遺産相続専門の弁護士検索・法律相談ポータルサイト

遺産相続の相談件数 6097

遺産相続に強い弁護士 207

相続を放置したらどうなるの?生じやすいトラブルについて解説

197 Views
更新日:2024年01月29日
相続を放置したらどうなるの?生じやすいトラブルについて解説のアイキャッチ

親の財産が多くない場合や、被相続人との関係が希薄な場合、相続手続きを放置したいという方もいるでしょう。

確かに、相続手続きは複雑で面倒に感じてしまうかもしれません。

しかし、相続手続きには申告期間が決まっており、放置した場合は思わぬ不利益が生じる可能性があるので注意が必要です。

本記事では、相続を放置した場合に起こり得るリスクについて解説します。

そもそも相続はどのような手続きが必要か

相続が開始されると、次のような流れで手続きを進めることになります。

  1. 相続開始(被相続人の死亡)
  2. 葬儀・死亡届の提出
  3. 遺言書の確認
  4. 相続人の調査・被相続人の財産確認
  5. 相続開始から3ヶ月以内に、相続放棄か限定承認するか熟考する
  6. 相続する場合は遺産分割協議・調停を行う
  7. 財産の登記を行う
  8. 相続開始から10ヶ月以内に相続税を申告する

上記を見て分かるとおり、相続には完了するまでの期間が決まっています。
最初の期間が、相続をするかどうかの熟考期間(3ヶ月以内)。
次に、相続税の申告(10ヶ月以内)。

すべての手続きを、10ヶ月以内に完了させなければならないということです。
では、これらの手続きをすべて放置した場合に生じるリスクについて次の章で解説します。

相続を放置するとどんな財産も自動的に引き継いでしまう

まず、最初の3ヶ月が経過して手続きを済ませないと、どんな財産も自動的に引き継ぐことになります。
これを「単純承認」といいます。

「どんな財産も」というのは、プラスの財産だけでなく借金やローンといったマイナスの財産もという意味です。

相続は、放置すればスルーできるというわけではありません。
単純承認になってしまえば、「どのような財産も引き継ぎます」と意思表示したものと見なされてしまうのです。

熟考期間として3ヶ月が設けられているのは、借金があった場合に相続を放棄するかどうかを考える期間なのです。

相続を放置すると、借金を背負うことになってしまうので注意が必要です。

借金がある場合は限定承認をする選択肢がある

被相続人に借金がある場合、相続放棄をする以外の選択肢はないのか?というとそうではありません。

限定承認といって、マイナスの財産のほうが大きい場合は、プラスの財産を上限にマイナスの財産を相続できるという方法があります。つまり、プラスマイナスゼロにするという解決策です。

ただ、熟考期間である3ヶ月を無視して単純承認が成立してしまった場合は、相続放棄も限定承認もできません。
これが、最大のトラブルといえるでしょう。

相続放棄や限定承認ができないとどうなるのか

単純承認が成立してしまうと、相続放棄や限定承認を選択することはできなくなります。
ということは、被相続人が抱えていたどのような負の遺産も引き継ぐことになってしまいます。

返済できないような額の借金は、場合によっては自己破産を迫られることになるかもしれません。

相続を放置すると、このようなリスクが伴うということを理解しなければならいのです。

まとめ:相続は期間内に必ず行うこと。不安があれば専門家へ相談を

相続を放置することは、どんな財産も引き継ぐ覚悟がある意思表示をしていると判断されます。

もし、自分が相続人であると分かっているのであれば、早めに手続きを済ませる必要があるでしょう。

財産調査や手続きに不安がある方は、相続に詳しい弁護士に早期に相談してアドバイスをもらうことをおすすめします。

弁護士に相談する前に、弁護士費用が不安な方はベンナビ弁護士保険の利用を視野に入れてみましょう。

全国の弁護士を見つけるには、以下をご活用ください。

困ったら弁護士に相談しましょう

お住いの地域
相談したい内容

この記事の著者

編集部の画像

編集部

中立的な立場として専門家様と連携し、お困りの皆様へ役立つ安心で信頼出来る情報を発信して参ります。

この記事を見た人が見ている記事

借金(債務)は相続する必要があるのか?の画像

2021年08月25日 5113 views

古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

連帯保証がある相続。相続すべきか放棄すべきか。の画像

2021年03月17日 5768 views

古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

借金など相続したくない場合に「放棄する」という選択肢を知っておこうの画像

2020年08月25日 5282 views

古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

亡くなった後に借金が出てきた場合の相続放棄と対処法の画像

2020年07月14日 8433 views

古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

問い合わせの多い生前対策に強い弁護士

生前対策に強い弁護士相談

問い合わせの多い生前対策に強い弁護士

ベンナビ弁護士保険