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【弁護士監修】借金(債務)は相続する必要があるのか?

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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2016年10月06日 公開
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あるQ&Aサイトで下のような質問がありましたので、解説していきます。

Q:借金(債務)を相続する必要はありますか?

A:必ず相続しなければならないというわけではなく、「相続放棄」、「限定承認」といった方法もあります。

債務は相続人全員で引き継ぐのが原則

相続は被相続人(死亡した人)の不動産、預貯金、有価証券などの財産(権利)を承認するだけでなく、被相続人の債務(義務)も引き継がなければなりません。債務がない場合は問題ありませんが、借入金や保証債務といった債務がある場合はどうすればいいでしょうか?

借入金など債務については、原則として相続人が法定相続分に応じて負担することになります。遺産分割協議で借入金を特定の相続人が引き継ぐと決めても、債権者と合意しない限り、基本的には相続人全員で引き継がなければなりません。これは、債務の承継を相続人が自由に決めると、たとえば財産のない相続人に借入金を押し付けて債務から逃れようとしたりする可能性があり、債権者を保護できなくなる恐れがあるからです。

そうは言っても相続人にとって債務の引き継ぎは大きな負担になりがちです。

ここでAさんのケースを見ましょう。Aさんの父が亡くなったのは2ヶ月前です。家や預金などの相続については母や弟と話し合い、すぐに分け方を決めました。

ところが先日、ある銀行の職員から電話があり、「父親の借金の返済」を求めてきました。聞けば、父は生前、友人の経営していた会社の債務の保証人になっており、その会社が倒産したのだと言います。債務は約2000万円で、Aさんらにとっては、とても返済できる金額ではありません。どう対処すればいいでしょうか。

債務に対処する3つの方法

一般に債務がある場合は、相続が起きてから原則3ヶ月(熟慮期間)以内に結論を出す必要があります。とりうる選択肢は「相続放棄」、「限定承認」、「単純承認」があります。一度選んだら基本的には撤回できないので、注意深く考える必要があります。

相続放棄

まず、「相続放棄」は、文字通り、財産、債務の両方を承継しないことです。債務の額のほうが財産の額より大きいのが確実であれば、通常、相続放棄をします。債務額が財産額を超過することが確実でなくとも放棄する例が多いと専門家は言います。放棄する人は家庭裁判所へ申し立てる必要があります。相続放棄する人は他の相続人の合意が得られなくても、それぞれで申し立てることができます。家庭裁判所に正式な手続きをしないで、単に財産を取得しなかった人は相続放棄には当たりません。相続放棄をした人は初めから相続人でなかったものとされます。

限定承認

2つ目の「限定承認」は、債務があっても財産額の範囲内で返済すればよいという方法です。財産額を超える分の債務については、相続人が自身の固有財産(前から持つ財産)から返済する義務はありません。

ただ、相続放棄と違って、限定承認の場合は、相続人全員が家庭裁判所に共同で申し立てなければなりません。相続人のうち1人でも「限定承認は認められない」と言えば、他の相続人も限定承認の申し立てはできませんので注意が必要です。

単純承認

熟慮期間である3ヶ月の間に相続放棄や限定承認を申し立てなかった場合は、自動的に「単純承認」をしたことになります。単純承認とは、財産、債務ともにそのまま引き継ぐことです。家庭裁判所へ申し立てる必要はありません。ただ、債務金額が大きいと、財産を売っても介せない恐れがあるので要注意です。

ところで、債務の中で保証債務は、本人以外、把握することが難しいのでやっかいです。本人自身が銀行から借り入れていたのであれば預金通帳に返済記録が残っているかもしれませんが、保証人の場合は遺品を徹底的に調べない限りは発覚しにくいからです。

前述のAさんの例では、父がなくなってからまだ2カ月ほどです。不幸中の幸いで、熟慮期間が終る前に、保証債務の存在を銀行を通じて知ることができました。債務額のほうが財産額より大きいようですが、かろうじて手立ては残されています。すぐに決断できないなら、ひとまず熟慮期間の延長を家庭裁判所に申し立てるのが得策です。その上で次善の策を考えるのです。

Aさんのケースでは、資産の範囲内で返済していく限定承認を申し立てるのが有効でしょう。

【相続放棄】

利用を考えるケース  →・借入金や保証債務が財産を超過することが確実な場合

メリット       →・相続人は自分の財産を保護できる

デメリット      →・財産が相続できなくなる

家庭裁判所への申し立て→・相続人がそれぞれで申し立てられる

【限定承認】

利用を考えるケース  →・借入金や保証債務が財産を超過するかどうか不明な場合

・被相続人は債務超過だが、特定の土地など相続財産の中で必要なものがある場合

メリット       →・財産の範囲内で債務を負えばよい

デメリット      →・被相続人から相続人への財産の時価による譲渡とみなされ課税される場合がある

・手続きが面倒

家庭裁判所への申し立て→・相続人全員が共同で申し立てなければならない

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