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遺産分割時によくある5つのトラブルのアイキャッチ

遺産分割時によくある5つのトラブル

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2016年10月06日 公開
遺産分割時によくある5つのトラブルのアイキャッチ

遺産分割に関するよくある5つのトラブル例

遺産分割協議がまとまらない、共同相続人の間で遺産分割協議の足並みがそろわない――そんなときは、裁判所等で遺産分割の審判をしてもらうことになります。
初めから協議ができない状態であったり、相続人の1人がへそを曲げて初めから協議に加わってこなかったりする場合も同じです。

遺産分割協議というのは、「訴訟」を起こして決着をつけるような問題ではないとされており、最終的には審判事項によって裁判所が遺産分割の方法を決定する審判をします。
家庭裁判所の家事調停では、離婚など親族間の争いの場合、原則として訴訟の前にまずは調停をしなくてはならない制度(調停前置主義))があります。けれども、遺産分割の事件ではこの「調停前置主義」は適用されないため、調停申し立てをせず、審判を申し立てることも可能です。

とはいえ、やはり遺産分割は家族・親族の問題ですので、通常は、調停申し立てをすることになるでしょう。
要は、相続人たち自身でまとめることができない場合は、調停を起こして裁判官に委ねましょうということです。

トラブルその1:共同相続人が不動産などの名義変更に応じない

遺産分割協議で分割方法などを決め、遺産分割協議書に実印も押したのに、いざ不動産の登記名義を変更しようとしたら、移転登記手続きに応じない親族がいる。そんなときも、印鑑証明書があれば、それを添付書類として登記申請手続きすることが可能です。

もし、必要書類をそろえられず不備となれば、通常の調停や訴訟で名義変更手続きを求めることになります。
また、遺産分割協議自体がすでに終わっているのであれば、裁判所の遺産分割審判の問題ではなくなっています。協議書が確実に作成されている場合は、早目に調停・訴訟へ手続きをしたほうが賢明です。
分割協議の取り決めを守らない相続人がいたとしても、遺産分割協議の債務不履行(なかったことにすること)を理由に協議を解除することはできません。

トラブルその2:分割協議の後になってから新たな遺産が出てきた!

遺産分割協議は、相続人全員の意思の合致により決定します。その後は効力が発生し、取り消しや無効になり得る原因がない限り、協議のやり直しを主張することはできません。

「協議内容の不履行があっても、遺産分割協議は契約のような形式に則っているものではないので協議の解除は認められない」とする判断が裁判で下されています。協議のやり直しや解除はできず、基本協議の内容に従って、調停や訴訟で進めていくことになります。

しかし例えば、遺産が協議から漏れていた場合はどうしょうか? その場合も、別の協議をすることになり、元々の協議をやり直すことはできません。
ただし、後から発覚したのが重要な遺産ということであれば、協議の要素に「錯誤」があったとして、分割協議の無効を主張できる場合があります。「錯誤」が認められ「無効」となれば、分割協議はやり直しになります。

遺産分割は、共同相続人の分割協議によるも、裁判所の調停または審判によるものの2種類があります。いずれも、法定相続分と遺言による指定相続分に従って行われなければなりません。

遺産分割は民法で、
「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする(第906条)」
と定められているとおり、各相続人のさまざまな諸事情を考慮すべきとされています。だからといって、相続分を無視してもいいという意味ではありません。

これは、法定相続分きっかりの分割でなくてもよく、金額が相違しても、当人同士が同意するならば分割協議は成立するということです。ですから、後から話が違うなどと言い出すようなことがないよう、しっかりと相続人同士で話をしたほうがよいでしょう。

トラブルその3:遺言書が後から出てきた!

遺言が判明しないまま分割協議の審判があったとします。この審判後に遺言書が発見され、相続分が異なっていた場合、遺産分割はどうなるでしょうか? この場合、遺産分割は無効となり、再調停・再協議・調停審判の無効確認手続きが行われることになります。

さらに、相続人の一部を外して行われたた協議や、相続人ではない者を加えた分割も無効となり、改めて協議をすることになります。

そのほか、新たに相続人が発見されたり、無視されていた相続人がいたりした場合にも同様の問題が起こります。これらの問題は、後から遺言書が発見されることで分かる場合もあります。そのような場合、当然相続人の数が増えるため、相続分も異なってきます。

トラブルその4:「相続分がないことの証明書」が偽造されていた!

相続人は、遺産分割までに自分の相続分を放棄することができます。例えば、生前贈与(特別受益)を受けていて、それが自身の法定相続分以上にあたれば、相続の権利はありません。その証明となるのが「相続分がないことの証明書」または「特別受益証明書」です。

「相続分がないことの証明書」が提出されると、その提出者を抜いた相続人で遺産分割協議を進めることになりますが、逆に、特定人物を抜いて協議をすることを目的に、「相続分がないことの証明書」が偽造されるケースもあります。偽造でなくても、不動産の物件について作成した書類が別の物件に流用されることもありますから、証明書の作成には注意が必要です。

「相続分がないことの証明書」は、作成に関する書式は決まっていませんが、放棄する物件を明記するなどをお勧めします。

証明書が偽造や流用であっても、証明書の名義人は特定の不動産について取り分がないということを、法務局に対して書面上で認めたかたちになるため、証明書の名義人を除いた他の者の名義で相続登記が可能です。

登記には印鑑証明書の添付が必要となります。もし、「相続分がないことの証明書」の偽造や、別の書類の流用によって、同意がないまま登記手続きが行われたとしたら、印鑑証明書の偽造・盗取などの不正入手にも遭ったことになるわけです。これは「私文書偽造の罪」にあたりますので、最悪、交渉の材料に持っていってもよいでしょう。

トラブルその5:相続人であることを無視されたまま遺産分割協議が行われた!

遺産分割に参加できないなどとして、相続人であることを無視された場合はどうしたらいいでしょうか。このようなときは、「相続回復請求権」を行使して、侵害された相続権の回復を求めることができます。自身の法定相続分にあたる財産を全て引き渡すよう、侵害者に対して相続を受ける権利の主張可能なのです。

しかし、この「相続回復請求権」には期限が設けられています。相続権侵害の事実を知った時点から5年間(時効期間)、相続開始から20年間で行使する権利は消滅してしまいますので、早めに対応することをお勧めします。

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