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【弁護士監修】亡くなった親の介護など面倒を見ていたら、相続分の割合は多くなる?

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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更新日:2020年10月06日
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亡くなった方の献身的な介護していた

親の介護をしていた場合の相続について、ご相談事例を参考に紹介いたします。

ご相談者のお母さんが障害を抱えており、日常生活も介護無しでは難しい状況が続いていました。お母さんの配偶者であるお父さんは早くして他界しており、次女である妹さんは遠方にお住まいであったため、長女であるご相談者が一人でお母さんの介護を献身的に行っていました。

一方、遠方にお住まいの妹さんは、ご結婚しているご主人のご両親の介護で手が離せない状況で、お子様もいたことからご相談者であるお姉さんの金銭的な支援もすることが困難な状況でした。

そのため、ご相談者は結婚も諦め、お仕事も出来ず、お父さんの遺した財産で細々と生活されていたとのことでした。

そのような状況が約25年続きましたが、残念ながらお母さんがお亡くなりになりました。

故人であるお母さんの相続財産は、預貯金1500万円とお父さんから相続したい自宅不動産。相談者は長年に渡る介護をほぼ一人で献身的に行ってきたため、妹さんに相続放棄して欲しい旨を伝えました。

今回のような場合、相談者の主張は認められるのでしょうか?

相続の「寄与分」とは何か?

今回の事例において、寄与分が認められるかどうかが問題となります。

では、「寄与分」とはどういったものなのでしょうか?

相続人の中に、今回のような被相続人(亡くなった方)に対して特別な貢献をした場合や、故人が行っている事業を手伝っていた場合、故人の財産の維持や増加に特別な貢献をした場合など、それを考慮して遺産分割しないと不公平が生じてしまうことを守る制度です。

そこで、相続人との間での実質的な公平を図る観点から、遺産分割を行う場合に特別な貢献をした相続人に貢献分に応じた分を多く分割されるように認められており、貢献分として多く受け取れる金額を「寄与分」と言います。

寄与分が認められる条件とは

民法(第904条の2)で定められている寄与分が認められる条件は、下の3つの条件を満たしている時になります。

相続人であること

今回の事例では、相談者は相続人ですので問題ありませんが、仮に故人に兄弟姉妹がいてその兄弟姉妹が介護をしていた場合、今回のケースでは兄妹姉妹は相続人ではありませんので、どれだけ貢献したとしても、寄与分は認められません。

「特別」の寄与であったこと

民法では、夫婦間の協力及び扶助の義務(民法第752条)、直系血族(親子間)及び兄弟姉妹の扶養義務(同第877条)、直系血族及び同居の親族の相互扶養義務(同第730条)が定められておりますので、その扶養義務の範囲内の行為であれば寄与分とは認められません。

ここで定められている「特別」とは、通常期待される程度を超える貢献でなければならないと考えられています。故人の事業に関して労務を提供したこと,財産上の給付をしたこと,故人に対する療養看護,などが挙げられています。そして,それらの寄与行為が「特別」の寄与行為であることが必要になります。

例えば、事業を行っていた故人の事業を無給で手伝っていた、事業資金を提供していた、被相続人の入院治療費を負担していた、故人に代わって債務の返済等を行った、故人の療養看護にあたり医療費等の支出を抑えた、本来複数の相続人が負担すべきであった扶養義務を一手に担ったなどの財産維持に貢献した場合などが、特別の寄与行為に該当するとされています。

故人の事業を手伝っていたとしても、従業員として給与を受け取っていた場合や、少額でも給与が支給されており生活か賄えていた場合、故人所有の不動産に無償で生活していた場合などは、寄与として認められない場合もございます。

故人の財産の「維持」または「増加」があること

相続人による貢献が寄与分として認められるためには、その貢献によって故人の財産が維持か増加がしたことが必要になります。相続人の寄与行為によって故人の財産維持か増加したことが因果関係として認められなければなりません。

まとめ

このように、寄与分については、貢献の程度や相続人の財産の維持増加など一律に定められた基準やルールがなく寄与分を算定する方法についてまでは定められていません。寄与分の算定については、相続人全員が協議して決定するか、家庭裁判所に申し立てをして、寄与分を決めてもらいます。

家庭裁判所の過去の判例をみると、最も多いもので遺産全体の2分の1で、一般的には5%~3分の1間で認められるケースが多く、寄与をした側の立場からすると、『思ったよりもかなり少ない』と感じる場合も多いでしょう。

ご心配であれば、事前に遺言書などで「介護をしてくれた○○には他の相続人より○○○円多く相続させる」などの記載をしてもらった方が良いでしょう。

相続に強い弁護士

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

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