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遺産相続には期限があります。

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2016年10月07日 公開

相続の手続きの節目は7日、3ヶ月、4ヶ月、10ヵ月になります。

スムーズな相続手続きを行うためには全体のスケジュールを把握する事が大切で、手続きは、相続に関係するもの、しないものの2つに分かれます。

全体のスケジュールを把握しましょう。

人が死亡すると、様々な手続きが必要となります、手続きにはそれぞれ期限があり、葬儀や法要など忙しいなか、着々と進めなければなりません。

相続をスムーズに行うためにも、全体のスケジュールをしっかりと把握しておくことが大切です。

time-limit-to-inheritance

死亡後の手続きは期限がある。

手続きの期限には、大きく分けて亡くなってから、7日、3ヶ月、4ヶ月、10ヵ月の4つがあります。

そして、手続きには亡くなった方の相続に関係するものと関係しないものがあり、相続に関係ないものは、役所で死亡・公的年金の届け出や名義変更などがあります。

期限は7日~14日以内となっており、早目に終わらせた方が良いでしょう。

相続に関係するものには、おもに死後3ヶ月以内の相続放棄限定承認4ヶ月以内の準確定申告10ヵ月以内の相続税の申告・納付があります。

特に3ヶ月以内に行う相続放棄はとても重要です。

相続放棄に強い弁護士を探す

相続放棄とは⇒

相続手続きは、相続人すべてが揃わないと進まないものが多く、時間と労力が非常に掛かります。

生前から誰が相続人となるのか?財産はその程度あるのかなど、なるべく明確にしておいた方が良いでしょう、財産目録の作成等しておくのがお勧めです。

相続手続きのゴールは、相続税の支払いがある場合は、相続税の申告・納付まで、支払いがない場合は、遺産の名義変更までです。

※期間毎に行う目安、クリックすると項目にスクロールします。

7日以内⇒

10日以内・14日以内⇒

14日以内⇒

3ヶ月以内⇒

4ヶ月以内⇒

10ヵ月以内⇒

1年以内⇒

3年以内⇒

■7日以内

■死亡届の提出

亡くなった時の初めの手続きは7日以内に死亡届の提出を行う

まず、医師の診断書と一緒に死亡届を提出、期限は死亡を知った日を含めて7日以内です。

届け出が義務付けられているのは、親族や同居人などですが、実際に役所に出向く人については特に決まりもなく、葬儀社が代行する事があります。

届け先は、故人の死亡地、本籍地、届出人の所在地のいずれか市区町村役場です。

死亡届と一緒に、医師が作成した死亡診断書か死体検案書を添付し、役所では、死亡届の提出と同時に死体埋葬許可証の交付を受けます。

市区町村の許可がなければ、火葬も埋葬も出来ません、自治体によっては死体埋火葬許可申請書を提出して、許可証の交付を受けること場合もあります。

勝手に火葬・埋葬をすることは法律で禁じられており、埋葬許可証は納骨の際に必要となり、5年間の保管が義務付けられています。

死亡⇒死亡届⇒納棺⇒お通夜⇒葬儀・告別式⇒出棺・火葬⇒還骨回向(かんこつえこう)⇒初7日法要の順に行われます。

■10日以内・14日以内

■年金関係の手続きを行う

亡くなった方の年金支給を止める

遺族は未支給年金を受け取ることが出来、一定範囲の遺族に関しては遺族年金がもらえます。

住民票コード登録者は手続きが簡略化も、故人が年金受給者だった場合は、年金受給権者死亡届を提出し、年金の支給を止めなければいけません。

ただし、平成23年7月以降、日本年金機構に住民票コードを登録している方は、原則この手続きが簡略出来る様になりました。

提出期限は老齢厚生年金受給者は10日内で、老齢基礎年金受給者は死亡から14日以内になります。

提出先は最寄りの年金事務所、または年金相談センターです。

亡くなった方が、まだ受け取ってない年金については未支給年金として遺族が受け取る事が出来ます、受給出来る方は生計を同じくしていた

➀配偶者、②子供、➂父母、➃孫、➄祖父母、➅兄弟姉妹、➆配偶者、子供、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹以外の三親等内の親族です。

先順位の者がいる場合は、後順位の者は受け取れません。未支給年金を受け取るには未支給年金請求権の提出が必要です。

亡くなった方が、障害基礎年金や遺族基礎年金のみ受給していた場合は、市区町村役場に死亡届を提出します。

届け出が遅れ、過払い金が発生すると、遡って返さなければいけないので注意が必要です。

●年金加入社の遺族には遺族年金が支給

亡くなった方が、一定の条件を満たした場合の公的年金加入者の場合、一定の範囲の遺族に対して遺族年金が支給されます。

●国民年金の被保険者が死亡した場合

故人に生計を維持されていた子のある配偶者、または子に支給されます。

子の対象は18歳になって最初の3月31日まで、障害のある子は20歳までです。

子がいない場合は遺族基礎年金の支給はありません、国民年金には寡婦年金や死亡一時金という制度もあります。

●厚生年金の被保険者が死亡した場合

故人に生計を維持されていた➀子と配偶者、②父母、➂孫、別で祖父母には遺族厚生年金が支給されます。

先順位の者がいる場合は後順位の者は受け取れません。

■遺族年金の受給対象者と年金の種類

遺族年金の受給対象者と年金の種類_1

例)遺族年金の受給対象者と年金の種類

遺族年金の受給対象者と年金の種類_2

■14日以内

■亡くなった方の健康保険の手続き・手続きすると支給される制度

亡くなった方の健康保険証は返還する

亡くなった方が会社員であれば勤め先へ、自営業であれば役所に返還する。

被扶養者だった人は、新たに国民健康保険へ加入手続きが必要となる。

公的な医療保険では、職種や年齢などにより、加入する健康保険の種類が異なり、会社員は健康保険、公務員は共済組合、自営業者などは国民健康保険、75歳以上の者は後期高齢者医療保険制度に加入します。

故人が亡くなった場合は、保険証を返還し脱退手続きをします。会社員や公務員の方は勤め先へ、自営業者や高齢者の場合は死亡から14日以内に市区町村に返還が必要です。

健康保険の他に、介護保険被保険者証うあ高齢受給者証など、他の資格がある場合もすべての返還あ必要です。

また、扶養されていた方は国民健康保険などに別途加入する必要があり、対象者は脱退届と同時に手続きをしましょう。

●手続きをすると、葬儀費・埋葬料・家族埋葬料などが支給される。

国民健康保険などの被保険者が死亡すると、自治体から葬祭費と埋葬料が支給されます。

届け出が出来る者は、新たに世帯主となる者、またはその同一世帯の者で、これ以外の者が手続きする際は、委任状などが必要です。

届出用紙は、市区町村役場の窓口に置かれております。支給額は地域によって異なりますが、5万円前後で支給を受けるには、葬儀の日などから2年以内の請求が必要です。

2年を過ぎると権利が無くなってしまうので、早目に手続きをしましょう。

会社員の加入している健康保険であれば家族埋葬料を支給しておりますのでのでこちらも支給の手続きをし請求しましょう、こちらも5万円前後の金額が出ます。

共済組合などでも、手続きをすると、5万円前後の金額が支給されますので、加入の確認が必要です。

また、被保険者が以前加入してた健康保険から給付がある場合もあるので、保険組合に問い合わせてみましょう。

・傷病手当金や出産手当金の継続給付を受けなくなってから、3ヶ月以内に亡くなった場合

・資格喪失後の傷病手当金、または出産手当金の継続給付金の継続給付を受けている間に亡くなった場合

・資格喪失後(会社を辞めてから)3ヶ月以内に死亡した場合

●世帯主が死亡した場合

世帯主が死亡した場合は、死亡から14日以内に世帯主変更届(住民異動届)を提出します。

世帯主とは、世帯を構成する者のうち、主として世帯の生計を維持し、その世帯を代表する者、その世帯を代表する者を指します。

この届け出により、住民票上の世帯主を変更する事が可能です。

公的医療保険の種類と死亡時の給付内容

公的医療保険の種類 被保険者 被保険者死亡時

※死亡時に支給
被扶養者死亡時

※死亡時に支給
国民健康保険 自営業者・年金生活者・非正規雇用者など 埋葬費5万前後
後期高齢者医療制度 75歳以上 埋葬費5万前後
健康保険 協会けんぽ 中小企業の会社員 埋葬費5万前後 家族埋葬料5万円
健康保険 健康保険組合 大小企業の会社員 埋葬費5万~10万程度 家族埋葬料5万円程度
共済組合 国家公務員、地方公務員、学校職員等 公立学校職員の場合、埋葬料5万円+埋葬料附加金2.5万円 公立学校職員の場合、家族埋葬料5万円+家族埋葬料附加金2.5万円

■3ヶ月以内

■財産の把握、財産目録の作成

何の財産がどの位あるかを明らかにしなければ遺産分割・相続税の計算もできません。

相続が発生したら、財産の棚卸いわゆる、プラスの財産・マイナスの財産、すべて洗い出し一覧を作成しましょう、それを財産目録と指します。

特に借入金などの債務は、相続放棄の選択に関わりますので、相続の開始の際スムーズに進むと思います。

財産目録には、亡くなった方が所有していた土地や建物などの不動産の内容、預貯金や株式等の金融資産の種類や金額、自動車や骨とう品等などの動産の内容について記載していきます。

また、財産目録には決まった形式はありません、ただし遺産分割協議の基本資料となるので、プラス・マイナスの財産を区別し財産内容を分けて、わかりやすく一覧にすると良いでしょう。

●納税通知書で預貯金・不動産・借金の調査が可能

預貯金の調査は、各金融機関で残高証明書を発行してもらうと良いでしょう。

漏れのないよう、1つ1つ調べていき、株式などの有価証券は銘柄、株の種類を確認しましょう。

不動産の調査は、固定資産税の納税通知書や権利書、登記識別情報などを参考にします。

納税の通知書からは、だいたいの不動産の価格が解ります、またその住所地の役場の不動産を所有者ごとに一覧にしたものから、被相続人が所有していた不動産の一覧を確認できます。

不動産の権利関係などを調べるには、法務局で登記事項証明書を取得可能です。

また、不動産の財産調査を行う場合は、亡くなった方との関係(続柄)が解る戸籍の謄本や身分証明書が必要です。

借金の調査は、契約書・クレジットカード明細・通帳などから把握できる場合があります。

郵便物などから催促状が届いている場合等で把握できます、また貸し付け状況など、情報などを管理する日本信用情報機構やシーアイシーなどでも把握が可能で、配偶者や二親等以内の血族である法定相続人が相続の為の調査であることを伝えれば開示は出来ます。

■相続人の確認

遺産分割をするには、相続人が誰なのかを証明してかなければなりません、亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍から相続人を調査していくことから始まります。

もしかしたら、過去に認知した子供がいるかもしれませんし、知らないうちに養子縁組をしているかもしれません、相続人が一人でも欠けていた場合は。遺産分割協議をしても無効となってしまいます。

相続人を確定させるには、亡くなった方の全ての戸籍を調べる必要があります。

戸籍とは、亡くなった方がどこで生まれ誰が親で兄弟は居るのか?いつどこで亡くなったのかなど、出生から死亡に至るまでの重要な事項が記載されており、夫婦を一単位としその子までを同一戸籍とし、市区町村単位で管理されています。

戸籍には、戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本などがあります、戸籍謄本とは、戸籍内のすべての者の記録を書面の形で発行してもらったものを指します。

戸籍に記載されている者が死亡した場合や、結婚により他の戸籍に移った場合などは、名前などが×で抹消されます。

これを除籍を指し、戸籍内の全ての者が除籍した場合には本籍を他の市区町村に移した場合(転籍)はその戸籍自体を除籍と指し、その写しを除籍謄本と指します。

また、法律が何度か改正され(昭和32年・平成6年)、改正前の謄本を改製原謄本と指します。

戸籍の調査に関して、亡くなった方の最後の本籍地の役場で戸籍謄本を取ることから始まり、遠方の場合は郵送でも請求が可能です。

本籍地が解らなければ、本籍地入りの住民票除票(住民登録が抹消された住民票)を取り寄せれば解ります。

転籍、婚姻、改製などにより、新しい戸籍が編製されるとき、すでに除籍されたものは記載されず、すべての相続人を確認するには一つ一つ戸籍を遡って行かねばなりません。

除籍謄本は保存期間があり、以前は80年でしたが、法改正後、平成22年6月以降は150年に延長されています。

■相続放棄・限定承認の手続き

●相続放棄

相続放棄は家庭裁判所への申述が必要で未成年者や成年被後見人は法定代理人が必要です。

遺産相続の初めの分かれ道が、相続するか?放棄するのか?を決断する事で、相続放棄は自身の相続の開始があった事を知った時から3ヶ月以内に行わなければいけません。

この検討の為の期間を成熟期間と指します。

相続放棄は裁判所にその意思を伝えます、申述書先は亡くなった方の最後の住所地を管轄する裁判所で手続きを行います。

相続人の中に未成年者や成年被後見人はがいる場合は通常は親が法定代理人となりますが注意が必要で未成年とその親が相続人の場合の相続放棄は子の相続放棄は親が行うことが出来ますが、親は相続するのに

子のみが相続放棄をする場合などは、利益が相反が生じる為、親が子の相続放棄はできません。

裁判所が利益相反のない、特別代理人を選任し、同人が代理して相続放棄の申述をすることになります。

複数、未成年の子の一部につき相続放棄をする場合や成年被後見人の法定代理人が相続人の場合も、特別代理人の選任が必要となります。

また、第1順位の相続人が相続放棄すると、相続権は第2順位の者に移り、相続放棄していくと相続権は法定相続人の範囲内で移っていきます。

●限定承認

限定承認に関しても家庭裁判所への申述が必要、相続人全員の合意が必要です。

限定承認とは、相続人が相続した範囲内で債務の負担を請け負うというのもので、故人の資産と債務のどちらが多いか解らない場合に有効です。

限定承認も自身の相続の開始があった事を知った時から3ヶ月以内に行わなければいけず、裁判所にその意思を伝えます、申述書先は亡くなった方の最後の住所地を管轄する裁判所で手続きを行います。

1人でも、限定承認に反対の者がいれば限定承認はできませんので注意が必要で、複数人の場合は相続財産管理人を選任する必要があります。

また、未成年者や成年被後見人がいる場合は、法定代理人が裁判所に申述をします。

●相続放棄・限定承認の期間は伸長できる

相続人は自身の為に相続の開始があった日から3ヶ月以内に相続の承認・放棄・限定承認を決めなければいけません。

3ヶ月以内に何もしなければ単純承認となり、すべての遺産を受け継ぐことになります。

相続放棄した後、撤回・相続権の主張はできません。

とはいうものの、財産の把握・相続人との連絡が取れないなど決断が出来ない事もあると思います。

そのような場合は、期間を延ばすことが可能で、相続の承認・放棄の期間伸長を求める審判を申し立てる事が可能です。

期間伸長の申立てが出来るのは相続人や受遺者、債権者などの利害関係者や検察官で、裁判所が認めた期間が期間伸長になります。

4ヶ月伸ばしたいというのであれば、それ相応の理由が必要となり、相続人が複数人居る場合は期間伸長の申立ては相続人ごとに行います。

■4ヶ月以内

■亡くなった方の所得税を支払う(準確定申告)

●申告方法に関して

死亡した年の所得は、相続人が申告・納税する、すべての相続人の連署で申告をする。

それを準確定申告と指します、亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得について申告します。

なお、1月1日から3月15日の間に、前年分の確定申告をしないまま亡くなった場合は、その分も合わせて申告します。

申告先は亡くなった方の納税地(住所地)の税務署になります。

準確定申告が必要となるケースは亡くなった方の確定申告をしなければならなかった者、例えば自営業者や給与の年間収入金額が2,000万円超の会社員であった場合などです。

また、毎年勤務先で年末調整を受けていた会社員の場合は、勤務先で処理をするので申告は不要です。

医療費控除などの還付を受けたい場合は、申告が必要になります。

申告にはすべての相続人の連署が必要で、準確定申告では申告書と付表を作成し、すべての相続人および包括受遺者が連署し、それぞれの相続分なども記載します。

一緒に申告出来ない相続人がいる場合はその者も同じ内容の申告書と付表を作成し、別途提出します。

申告書の作成方法は、基本的に通常の確定申請と変わりません。

書類の通常の確定申告書を使用しますが、申告書には手書きで「準」と記入します。

配偶者控除や扶養控除などは、死亡日時点での状況で判断します、控除が認められれば、通常の控除額を月数で按分する必要はなく、医療費や社会保険料、生命保険料などを控除する場合は死亡日までに支払った額が対象となります。

仮に亡くなった方の為の治療費や入院費であっても、死亡日後に支払ったものは対象にはなりませんので、注意しましょう。

相続放棄・限定承認をもっと詳しく⇒

■10ヵ月以内

遺産を分割します、遺言書がありの場合は遺言による分割を行い、無い場合は遺産分割協議を行います。

■遺言書の検認

遺言書は勝手に開封してはいけません、遺言書の有無により遺産分割の方法は異なり、まずは亡くなった方が遺言書をどこかに保管してないか、確認が必要です。

仮に遺言書が見つかったら、法律で決められた手順に従い、すみやかに手続きを進めます。

しかし、勝手に開封しまったとしても、遺言書効力には影響はありませんが、5万円以下の罰金が掛かります、裁判所で事情の説明をしましょう。

公正証書以外の遺言書が見つかった場合、裁判所に提出し検認を受けます。

封印がある場合、勝手に開封してはいけません、相続人の立ち合いのもと裁判所にて開封する事になり、検認とは相続人に対し遺言の存在や内容を知らせるとともに、遺言書の形状・加除訂正の状態、日付、署名など、

検認日現在の遺言書の状態を確認し、遺言書の偽造・変造を防止するために現状を保存する手続きになります。

検認の申し立ては遺言者の最後に共住していた、住所地の裁判所にて行います、申立人は、遺言書を保管・発見した相続人で申立人以外の検認日に出席するかどうかは任意で強制はなく、すべての相続人が裁判所に出頭する必要はありません。

当日立ち会わなかった相続人には、検認終了の通知が後日郵送されます。

検認は遺言書の効力を決める手続きではなく、遺言書の現状を証明するための手続きであり遺言書の内容が有効・無効かを決定する手続きではありません。

遺言書の無効を確認する為には、別途手続きが必要で遺言無効確認訴訟提起等が必要です。

■遺言執行をする

遺言の執行とは、遺言書に書かれている内容を実行(執行)する事を指します。

遺言書に執行者が指定してある場合、すみやかに連絡を取りましょう。

遺言執行者とは、相続財産の管理や遺言の執行に必要な一切の権限を有し、それを執行する者を指します。

遺言の執行が必要なものには、遺言執行者のみできるもの、相続人でも出来るものがそれぞれあります。

執行者が居ない場合は選任の申立てを裁判所におこなう事ができます。

遺言書に関して詳しく⇒

遺言書が見つかった時の対処法⇒

■遺産を分割する

遺産分割の手続きには遺言による指定・協議・調停・審判4つの分け方があります。

その中でも調停分割は裁判所における話し合いによる合意、審判分割は裁判である。

遺産分割手続きは早目に行いましょう、相続人が確定し遺産の内容が確認でき、遺産を受け継ぐと決めたら遺産分割をしましょう。

複数の相続人がいる場合は、具体的に誰がどのように遺産を受け継ぐかを決めていきます。

遺産分割には期限が無く決まりはありません、相続人全員が納得すればいつ遺産分割を行っても構いません。

しかし、亡くなった方のままの名義で財産を管理していると支障が出る場合があり、相続税減税の受けるための期限などもありますので、後々のトラブルを防ぐためにも、早目に遺産分割を行いましょう。

遺産の分け方について⇒

遺産分割のトラブル例⇒

■判断力が不十分な相続人がいる時、成年後見人・特別代理人を選出する

成年後見人は判断能力が不十分な相続人(認知症・障害者・未成年)は預貯金・不動産などの財産を管理したり、法律行為を行ったりすることが難しい場合が成年後見人制度を利用します。

選任方法は弁護士・司法書士などが多く、親族などが本人の住所地を管轄する家庭裁判所で申立てを行います。

現在では、市民後見人といい、NPOや後見について研修を受けた者が務めるケースがあります。

選任された成年後見人は本人に代わり、財産の管理や法律行為を行い、遺産分割協議にも参加します。

遺産分割の際、親と未成年の子がともに相続人の場合には、特別代理人が必要、相続人でない親が代理が出来るのは、子1人のみである。

仮に父が死亡し、相続人が母と子2人(長男16歳、二男14歳)の場合、2人の子にはそれぞれ特別代理人をつけなければなりません。

未成年者は単独で法律上の判断を行う事は出来ません、法律上の判断を行うには法定代理人が必要となり、通常、親権者などが行います。

未成年の子が複数いる場合は、親が代理を出来るのは1人だけで、他の子には特別代理人が必要となります。

成年後見人・特別代理人制度とは?⇒

■遺産分割協議の作成

遺産分割の合意が出来たら、遺産分割協議の作成をしましょう、遺産分割協議書は作成が義務付けられているわけではなく、遺産分割の内容を証明する大切な書類です。

遺産分割の内容を証明する大切な書類で遺産分割協議書のおもな目的には、次のようなものが4点が考えられます。

➀記録に残すことで、後々のトラブルを防ぐことが可能です。

➁相続人全員が遺産分割の内容を確認する事が可能です。

➂相続税の申告時の際に必要となります。

➃預貯金の名義変更や不動産の相続登記に必要となる。

相続税を申告する場合は、申告期限(相続開始があった事を知った日の翌日から10ヵ月以内)までには作成する必要があります。

たとえ、相続税の申告が必要ない場合でも、すみやかに作成する事をお勧めいたします。そして、書面は相続人全員分を作成し、それぞれが厳重に保管しましょう。

遺産分割協議書作成のポイント遺産分割協議書には特に決まった書式はありません。

しかし、相続人の誰が見ても納得できるように、遺産内容・取得者など漏れなく記載する必要があります。

不動産など登記簿の通りに記載をすることをお勧めします。

預貯金は、金融機関名・支店名・口座番号・残高などを明記し、借金などある場合はその内容や分割方法などを、代償分割がある場合は代賞金額や支払期限など記載します。

協議書が完成しましたら、内容を確認し、財産を取得しなかった相続人も含め、相続人全員が署名・捺印をします。

印鑑は実印を使用し、住所は印鑑証明書の通りに記載する事が有益です。

■分割協議がまとまらない場合は裁判所へ

●調停について

遺産分割で話がこじれている、まとまらない、相続人の足並みが揃わず足並みが揃わないなどの場合は裁判所にて調停をおこす事が可能です。

調停の申し立ては相続人のうち、1人、または何人かが他の相続人全員を相手方として行います。

遺産分割調停では、裁判官と調停委員で組織された調停委員会が中立的な立場で話を進めていきます。

申立人、相手側それぞれの意見や希望を聞き、遺産調査の結果などを踏まえて双方が合意できるような助言や提案を行います。

調停委員会では遺産分割の方法を強制する場ではなく、あくまで話し合いの場として認識です。

調停での合意には法的効力があり、合意に至ったら内容を記載した調停調書が作成され、調停の合意には、判決審判と同じ法的効力があり、これに沿って遺産分割を進めていくことになります。

もし、調停でも解決が厳しいようであれば審判手続きに移行し、審判では法律に従い裁判所が遺産分割について審判を行います、なおこの審判に対して不服の場合は2週間以内に申立てを行う事が可能です。

●遺産分割調停の必要書類

・遺産分割調停の申立書

・亡くなった方のすべての戸籍謄本

・相続人全員の住民票・または戸籍附票

・相続人全員の戸籍謄本

・亡くなった方の子(代襲者)で死亡者がいる場合その子(代襲者)のすべての戸籍謄本

・遺産目録、遺産に関する証明書(不動産登記事項証明書)

遺産の名義変更を行う

■不動産の相続登記

遺産分割が合意に至ったら、次は財産の名義変更を行います。

不動産の場合、特に忘れてならないのが、所有権移転の登記で、不動産の登記の目的は自己の財産として不動産の面積や所在、所有者などを登記簿に記載、公表し権利関係を明らかにすることです。

登記をすることで権利を主張する第三者に所有権を主張する事が可能です。

相続に伴う、不動産登記の変更を相続登記と指します、相続の場合は登記をせずそのままにしていると、相続人にさらに相続が発生するなど、権利関係が複雑になる可能性があります。

登記変更に関しては強制や義務はありませんが、後々のトラブルを避けるためにも、相続を発生したらすみやかに手続きをしましょう。

■預貯金・株式等の名義変更

銀行などの金融機関が口座名義人の死亡を知ると、その口座は一旦凍結され、自由に預金を引き出すことが出来なくなり、口座振替などもすべてストップされます。

凍結を解除するには、預金口座の名義変更か解約の手続きをしなければいけません、手続きには遺産分割協議書や相続人全員の印鑑証明書や金融機関提出書面への署名、実印による捺印などが必要となります。

亡くなった方が所有していた株式も、手続きをしなければ、配当金の受け取りや株主優待など、株主としての権利は行使できません、もちろん株の売却も出来ません。

また、株式は上場株式か未上場株式かにより手続きは異なります、上場株式は証券会社へ、未上場株式発行会社へ問い合わせてみましょう。

手続き書類など各証券会社で異なるため、1つずつ確認しながら手続きを進める必要があります。

預金債権にも時効があり、通常5年または10年です、仮に遺産分割が難航し預金口座をそのままにしていたり口座の存在を失念してしまったら、消滅してしまう恐れがあります。

しかし、10年経ってしまってもきちんと手続きを踏めば対応してくれる金融機関が多いようです。

■所有自動車や公共料金の手続き

亡くなった方が、自動車を所有していた場合は、移転登録が必要です。

相続人の誰かが引き継ぐ場合でも、売却や廃車にする場合でも、一度相続による名義変更が必要になります。

新しい住所地を管轄する陸運局支局等で手続きを行います。

その他、水道・ガス・電気・NHK受信料等の料金の名義変更が必要です、毎月送られてくる領収書などを参考に、お客様センターに連絡をしましょう。

各種変更手続き一覧

財産の種類 手続き先 必要書類など
預貯金 預金融機関(銀行・ゆうちょ銀行など) ・相続形態により遺産分割協議書、遺言書など

・名義書依頼書(各銀行に備付)

・亡くなった方の全ての戸籍謄本

・相続人全員の戸籍謄本及び印鑑証明書

・予期通帳、キャッシュカード
株式 株主名簿管理人(証券会社・信託銀行など) 協議分割 ・遺産分割協議書

・相続手続依頼書

・亡くなった方のすべての戸籍謄本

・相続人全員の戸籍謄本および印鑑証明書等
指定分割・遺贈 ・遺言書

・相続手続依頼書

・亡くなった方の死亡記載のある戸籍謄本

・遺言執行者または承継者の印鑑証明書
自動車 運輸支局、自動車検査登録事務所 ・相続形態により遺産分割協議書、遺言書など

・申請書

・自動車検査証

・亡くなった方のすべての戸籍謄本

・亡くなった方全員の戸籍謄本及び印鑑証明書

・保管場所証明書

・相続人の委任状

・自動車税申告書
NHK受信料 NHK 名義変更のみであれば、電話・インターネットでの手続き可能
電気 電力会社 電気料金領収書などに記載されたお客様番号などをカスタマーセンターに連絡
ガス ガス会社 ガス料金領収書などに記載されたお客様番号などをカスタマーセンターに連絡
水道 水道会社 水道料金領収書などに記載されたお客様番号などをカスタマーセンターに連絡
電話加入権 電話会社 ・届け出用紙

・死亡の事実と相続関係が確認できる書類(亡くなった方の死亡記載のある戸籍謄本、遺言書など)

・新規契約者の印鑑など
ゴルフ会員権 ゴルフ場 ・相続人の同意書または遺産分割協議書など

・名義書換依頼書

・亡くなった方の死亡記載のある戸籍謄本

・相続人全員の印鑑証明書

■相続税の申告・納付

相続税は相続開始から10ヵ月以内に申告

遺産相続に伴うたくさんの手続き、そのゴールとなるあっという間に10ヶ月は経ってしまいます。

死亡により相続が開始され、相続人は、死亡届けの提出や遺産分割協議、相続財産の名義変更、登記、亡くなった方の準確定申告など、たくさんの手続きをこなしていかなければいけません。

期限は相続の開始を知った日から10ヵ月で、遺産相続にかかる手続きの多さから見ても10ヶ月はあっという間です。

相続税の申告は、亡くなった方の最後の住所地を所轄する税務署に提出をします。

申告で誤りがあった場合は、修正申告・更正の請求といった方法で訂正が可能です。

相続税の納付に関して、忙しい場合には、インターネットを利用し納付もする事も可能で電子納税と指します。

相続税とは?⇒

■1年以内

■遺留分の手続き

●遺留分がある場合は遺留分減殺請求をかける。

生前贈与や遺贈、遺言により遺留分を侵害された場合、相続人は遺留分を限度に財産の返還を求めることが可能です。

これを法律用語で遺留分減殺請求と指します、相手に意思表示する事で効力が生じ、相手方に内容証明郵便で通知などで確実な方法で通知が出来ます。

遺留分減殺請求には時効があり、相続の開始および減殺すべき贈与等を知った日から1年、または相続開始から10年です。

相手が応じない・返還しない場合は裁判所ので調停を利用する事が可能です。

遺留分を計算する際は通常の相続財産とは異なり、以下のようになっており、➀~➂を相続財産に加え、債務を控除した額を元に計算します。

➀相続開始前1年間に行った贈与

②1年でも前でも、双方が遺留分の侵害を承知または悪意をもって行った行為

➂相続人が受けた特別受益

遺留分・遺贈に関してもっと詳しく⇒

特別受益とは?⇒

■3年以内

■生命保険の手続き

●亡くなった方の生命保険を請求する

契約内容により、名義変更・解約または保険金請求が必要で、亡くなった方が関係する保険の手続きは2種類あります。

請求には期限があり、死亡保険金の請求期限は3年・民営化以前の簡保生命保険は5年になります。

時効は保険事故が起こった時から数えてされるので早目の手続きをしましょう。

➀亡くなった方が契約者で被保険者ない場合で、亡くなった方と契約者とは、保険料の支払いを亡くなった方自身が行っていた保険の事です。

亡くなった方が被保険者でないとは、亡くなった方自身ではなく、配偶者や子が病気や死亡した時に保険金が支給される保険になります。

このような保険に加入していた場合は、保険契約を継続するなら名義変更を、やめるなら確約の手続きが必要となります。

➁亡くなった方が被保険者の場合で、この場合には免責事項(保険金が支払われない事由)に該当しない限り保険金が支払われます。

保険金を受け取るには受取人が保険金請求の手続きを行います。

免責事項であるケースは、契約から1~3年以内に被保険者が自殺や契約者・被保険者が故意に保険事故を起こしたなどがあります。

●保険金には税金が掛かる

死亡保険金を受け取ると、契約形態により3つの異なる税金が掛かってきます。

通常、下記➂のケースが一番税金が高くなります、➀のケースで受取人が相続人の場合は、非課税枠を適応することが出来ます。

➀契約者と被保険者が同じ場合は相続税

➁契約者と受取人が同じ場合は所得税・住民税

➂契約者、被保険者、受取人の3者が異なる場合は贈与税

相続税とは?⇒

●相続放棄した人が受取人の場合

相続放棄をした者が受取にとなっている場合でも、保険金の受取は可能。保険金を受け取れる権利は、相続財産と関係ないその人固有の権利になります。

相続放棄・限定承認をもっと詳しく⇒

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