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遺産相続における税制改正後の6つの変更点

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2016年10月06日 公開

平成27年1月1日の税制改正により、基礎控除が大幅縮小!相続税を支払う人が増加し、贈与税・相続税の最高税率が引き上げになります。

相続税の課税対象者が倍増するのではないか?と言われており、相続が発生してから慌てぬ様、改正後の要点をしっかり押さえておくことが重要です。

➀基礎控除額が縮小される

基礎控除額が縮小される

相続税を計算するにあたっては、相続財産から無条件に差し引くことが出来る一定の額=基礎控除額が設けられています。

改正前は基礎控除額は、5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)

改正後の基礎控除額は、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)へと縮小されました。

仮に父が亡くなり、母と子二人の計三人で相続する場合、改正前は8,000万円まで非課税だったのに対して、改正後の非課税は4,800万円までに縮小されてしまいます。

これにより、これまで納税の必要が無かった人にも課税されてしまう可能性があります。

➁相続税率が引き上げられる

相続税率の引き上げ部分

相続税率は、改正前は10%から最高で50%までとなっていましたが、改正後は2億円~3億円の課税価格に対する税率が40%から45%と引き上げられます。

また、6億円超の課税価格に対する税率も50%から55%へと引き上げられます。

なお、3億円以上6億円以下の場合、控除額が4,700万円から4,200万円へと引き下げられてしまいます。

相続財産が大きくなるほど、税負担も大きくなります。

➂小規模事業宅地等の特例対象面積拡大

居住用の自宅や事業用の商店、貸アパートなどに使用していた土地を相続する時に、土地の評価額を減額できる限度面積が拡充されました。

③-➀居住用宅地の適応対象面積が240㎡から330㎡まで拡大されました。

居住用宅地の特例が受けられる場合

(A)故人の配偶者がその土地を取得した場合

(B)故人と同居している親族がその土地を取得した場合で、相続税の申告期限までその土地を保有し居住している場合

(C)故人と同居していない親族がその土地を取得した場合で、故人に配偶者や同居していた親族がいない、相続が開始前3年以内に自己または自己の配偶者が所有する家屋に居住していない

場合にその土地を相続税の申告期限まで保有している場合

■小規模宅地等の特例の対象面積

小規模宅地等の特例の対象面積

➂-②事業用宅地と居住用宅地の両方について適応を受けるとき、事業用宅地と居住用宅地の完全併用が認められるようになりました。

自宅の土地と焦点の土地を同時に相続する場合

これによって、事業用宅地400㎡+居住用宅地330㎡=730㎡まで認められます。

➂-➂二世帯住宅を子供が相続する場合、構造区上区分された二世帯住宅でも特例の適応を受けることが出来ます。

二世帯住宅を相続する場合

➂-➃親が老人ホームに入所して自宅を離れた場合、「親に介護が必要になったため入所した」「自宅が貸し付けなどの用途に使われてない」の2点を満たせば特例の適応が認められます。

特例の適応範囲が広がった事で、自宅などの土地を相続する時、相続税を節税できる余地が大きくなりました。

➃未成年者控除・障害者控除の改正

区分 改正前 平成27年1月1日以降
未成年控除 満20歳までの年数1年につき6万円 満20歳までの年数1年につき10万円
障害者控除 満85歳までの年数1年につき6万円特別障碍者については12万円 満85歳までの年数1年につき10万円特別障碍者については20万円

相続税から控除される、未成年者控除と障害者控除が拡大されます。

仮に、17歳の未成年者が相続する場合、改正前は18万円を相続税額から控除する事が出来ました。(20歳-17歳)×6万円

これに対して、改正後は30万円を控除する事が出来ます。

これにより、未成年者と障害者の相続税の負担が今まで以上に軽減される事になりました。

⑤相続時精算課税制度の適応条件の改正

改正前 平成27年1月1日以降
受贈者=20歳以上の子

贈与者=65歳以上の者
受贈者=20歳以上の子及び孫

贈与者=60歳以上の者

相続時課税制度とは、生前に財産を前渡しし、相続が発生した時にそれまでに贈与した分を相続財産に加算して相続税を計算し精算する制度です。

相続時精算課税制度の適応条件が緩和され、受贈者の範囲に20歳以上である孫が追加され、贈与者の年齢要件が60歳以上に引き下げられました。

改正により、高齢者が保有する財産を孫世代にも移しやすくさせやすくなりました。

➅暦年課税贈与の贈与税の税率構造の改正

相続税の税率構造改正に伴い、贈与税の税率構造が改正されました。

1,000万円~1,500万円の贈与税率は5%引き下げられ、3,000万円超は5%引上げられました、また父母や祖父母などから20歳以上の人が贈与を受ける場合は税率が引き下げられました。

高額な贈与については増税となりましたが、全体としては贈与税は軽減されています、子や孫などの若年世代への資産の移動がしやすくなったと言えます。

贈与改正のポイント

課税価格に対する税率と控除額

・毎年110万円(基礎控除額)を超えた贈与に関して、200万円以下(課税額)を贈与する場合、贈与税は10%のまま

・1,000万円~1,500万円以下(課税価格)を贈与する場合、税率は50%から45%に下がった。

・最高税率(3,000万円超)は50%から55%に上がった。

・親から子、孫への贈与は税率を引き下げる一方、高額の贈与の場合は税率が上がります。

◎まとめ平成27年度の改正のポイント

A、住宅取得等資金贈与に係る非課税措置の延長と拡充

A-➀子、孫への住宅取得等資金の非課税制度が拡大され、平成31年6月30日まで延長されます。

この制度を活用する事により、子や孫が住宅を取得する予定がある場合は、住宅取得資金を贈与する事で、節税を計りながら財産の移転を実現することが出来ます。

■住宅取得等資金贈与にかかる、非課税措置の延長と拡充

※(1)消費税の税率が10%である場合

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結時期 非課税限度額
良質な住宅用家屋※ 左記以外の住宅用家屋
平成28年10月~平成29年9月 3,000万円 2,500万円
平成29年10月~平成30年9月 1,500万円 1,000万円
平成30年10月~平成31年6月 1,200万円 700万円

■住宅取得等資金贈与にかかる、非課税措置の延長と拡充

※(2)(1)以外の場合

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結時期 非課税限度額
良質な住宅用家屋※ 左記以外の住宅用家屋
~平成27年12月 1,500万円 1,000万円
平成28年1月~平成29年9月 1,200万円 700万円
平成29年10月~平成30年9月 1,000万円 500万円
平成30年10月~平成31年6月 800万円 300万円

※消費税の対応、平成28年9月までに請負契約を締結をすれば、引き渡し平成29年4月を過ぎても(2)の非課税限度枠が適応される。

また、中古住宅の個人間の場合は、(2)の非課税限度枠が適応される。

※良質な住宅用家屋、省エネルギー対策等級4または耐震等級2以上もしくは免震建築物に該当する住宅用家屋のこと。

このほかに一次エネルギー消費量等級4以上に該当する住宅用家屋及び、高齢者配慮対策等級3以上に該当する、住宅用家屋が追加できる。

その他、適応となる増改築等の範囲に、一定の省エネ改修工事、バリアフリー改修工事及び、給排水管または雨水の侵入を防止する部分に係る工事が加えられる。

A-②住宅取得にかかる相続時精算課税制度の特例が延長

特定の贈与者から住宅資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税制度の特例について適応期限が平成31年6月30日まで延長されます。

B、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設

   
受贈者 20歳以上50歳未満
贈与者 両親、祖父母、曾祖父母
非課税限度枠 受贈者1人につき1,000万円

(結婚に際して支出する費用については300万円が上限)
期間 平成27年4月1日~平成31年3月31日まで
贈与方法 金銭等を金融機関に信託する
手続き 金融機関を通じて、申告書提出し信託等を行う

子や孫に対する結婚・子育て資金の一括贈与が非課税となり、これは両親や祖父母の資産を早期に移転する事を通じて、子や孫の結婚・出産・子育てを支援するために設けられた制度です。

結婚・出産・子育ての予定がある人は、この制度を利用する事で、贈与税の節税効果を得ることが可能です。

結婚・子育て資金の範囲

結婚に察して支出する婚礼(結婚披露を含む)に要する費用、住居に要する費用および引っ越しに要する費用のうち一定の物

妊娠に要する費用、出産に要する費用、子の医療及び、保育料のうち一定の物

C、教育資金の一括贈与制度の延長、拡充

   
受贈者 30歳未満
贈与者 両親、祖父母、曾祖父母
非課税限度枠 受贈者1人につき1,500万円
期間 平成31年3月31日まで
贈与方法 金銭等を金融機関に信託する
手続き 金融機関を通じて、申告書提出し信託等を行う

子や孫に対する、教育資金の一括贈与に係る非課税措置の適応期限が延長され、教育資金の範囲に(留学渡航費・通学定期券代)が追加されます。

この制度は、高齢者世代が保有する財産を若い、世代に移る事により、子育て世代を支援するために設けられた制度です。

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