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【弁護士監修】【完全保存版】遺産相続手続きの一覧、届け出先、専門家リスト

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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更新日:2018年12月29日
【完全保存版】遺産相続手続きの一覧、届け出先、専門家リストのアイキャッチ

Q:相続手続きを専門家に頼む必要はあるのでしょうか?

A:相続の手続きにはいろいろな手続きがあり、手続き先の数が多いので依頼するほうがいいかもしれません。ただ、報酬がどれくらいかかるのかを事前に忘れずに確認しましょう。

専門家に頼るほうが合理的

親や配偶者が死亡すると、家族は遺産分割協議だけでなく、それに伴ういろいろな相続手続きに直面します。相続手続きに限っても、親の家など財産の名義変更だけでなく、場合によっては相続税の申告・納付も必要です。しかも手続き先は登記所(法務局)、税務署、金融機関などさまざまで、提出書類も多くあります。残された家族の手に余る場合が少なくなく、司法書士、税理士ら専門家を活用する必要もありそうです。

どうすれば効果的に手続きが進むでしょうか。また、注意点は何でしょうか。

まず、効果的に進める手順として、相続手続きを「専門家に依頼するほうが円滑に進みやすいもの」と「相続人が自分でもできそうなもの」に分類することが必要です。

専門家に依頼するほうが円滑に進みやすいもの

前者の代表は、被相続人(亡くなった方)が所有していた不動産や預貯金、有価証券などの名義変更です。

名義変更の手続きは、財産の多い少ないに関わらず全てのケースで必要です。ところが、専門知識のない相続人が自ら手続きを行おうとすると、考えている以上に面倒なのです。提出するために必要な書類を整えるだけでも手間がかかるからです。

手間がかかる理由の一つには、「被相続人が生まれてから死亡するまでのすべての戸籍謄本」をそろえる必要があるからです。被相続人のすべての戸籍謄本が必要なのは、名義変更先となる相続人を確定するためです。戸籍をさかのぼれば、例えば前婚の子供や未婚だが認知した婚外子までわかるのです。

ただ、難点は、被相続人が本籍をおいた市区町村に照会しないとすべての戸籍が集まらないことです。また、戸籍は法改正による様式の変更(改正)や本籍の変更(転籍)に伴って、その都度作り直されており、その分も必要となります。手数料がかかるほか、交付を受けるため時間がかかることもあります。戸籍謄本を取得するのに疲弊してしまうケースも見受けられます。

どうにか集めたとしてもまだ安心できません。相続にともなう不動産の名義変更では、登記所へ申請する必要があります。その書き方は専門的なので、専門家でないと多少難しい点もあるかと思われます。預貯金や有価証券など金融資産の名義変更も煩雑な手続きが多くなる場合があります。被相続人の生前の取引先が分散している場合は、それぞれに申請することになるからです。

不動産にせよ金融資産にせよ、いつまでに名義変更しないといけないという決まりはありません。しかし、金融資産の場合は、名義変更がすまないと相続人は解約・換金ができません。金融資産の名義変更も専門家の力を借りるほうが合理的かもしれません。

相続税の申告は、申告書自体の枚数が多く複雑です。しかも、相続開始後、原則として10か月以内に申告・納付が必要なので、相続人だけでは限界があります。以上の手続きは専門家に依頼することを検討するほうがよさそうです。

相続手続きの仕事をする専門家の概要

司法書士 主な業務 ・不動産の登記手続きの代理
・裁判所への提出する書類の作成
何をしてくれるか ・不動産の相続登記手続きなど
・相続財産の名義変更の手続き
遺産分割協議書の作成遺言書の作成支援
税理士 主な業務 ・税務の代理、税務申告書などの作成
・税金に関する相談
何をしてくれるか 相続税の申告書の作成
・相続税の税務調査への対応
・遺産分割協議書の作成や遺言書の作成支援
行政書士 主な業務 ・行政機関への申請書類作成や手続きの代理
何をしてくれるか ・相続財産の名義変更の手続き
・遺産分割協議書の作成や遺言書の作成支援
弁護士 主な業務 ・訴訟などの代理や法律事務
何をしてくれるか ・遺産分割についての法律相談や遺産分割協議の作成、遺言の作成支援
・遺産分割や相続に関する法的紛争の解決

まず、特定の専門家でないとできない業務があるので注意しましょう。例えば、相続登記の手続きの代理であれば司法書士若しくは弁護士、相続税の申告の代理は税理士しかできません。また、遺産分割でもめて紛争になってしまったような場合に代理人となることができるのは弁護士だけです。

名義変更に必要な戸籍謄本の収集はどの専門家でも可能ですが、現実には司法書士や行政書士がやることが多いようです。遺産分割協議については相続人の間でまとめる必要がありますが、分割協議が整えば、協議書の作成は表にある専門家であれば依頼は可能ではないでしょうか。

まずは専門家に相談を

もっともこれらの専門家を探し出し、個別に依頼するのは手間がかかります。

遺産分割協議がもめずにある程度整いそうな場合であれば、まずは弁護士や司法書士などに相談するのが効果的でしょう。

相続財産の名義変更に必要な戸籍謄本などを効率的に集めてくれるからです。また、遺産分割協議書も作成してくれ、相続税の申告が必要な場合やもめそうな場合は、それぞれ税理士や弁護士を紹介してくれるケースが多いためです。遺産額が多いなどで相続税の申告が必要だと分かっていれば、直接、税理士に依頼するのも効率的です。

遺産相続には項目によって期限が設けてあり、7日、14日、3ヶ月、4ヶ月、10ヵ月、1年です。
ここでは、手続きの一覧・届け出先・期限・手続きの一覧をご紹介いたします。
一覧をチェックし、いざという時に焦らない様に準備を進めていっていければと思います。
また、下部にチェックリストをダウンロード出来る様にしておりますので、印刷しお使いください。

葬儀が終わると、10ヶ月という短い期間の間に、被相続人(亡くなった方)の死亡届の提出・公共料金の解約・生命保険の手続きを行います。

その後に、遺産の洗い出し・遺産を相続する者を確定・遺産分割協議・納税方法の確定・申告・納付といった作業を行わならず、マイナスの負債が多いのであれば、相続放棄、相続を行うのであれば、相続税の算出後、相続を行い、円滑に相続の手続きを行って行きましょう。

被相続人が亡くなってから4ヶ月以内に生前から亡くなるまでの所得に対してかかる所得税を申告する、「準確定申告」を行います。
相続人が相続した相続税の申告は被相続人の亡くなったことを知った日から10ヶ月以内に行います。
仮に期限日が土日・祝日だった場合は、翌日が期限日と設定されています。

遺産相続手続き期限内容

7日以内にする事:死亡届の提出
3ヶ月以内にする事:相続放棄か相続(限定承認)手続き
4ヶ月以内にする事:被相続人の所得税の準確定申告
10ヶ月以内にする事:相続税の申告・納付
1年以内にする事:遺留分減殺請求申し立て

詳しくは↓(遺産相続には期限が有ります)
https://souzoku.how-inc.co.jp/topics/time-limit-to-inheritance

もしも、期限を守れなかった場合は、本来払うべき相続税に加え、過失が無くても加算税や延滞税がかかってしまう場合がありますので注意した方が良いでしょう。
申告書の提出先は被相続人の最後の住所地の管轄する納税地になり、相続人の住所地ではありませんので、こちらも注意をしてください。

納税自体は税務署・金融機関・郵便局でも支払いが可能です、申告が10ヶ月以内に行われていても、納税を行わなければ延滞税が発生する可能性がありますので、申告書を提出するだけで完了したという認識を持ってはいけません。

遺産相続申請一覧

■死亡した際に行う基本的な市区町村の役場の手続き(届け出)

NO 期限・時期 名称 手続き先 備考
1 死亡後7日以内 死亡届 被相続人の最終住所地役場 死亡届を提出
2 死亡後7日以内 火葬・埋葬許可 被相続人の最終住所地役場 死亡届と一緒に
3 死亡後14日以内 児童扶養手当 被相続人の最終住所地役場 母子家庭となった際
4 死亡後14日以内 世帯主変更届 被相続人の最終住所地役場 世帯主だった際
5 早急に※死亡と同時に無効 印鑑カードの廃棄 なし 基本手続き不要
6 早急に※返還義務あり 年金受給者死亡届 年金事務所、役場 年金を取得していた際
7 早急に 国民健康保険(喪失) 被相続人の最終住所地役場 保険証の返却の際
8 早急に 国民健康保険(変更) 被相続人の最終住所地役場 世帯主の変更の際
10 早急に 高齢者フリーパス※旧敬老パス 被相続人の最終住所地役場 パスをお持ちの際
11 早急に 高齢者福祉サービス 被相続人の最終住所地福祉事務所 福祉サービスを受けていた際
12 早急に 後期高齢者資格喪失 被相続人の最終住所地役場 被保険者証の返還の際
13 早急に 介護保険資格喪失 被相続人の最終住所地役場 被保険者証の返還の際
14 早急に 身体障害者手帳・愛の手帳など 被相続人の最終住所地福祉事務所 身体障害者の方だった場合
15 早急に 運転免許の死亡取消 被相続人の最終住所地警察署 免許証の返還の際
16 早急に 電気契約者変更 電力会社、管理会社 引き落とし口座も変更
17 早急に ガス契約者変更 ガス会社、管理会社 引き落とし口座も変更
18 早急に 水道契約者変更 役場、管理会社 引き落とし口座も変更
19 早急に NHK契約者変更 NHK 引き落とし口座も変更
20 早急に インターネットプロバイダ契約者変更 インターネットプロバイダ会社 引き落とし口座も変更
21 早急に 携帯電話の解約 携帯キャリアショップ 所有の際
22 早急に 死亡退職届け 勤務先 勤労者の際
23 早急に 公的資格者証返還 所属業界団体、勤務先 弁護士、税理士など
24 早急に 各所属団体の脱退 所属団体 町内会、自治体、サークル等
25 早急に 配達・郵便物の停止 発行社 新聞、定期購読雑誌等
26 早急に 特許権 特許庁 特許権がある方
27 早急に 音楽著作権 社団法人日本音楽著作権協会 著作権がある方
28 移転したい際 改葬許可届 墓地のある場所 お墓を移転・引越しの際
29 期限なし 復氏届 届出人の本籍地の役場 旧姓に戻る際
30 期限なし 婚族関係終了届 届出人の本籍地の役場 婚族と縁を切る際
31 期限なし 子の氏変更許可申請書 子の住所地の家庭裁判所 子の氏名を変更する場合

 

■死亡した際に発生する権利を請求する手続き(請求手続き)

NO 期限・時期 名称 手続き先 備考
1 火葬許可後6ヶ月以内 火葬補助金交付申請 それぞれの保険組合 火葬場使用料の領収書添付
2 葬儀翌日2年以内 葬祭費の請求 被相続人の最終住所地役場 国民健康保険加入
3 死亡(埋葬)から2年以内 埋葬費の請求 それぞれの保険組合 国民健康保険以外の加入
4 死亡後2年以内 労災の埋葬料 労働基準監督署 労働災害で死亡の場合
5 死亡後2年以内 死亡一時金 被相続人の最終住所地役場 国民年金加入者
6 診療月翌月2年以内 高額療養費請求 それぞれの保険組合 高額な医療費が発生した際
7 原則支払事由から3年 傷害保険金請求 各種損害保険会社 事故で死亡の場合
8 原則支払事由から3年 死亡保険金請求 各種生命保険会社 病気で死亡の場合
9 原則支払事由から3年 通・入院給付金請求 各種生命・損害保険会社 未請求分がある場合
10 5年以内(特例有) 遺族厚生年金請求 年金事務所 厚生年金加入者
11 5年以内(特例有) 遺族共済年金請求 年金事務所 共済年金加入者
12 死亡後5年以内 労災遺族給付請求 労働基準監督署 労働災害で死亡の場合
13 原則5年 敷金返還 居住先の管理会社・地主 賃貸の場合
14 原則5年 預け金等返還 居住先の管理会社 未支給年金がある際
15 支払日翌月5年以内 未支給年金請求 年金事務所 未支給年金がある場合
16 団体規定による 団体弔慰金請求 それぞれの保険組合 所属団体があれば

■死亡した際に変更・継続・解約する手続き(名義変更・解約)

NO 期限・時期 名称 手続き先 備考
1 早急に 銀行口座解約 各金融機関 口座凍結の解除
2 早急に 遺品整理 老人ホーム・業者 入居施設・住宅
3 早急に 借入の名義変更 借入先 債権者へ
4 早急に 保険契約者変更 保険会社 被保険者生存中の場合
5 早急に クレジットカード解約 クレジット会社 付帯保険確認
6 早急に リース・レンタル変更 リース・クレジット会社 未払い債務確認
7 早急に 貸金庫契約解約 各金融機関 開扉手続き
8 早急に 国債・地方債の承継 証券会社 金融資産
9 早急に 社債・新株予約権 証券会社 金融資産
10 早急に 証券・株式口座移管 証券会社 金融資産
11 早急に 単元本未満株承継 信託銀行等 金融資産
12 早急に 出資金返還 各信用金庫 金融資産
13 早急に 未上場株式 株式発行会社 金融資産
14 早急に ゴルフ・リゾート会員権 運営会社 株式・保証金確認
15 早急に 住宅火災保険契約 損害保険会社・代理店 契約者名義変更
16 早急に デパート等の友の会 デパート等 見落とし要確認
17 早急に 個人事業の承継 取引先 納品・請求書確認
18 早急に 不動産賃貸人連絡 各、賃借人、管理会社 不動産収入がある際

 

■死亡に伴う専門的な手続き(専門家)

NO 期限・時期 名称 専門家 備考
1 早急に※時効有 年金裁定請求や労災 社会保険労務士 年金事務所・労働基準監督署
2 早急に 戸籍収集 弁護士 役所(市民課)
3 早急に 自筆証書遺言検認 弁護士 家庭裁判所
4 早急に 遺産分割調停 弁護士 家庭裁判所
5 90日以内 車・農地・森林等 弁護士 陸運局・農業委員会
6 3ヶ月以内※伸長可能 相続放棄・限定承認 弁護士 家庭裁判所
7 4ヶ月以内 準確定申告 税理士 税務署
8 10ヵ月以内 相続税申告 税理士 税務署
9 1年以内※時効有 遺留分請求 弁護士 家庭裁判所
10 期限なし※相続税の際は早急に 遺産分割協議書作成 弁護士 各種手続き先
11 期限なし 未登記家屋名義変更 弁護士 役所(税務課)
12 期限なし 不動産名義変更 弁護士 法務局
13 期限なし※遺産分割の前提 後見人開始の審判申立 弁護士 家庭裁判所
14 期限なし※遺産分割の前提 不在者財産管理人申立 弁護士 家庭裁判所

まとめ

相続は非常に手続きが多く、被相続人は名義変更・連絡・変更・廃止手続きがあり、遺産分割が関わり最悪はもめてしまうケースならば、親族が関わる手続きが発生します。
無事に終われば、ご自身の手続きで相続税の申告をおこない、納付して終了となります。

➀手続き一覧表ダウンロード

下記、死亡した際に発生する手続き、専門家の等のリストをダウンロード後、印刷してチェックリストとしてお使い頂き、➁・➂・➃・➄の順序に沿って進めていきましょう。

【完全保存版】遺産相続手続きの一覧、届け出先、専門家リスト

➁最初の手続き

まずは、一覧で早い期限のものをピックアップを行い、まずは7日・14日を最優先とし手続きを完了させましょう。次に3ヶ月・4ヶ月・10ヵ月・1年とされている期限のものを整理し視野に入れておきましょう。

➂スケジュールの決定

14日以内までに行わなければならない手続が完了したら、長期的なスケジュールと必要な調査や必要な書類などを確認しておくのがいいかと思います。

被相続人が亡くなると、100%相続が発生し、ここである程度揉めるケースか円滑に進むケースが分かれてきます。
円滑に進めるのであれば、分割協議⇒遺産分割協議作成⇒準確定申告⇒遺産分割⇒相続登記⇒相続税申告⇒納税の形で終了します。

残念ながら揉めるケースになってしまう場合は、該当事案の確認に対して期限とスケジュールを確認しておく必要がありますので、専門家に依頼する形が良いでしょう、ほぼ平行線となり時間と労力とお金が掛かるでしょう。

➃死亡後の手続きは1ヶ月以内にほぼ完了を

ダウンロードを行った一覧表の中に期限が【早急に】・【4ヶ月以内】となっている手続きは1ヶ月以内に完了させてしまいましょう。

特に注意すべきなのが、財産調査が思う様に手間取ってしまい、相続を受けるか放棄するかの相続放棄の期限が来てしまい、3ヶ月以内の猶予を超えてしまい単純承認となってしまい、借金も相続となってしまうので、くれぐれも3ヶ月以内にしっかりと完了させておきましょう。
それまでに相続とは関係ない手続きは終えておくことをおすすめします。

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

相続は、どなたにも身近で起きる出来事です、しかし、感情で揉めてしまったり話し合いで解決出来ないことも少なくありません。 相続時には色々なトラブル・悩みが発生するものです、私の40年間という弁護士経験のを元に事例や状況に沿って対処法を電話でも解説可能...

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