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もめてしまう相続とは

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2016年10月07日 公開

相続でもめる前に多くの人が口をそろえて言ったこと

「うちには大した財産もないし、もめ事なんて起こるはずがない」

そう考えている方は、これから紹介するデータに一度目を通していただければ、もしかすると該当する箇所があるかもしれません。

トラブルの多い遺産金額

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※※2013(平成25)年度 司法統計より

相談内容をいろいろと聞いていると、相続における争いは、財産の多い少ないにかかわらず起こっていることが分かります。

遺産を分けるときにもめ事が起こった中で、裁判所に持ち込まれたものを「遺産分割事件」と言います。2013(平成25)年の司法統計で、遺産分割事件の遺産総額の内訳を見ると、70%以上が5000万以下となっています。

その中でも、特にもめている事件では遺産額2000万円程度の場合が多く、1000万円以下も30%以上あるという結果でした。

遺産総額が1000万~2000万円だった場合、基本相続税の対象になりません。それでも、もめ事が起こっているのです。

相続財産5億円以上とされる事件の割合が少ないのは、資産家と呼ばれる人にとって、相続対策は当たり前のことであり、弁護士、税理士、司法書士、相続診断士などによって生前対策している場合が多いからです。

生前に何の対策もせず、いざ相続を開始してみたら、もめにもめてしまったという事例は多数見受けられます。

一度争いが起こると、想像以上に時間とお金、労力がかかるものです。そのうえ、自身のお金までかかってしまい、本来残るべき財産が残らなかったなんてこともあり得ます。

それどころか、親族同士の縁が切れてしまうことも。もとは仲が良かった相続人同士が、相続をきっかけにお互いの意見が食い違い、結果的に関係がこじれてしまったということは珍しくありません。裁判にまで発展し、決着がついたとしても、お互いにしこりが残ってしまうといったこともあります。

相続財産の主な原因とは?

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※2013(平成25)年度 国税庁資料より

上のグラフを見ても分かるとおり、遺産分割がまとまらない要因の主なものに、相続財産の多くが分割しにくい土地(不動産)だということがあります。「相続人は複数いるのに相続すべき土地((不動産)は1つ」というケースはよくあることです。

「親名義の家に同居して親の世話をしてきたのに、相続の際に出ていけと言われた」
「親名義の家に同居して親の世話をしてきたのに、相続の際に買い取ってくれと言われてしまい、現金もすぐには用意できない」
なんてことも……。

不動産は、相続財産の中で大きな比重を占める財産です。それぞれにとってプラスになるように前もって準備をしておかないと、大きなトラブルの素になりかねません。

もめている理由

揉めている理由

もめている相手との関係

もめている相手との関係

遺産分割でもめる原因 4ケース

➀離婚・再婚などによる子供がいて、家族構成が複雑

3組に1組が離婚すると言われる現代。離婚・再婚によって相続に影響が出る場合があります。

ある男性が、初めの結婚で息子(A)をもうけましたが、離婚して、その後再婚。息子(A)は母方に引き取られました。新しい妻(B)との間にも娘(C)を授かり、子供が成人した頃に亡くなったとします。

このような場合、被相続人(亡くなった男性)の遺産を相続する権利をもつ法定相続人は、後妻(B)とその娘(C)、そして前妻の息子(A)の3人となります。

被相続人の子供は息子(A)と娘(C)の2人で、母親は違えど兄と妹の関係です。けれども、前妻と後妻はもちろん、異母兄妹同士も相続が始まるまで面識がなかったということは少なくありません。

このような場合、それまでコミュニケーションを取ったことがない相手と相続をめぐってやり取りしなければなりません。トラブルが生まれやすい要因が潜んでいるといえるでしょう。

②相続人の中に、被相続人(亡くなった方)の世話をしていた人がいる

3人の息子がいる母親が亡くなったとします。父親は早くに亡くなり、高齢で病気がちになった母親の世話を10年近くしてきたのは、同居していた長男とその妻。離れた地域に住む二男と三男はたまに顔を出す程度でした。

この場合、亡くなった母親の遺産相続が起これば、長男としては「母親の世話をしてきたのは妻なのだから、二男・三男よりも多く遺産を相続したい」と考えるかもしれません。

長男自体はそう思わずとも、義母の介護をしてきた長男の妻が、「世話をしてきた時間と労力と介護費用に応じた相続分を受け取るべきだし、そう主張すべき」と、長男に話すかもしれません。

一方、二男・三男は、「兄はこれからも実家に住み続けられるのだから、介護の負担は当たり前。住宅ローンがないだけマシ」といった意見が出てくる可能性もあります。

このように、相続人の一部に被相続人(亡くなった方)を長く介護してきた人がいる場合、いざ相続となったとき、もめることになる可能性は高いと言えるでしょう。

そのようなとき民法には、「寄与分」という相続分の調整を図ることができる制度があります。

寄与分とは?⇒

➂相続人が複数いるのに、遺産の不動産は1つしかない

相続人が複数いる場合、多くのケースで最終的に遺産を分割することがゴールになります。相続の対象となる財産は、預貯金・現金・有価証券をはじめ、いろいろとありますが、「分割」という点でもめやすいと言えるのが、トラブル要因のトップである不動産(土地や建物)です。

法定相続人が娘2人だけの父親が亡くなったとします。父親の財産は預貯金・現金・有価証券は少なく、まとまった遺産といえるのは、父親と長女が暮らしていたマンションだけ。長女にしてみれば、父親と暮らしていた思い出のあるマンションですが、二女からすれば、「姉がマンションを相続したら、他に財産と言えるものはない。何ももらえないのは不公平だ」と思うかもしれません。

だからと言って、マンションを2つに分割して長女と次女で分け合うことは現実的に不可能ですし、マンションを売りに出し、その売却金を分割するというのも、いま現在住んでいる長女が賛成しないと、折り合いがつかないことも十分考えられます。

分割しにくい不動産が相続財産である場合、相続人の間でもめ事が発生しやすいのです。

➃特定の相続人に対して多額の資産を贈与していた

基本相続は、家族が亡くなったときに残された財産を、相続人の間でどう分け合うかが問題になります。

両親と長男・長女の4人家族で父親が亡くなり、財産として遺されたのは3000万の貯金のみだったとします。しかし、父親は生前、実家の建物と土地(資産価値3500万円)を長男に贈与しており、名義変更も終わっていました。そうしたときに、長女が「兄はすでに不動産を父からもらっているのだから、貯金も相続でもらうのは不公平だ」と思っても不思議はないでしょう。

長男は長男で、「父の財産は貯金なのだから、自分にも相続する権利はある」と主張し、長女と同額の遺産分割分を要求するかもしれません。

このように、被相続人(亡くなった方)が特定の相続人に多額の「生前贈与」をしていた場合も、もめやすいケースだと言えます。

生前贈与をもっと詳しく⇒

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