう経歴をもっている弁護士は珍しいと思います。法科大学院の理念はまさに「理論と実務の架橋」なんですが、それを弁護士としても実践したいと考えました。
これは偶然ですが、阿部満先生は明治学院大学法学部の教授で、民法、中でも不法行為法を研究されています。

---教授集まりなんですかね?(笑)

そうですね。
青木先生は元裁判官で、退官されてから琉球大学の教授となられ、一時期私の同僚だった方で、今は一橋大学法科大学院の教授をされています。刑法がご専門ですが、特に裁判員裁判の研究では第一人者の方です。
それから、松村弓彦先生は、元々は川崎製鉄に勤めておられて、その後に、明治大学法学部の教授になられた方ですが、環境法がご専門です。
明治大学を定年退職されてから、弁護士の仕事をそんなにやるつもりはないけれども、やっぱりちょっと弁護士登録をしておきたいということで、うちの事務所に登録されています。そんなご縁で、私は松村先生が退職されたあと、明治大学法科大学院で(非常勤講師として)環境民事訴訟を教えています。

---色がしっかりとしてますね。

大学の教授とか、元教授の弁護士が多いということですが、最初からそれを目指していたわけではありません。
似ている方が何となく、気心が合う方が集まったというところですかね。

私もそうですが、皆さんそれぞれ多くの著書とか、論文を執筆されています。先ほどお話したように「理論と実務の架橋」というのは法科大学院の理念でもあるわけですが、研究の成果を実務にフィードバックする、逆に実務の経験を研究にフィードバックする、そういうことによって研究と実務の両面で豊富な経験を生かして、いろんなさまざまな法律問題の解決に取り組んでいくことがうちの事務所の特徴・理念ということになります。
それが他の法律事務所とちょっと変わっている所で、こういう法律事務所はめったにないと思います。

---では、研究を活かした弁護活動ができるということですか?

そうですね。
それに、なかなか全ての分野で、全ての問題に精通しているっていうのは事実上難しいじゃないですか?
また、あまり判例もない、学説もないっていう問題が時に出てくるんです。
そういうときに、自分の親しくしていただいている知り合いの先生方、大学には限らないんですけど、いろんな先生方にご意見を求めたり、ご協力を求めたり、あるいは時にはお願いして依頼者と一緒に会いに行ったりします。

事件の難易度が高いものについても、積極的に取り組んで、しっかりと対応してまいります。
---独立にあたって何か苦労話など教えてください

私は元々サラリーマンの息子なんです。
弁護士登録をした時は確かまだ26歳で、まだ若造じゃないですか。
それで弁護士としての基盤が全くないところから出発したわけです。
父親が弁護士というわけでもないし、それからもう少し歳を取っていれば社会的な経験を積んで、社会的にいろいろなコネクションとか縁故ができているでしょうけれども、26歳の若造ですからそういうものもないわけです。
だから何もないところから出発したということです。

結局やれることは一つ一つの仕事を、丁寧に全力を尽くして処理していくことで、お客様の信頼を得て、段々お客さまを増やしていくという、それしか方法がなかったんです。
顧問先についても同じようなことになりますが、信頼をしていただいて、顧問先の数なんかも多くありませんし、大会社があるわけではありませんが、非常に信頼関係が深く築かれていて、長い間、顧問にしていただいているということです。大変ありがたいことだと思っています。

 

そういう意味では、一つ一つ自分というものをぶつけて依頼者の方の信頼を得ていくしかありませんでした。ありがたいことに、依頼者の方に限らないのですが、人ってやっぱり見ててくれるんですね。一生懸命やっていると、例えば場合によっては事件の直接の依頼者ではなくて、ときには相手方になった人とか、あるいは協力をお願いした人から、後日、別件で「あの時、先生がすごく一生懸命にやっておられたから」ということでご依頼を受けることもあるんです。
もちろん、そういう昔の相手方のときには、必ずもとの依頼者の方の承諾を得てから慎重に対応しますが。

 

■北河隆之弁護士先生に関して

メトロポリタン法律事務所 北河隆之弁護士

---弁護士を志した理由を教えて下さい

まず口幅ったいんですが、「正義の実現に携わりたい」ということが一つありました。
ただ40年近く弁護士を経験してみると、それはいうほど簡単なことではなく、なかなか難しいことだなと(笑)、そういうことは他方で痛感はすることがありますが、今でもその志は失ってはいないつもりです。

それから、僕は足が悪くて、これは2歳の時に小児まひ(ポリオ)にかかったんです。
それでご覧のとおり左足がずっと悪いものだから、それがハンデとならないような職業に就きたいと、これがありました。
おそらく、その二つが大きな動機だったと思います。

---また、琉球大学の教授になった経緯を教えてください

琉球大学に着任したのは2004年4月で、ちょうど法科大学院制度が立ち上がる時でした。
民法の中に、不法行為法という分野があるんですけれども、琉球大学でその不法行為法の分野を担当できる教員が見つからなかったようです。
当時は文科省が教員の科目適合性についてものすごく厳しい審査をしていたんです。
その厳しい審査基準を満たす人がなかなか見つからなかったのですが、私が弁護士をしながら明海大学不動産学部の教授もしており、不法行為法の分野の著書・論文なども多く執筆していたということで、私にお話が来たというのが経緯ですね。

---では、研究というよりも法科大学院を立ち上げるために

そうです。
琉球大学法科大学院の不法行為法と民法演習の担当です。
教授というのは教育者であり、かつ研究者でもあります。

だから、研究したことを教育にフィードバックすることが必要になります。それに法科大学院は将来の法曹志望者を教育する機関ですから、実務家としての経験を授業に反映させることも必要です。
研究は東京の事務所でもできますから、向こう(沖縄)に行ってやる仕事は教える(授業をする)ことですが、やはり大学の研究室は静かに研究するにはよい環境でしたね。月に2回、隔週で、2泊3日または3泊4日の日程で沖縄まで通っていました。今年の3月で定年退職となるまで、そのような生活を13年間続けてきました。

私を琉球大学法科大学院へ誘ってくださった当時の研究科長の先生(故島袋鉄男先生)からは、「今後いろんなものを書くときに、弁護士という肩書と共にぜひ『琉球大学法科大学院教授』という肩書で発表してほしい」と、「そうすることによって琉球大学法科大学院の知名度も上がるから」と、そんなようなことも言われましたね(笑)。なにしろ片道900マイル以上の距離がありますから、体力的には大変でしたが、私にとって貴重な機会を与えてくださいました。

---講演の内容などは相続関係の講演なども?

メトロポリタン法律事務所 北河隆之弁護士

そうです。テーマでかなり異なってきますが、基礎知識のある方々に対しては最近の判例の紹介とか、その判例の解説とか、そういうものを中心にお話をしております。
一般の方々に対してですと、どういう人が相続人になるのかとか、相続分はどうなのかとか、ご存知のとおり結構複雑な寄与分の話とか、特別受益の話とか、あるいは遺言の書き方とか、そういう現在の相続制度を少し噛み砕いてお話をするというような感じで、かなり内容には差があります。

誰が相続人になるのかという話と、相続の順位がどうなるのかとか、相続分がどうなるのかとか、法律に書かれている基礎的なことであっても正確な知識をお持ちになっている人は少なかったりしますから。それから遺言の書き方なんかもありますので、そんなような基礎的なお話をすることが初期のころは多かったです。

---研究の内容なども触れれれば

判例解説や評釈は、不法行為法、相続法、不動産法の分野を中心に随分書きました。
これは自分でも勉強になりますから。
不動産と相続って実は非常に密接な関係にあります。
相続財産としては不動産があるというのが多いじゃないですか?
だから、そういうときの法律関係がどうなるのか、例えば、相続財産というのは相続開始時に、被相続人、つまり亡くなった方が持っていた財産のことです。これが遺産分割の対象となります。

ところが不動産なんかだと、それを賃貸している場合がありますね。
賃貸しているわけですから、そこから賃料が上がってくる。
そうすると、相続開始後のその賃料はどういう性質を持つのか、誰のものになるのかという問題があります。
これについて、判例(最高裁平成17年9月8日判決)は、相続開始後、遺産分割までの間に発生する賃料は相続財産とは別の財産であって、遺産分割とは無関係に相続人が法定相続分に応じて取得するとしています。私も判例解説を書いていますが(不動産研究49巻3号)、そういう細かいけれども、相続人には利害関係の濃い難しい問題が実は不動産絡みで相続にはいっぱいあります。
だから、そういう意味で不動産と相続との関わりは非常に密接です。

著書としては専門家向けの書籍と一般向けの書籍の両方を書き分けるようにしています。それぞれ役割が異なりますから。書いてみると分かるのですが、一般向けの書籍というのは専門書とは異なった難しさがありますね。

 

■最後に

メトロポリタン法律事務所 北河隆之弁護士

---現在、振り返って、定年というのはないものの、いかがかなと

率直に話すと、弁護士の数が増えてきたということと、もう一つ広告が解禁されたということによって弁護士像っていうのは大きく変わったと感じています。

私の世代は、弁護士は一般のビジネスとは一線を画するもので、結果として収入がつながってくるということはあっても、収入を目指してビジネスをするのではないという思いが強い世代です。僕らの世代の人は大体そういう思いを持っている人が多いと思いますね。
しかし、弁護士の数が増えてきたことにより、スタイルも変わってきました。全国に支店を設け、各種媒体を利用して大々的に宣伝をして集客をするというビジネスモデル、これが増えてきていますよね。

世代ごとに考えかたや、仕事のやり方かたはもちろん変わることであり、僕はそういうビジネスモデルも有りだとは思っていますが、それは自分が考えている弁護士像とは異なるものであって、自分がそれをやろうとは思いません。
自分としては、事件を一つ一つ、自分が弁護士になった時と同じようにこれからも丁寧に全力で処理していくということに尽きるだろうと、そんなふうに思っています。

---相談に来られる方・依頼者などに一言お願いします。

当事務所は大きい事務所ではありませんが、この規模の事務所であるというメリットを生かすということを考えています。
それは、若手の弁護士に丸投げしないで、必ず私自身が関与して全ての事件を処理する、それは法律相談も含めてそのようにしています。
受任した事案は、私と若手の弁護士とのペアで取り組んでいます。
所長である私が責任を持って全ての案件に関与して処理する、それがこの規模の事務所でできることであり、この規模の事務所でなければできないことだと思います。

もう一つは、やはり依頼者の方々とのコミュニケーションを大切にしたいというふうに思っています。事件の数が膨大になるとなかなかそういう丁寧なコミュニケーションを取ることが難しくなってきます。
うちの場合には、例えば裁判所に出す書面はもちろん、相手方に出す書面の一つについても、必ず事前に依頼者の方にお送りして、依頼者の方のご意見を伺って了承を得てから出すようにしています。

ただし、もちろん依頼者の方のお気持ちと、弁護士としての方針、弁護士としてはこういうふうにしたほうがいいのではないかと思うところが違うことは出てきますよね?
そういうときにはその理由を説明して依頼者の方と話し合い納得をしていただいてから書面を出し、あるいは交渉に当たります。
そういう意味では、時間と手間はかかるのですが、非常にきめ細かく依頼者の方とのコミュニケーションを取っていくということを常に心掛けています。

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北河 隆之 (東京弁護士会所属 / メトロポリタン法律事務所)

当法律事務所は最高水準のリーガルサービスを提供できるように「理論と実務との架橋」を理念として掲げ、複雑かつ専門的な事案にも対応できるように、研究・実務の両面で研鑚に励んでおります。 所長の北河隆之弁護士をはじめ、当事務所所属の弁護士は、法科大学院・大学法学部の教授・元教授であり、数多くの著書・論文を執筆しております。 是非、ご相談ください

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