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【弁護士監修】遺産相続は弁護士に相談を。適切な専門家を探しましょう。

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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更新日:2019年08月06日
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 遺産相続は相続税の申告の期限である「被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内」にしなければなりません。
 それまでに相続人や相続財産の確定を行った後で遺産分割協議を行わなければなりませんが、相続人や相続財産の確定が確実に行われなかった場合、結果として相続税の申告が正確に行われず追徴課税されてしまった…というケースもあります。
 そのため遺産相続は専門家に相談や依頼をして確実にすることをおすすめするのですが、専門家とは一体誰のことを指して、一体何をしてくれるのでしょうか?

 遺産相続の相談先となる専門家について詳しくみていきましょう!

~弁護士、税理士、司法書士、行政書士~相続問題の相談先は?

相続問題は専門家への相談と依頼が大切です

 まず相続で行わなければならない手続きとしては大きく次のものがあります。
  ・死亡届の提出、葬儀手続き
  ・年金などの停止手続
  ・遺言書の確認、相続人の確定、相続財産の確定
  ・準確定申告
  ・遺産分割協議
  ・相続税の申告と納税
 これらは全て専門家に依頼をしなくても自分で行うことができる手続きです。
 しかし日常的に行われる手続きではないため自分で進めていくには複雑で面倒なものです。
 また、前述したように相続人や相続財産の確定の段階で間違いがあった場合、例えば実は相続人がもう一人いたというケースでは既に遺産分割協議(話し合い)が整っていたとしても白紙になってしまいますし、相続財産が相続税の申告が済んでいたとしても実は相続財産がもっとあったというケースは追徴課税されてしまいます。

 そこで専門家に依頼をして複雑な手続きを代行してもらったり、相続人や相続財産が後から出てこないように確実に把握をしたうえで遺産分割協議を行うというわけです。

 ではその「専門家」とは具体的にどの職業の人のことを指すのでしょうか?

相続問題の相談ができる専門家とは

 遺産相続の専門家とは次の人たちのことを指します。
  ・弁護士
  ・税理士
  ・司法書士
  ・行政書士
  ・その他(行政・会社・法人など)
 それぞれ専門家がどのようなことを行ってくれるのかチェックしていきましょう。

●弁護士
  弁護士は法律の専門家です。
  相続に関する業務では他の士業よりも多くの内容を取り扱うことができます。
  よく司法書士と混同されることが多いのですが、遺産相続について言うと司法書士は主に不動産登記を取り扱う専門家で、弁護士は相続に関する例えば遺言書の無効確認から裁判に至るまで、ほぼすべての業務に対応することができます。
  不動産登記は司法書士が行うというイメージがありますが、そもそも弁護士資格を取るためには司法書士試験に合格していないといけません。そのため弁護士も登記もできるのですが(できないという人もいますが、判例によってできるとされています)弁護士になると扱える業務の範囲が広いため、実際には日常的に登記を取り扱っている詳しい司法書士に依頼をすることが多いようです。

  少し話がそれてしまいましたが、つまり弁護士はあらゆる法律業務を取り扱うことができるというわけです。
  一点、相続税の申告と納税については税理士の専権事項であるため、税理士の登録をしていない弁護士は取り扱うことはできません。

●税理士
 税理士は税務の専門家です。
 相続に関する事で言えば準確定申告や相続税の申告は税理士に依頼することになります(ちなみに準確定申告も弁護士が行うことが可能ですが、不動産登記と同じく専門家である税理士に任せることが多いようです)。
 また、相続税の節税方法などの相談をすることもできます。

 税理士を選ぶ際に気を付けなければならない点としては、依頼する税理士が相続に強いかどうかということはしっかり確認することです。
税理士の多くは会社の税金に関する業務を取り扱っているようですので「そもそも相続税に関する業務を取り扱っているかどうか」「相続税に関する業務の取扱件数が多いかどうか(相談件数ではない)」「相続に関する税金についてどこまでの範囲の業務を請け負ってくれるのか」などを確認して、相続に関する業務に精通している税理士を選ぶことがポイントです。

 ●司法書士
  司法書士は登記の専門家です。
  相続では主に相続登記を行います。相続登記というと難しそうですが、要は不動産の名義人を被相続人から相続人に変更することです。
  また、そのほかにも相続放棄の書類作成や遺産分割協議書の作成をすることも可能です。
  しかし、家庭裁判所に対して代理人として相続放棄の手続きをすることや遺産分割協議の代理人となることはできません。
  弁護士よりも安い価格で依頼することが可能ですが、司法書士の権限では行えない相続業務がたくさんあるということです。そのため司法書士に依頼すべきものとしては主に相続登記ということになるかと考えられます。

●行政書士
 行政書士ができる業務は主に相続に関する書類の作成です。
 例えば遺産分割協議書の作成や役所に提出する書類の作成をしてくれます。しかしどれも弁護士や司法書士に依頼できる内容のものばかりです。
 費用は比較的他の士業に比べて安いようですが、行政書士には代理権がありませんので裁判所に申請をすることや当事者の代理人になることはできません。
このように行政書士には出来ることが少ないため、相続人間で争いが無い場合に書類作成を依頼するケースなどに依頼をすることになるのではないでしょうか。

●その他の機関
 信託銀行
  最近では銀行で各種相続手続きをサポートしてくれます。
  銀行によっては相続人の確定から相続財産の整理(預貯金の解約手続きなど)まで行ってくれるところもあります。
  しかし、費用がかなり高額なのです。
  最低費用を100万円と設定されていたりするため、遺産整理の報酬が相続財産の約0.3%~2%とされていた場合に遺産額が少なかったとしても100万円は費用として取られてしまいます。
  また、最低費用の他に戸籍の収集や不動産の名義変更を依頼した場合はそれぞれ司法書士などに別途依頼をするため、別途費用がかかるのです。
  よほど資産があるという場合は信託銀行に依頼する方もいらっしゃるようですが、利用する方は少ないのではないでしょうか。

 役所
   役所でも相続相談を受け付けてくれます。
   役所によって異なりますが、主に次のような相談方法があります。
    ・役所の生活相談窓口で相談する
    ・弁護士などによる無料の相続相談会
   生活相談窓口(名称は役所によって異なります)には弁護士のような専門家がいないため具体的な相続相談をすることはできませんが、相談内容を聞いた窓口の人が誰に相談をすればいいかアドバイスをくれる可能性があります。
   相続相談会は弁護士などが受け付けてくれますが、相談できる時間は30分程度しかなく、回数の制限をしている役所もあります。
   そのため、納得がいくまで相談ができるとは限りません。
   また、引き続き依頼をしたいと思ってもその場で契約をすることが(禁止されているなどの理由で)できないケースも多いようです。
   きっちりと相談したい内容をまとめて相談に行って、どのような流れで相続手続きを行っていけばよいかというぐらいのことは聞ける可能性があるぐらいに思っておいた方が良いでしょう。

  一般社団法人など
   一般社団法人や会社などで相続に関して専門家の紹介や総合的なサポートを行ってくれるところがあります。
   弁護士や司法書士などとの違いは何かと聞かれると、各法人が行っているサービスでも実際に業務を行うのは弁護士や司法書士ですので、何の違いもありません。
   そのため、具体的にどのようなサービスをどのような価格で提供してくれるのかということを把握して検討すると良いのではないでしょうか。
   少なからず様々なサポートが受けられるということはそれだけの人員を揃えているということになりますので、高額になる可能性もあります。あらかじめ金額はきっちりと確認しておきましょう。

相続問題の相談先は間違えると大変です。

 例えば料金が安いからと言って行政書士に依頼をした場合、書類の作成だけではなく他の相続人に対して交渉も行ってほしかったとしても行政書士では交渉を行うことはできません。
 この場合は改めて弁護士などに交渉の依頼をすることになってしまいます。
 そうすると仮に行政書士に相談をした際に相談料を支払っていて、改めて弁護士に相談料を支払うとなるとお金がプラスしてかかってしまいます。また、改めて一から相談する労力や時間を要してしまいます。
 そのため、相談先は慎重に選ぶ必要があります。

専門家別に相談すべき内容

 まず、専門家別に行うことができる内容について比較してみましょう。

業務内容 弁護士 税理士 司法書士 行政書士
相続登記 △(※1) × ×
相続財産・相続人調査
遺産分割協議書作成 △(※2) △(※2)
相続に関する紛争解決 × × ×
相続放棄 × △(※3)
準確定申告 × × ×
相続税申告 × × ×
金融機関の相続手続き
車などの相続手続き △(※1) × ×
遺言書の検認申請 × ×
遺産分割調停・審判 × × ×
遺留分減殺請求 × × △(※5)
代理人としての交渉 × △(※4) ×

※1…専門ではないが業務を行うことは可能
※2…相続税申告や相続登記を伴う場合に限る
※3…手続きのサポートのみ可能
※4…簡易裁判所における140万円以下の裁判や調停関連の法律事務のみ可能
※5…自分で処理する場合の書類の作成のみ可能

ではこれをもとに、それぞれの専門家が具体的にどのような業務を行ってくれるのかをみていきましょう。
 
 ●弁護士
  弁護士が主にできることは次の内容です。
   ・相続財産調査
・遺産分割協議書作成
・相続に関する紛争解決
・相続放棄
・金融機関の相続手続き
・遺言書の検認申請
・遺産分割調停
・遺留分減殺請求
・代理人としての交渉
  など、相続に関わるほぼすべての業務を行うことができます。
  具体的に内容をみていきましょう。

  

相続財産・相続人調査

   相続財産調査は弁護士だけではなく税理士や司法書士、行政書士も行うことができます。
   相続財産は現金や預貯金、不動産、株、借金など様々なものがあります。これらを一から確実に調べ上げるのは非常に大変です。調査不足で相続税の申告後に財産が出てきた場合は脱税とみなされてしまいますので、相続財産の調査は専門家に依頼する人も少なくないのではないでしょうか。
   中でも弁護士は「弁護士会照会制度」によって銀行の取引履歴の照会など様々な内容の照会をすることが可能です。
   
   相続人の調査も重要です。遺産相続が開始したら相続人全員で遺産分割協議を行うことになります。例えば亡くなった父の相続人が一緒に住んでいた家族だけであればよいのですが、離婚歴があり前妻との間に子供がいる場合や隠し子がいた場合などはその子供たちも相続人となります。
   遺産分割は相続人「全員」で行わなければなりませんので、後から相続人が出てきた場合は既にまとまった遺産分割協議は白紙になってしまいます。
   このようなトラブルを避けるために相続人の調査も専門家に依頼すると安心です。
  
  

遺産分割協議書作成

   遺産分割協議が整ったらその内容は遺産分割協議書にまとめます。
   書類の作成自体は弁護士・税理士・司法書士・行政書士のどの専門家でも行うことができますが、税理士や司法書士は他の業務に伴う場合のみ作成可能となっています。

  

相続に関する紛争解決

   例えば遺産分割協議が整わない、他の相続人が遺産を隠しているなどのトラブルが起こった場合に相談をできる専門家は法律によって弁護士のみとなっています。
   中には他の専門家が「弁護士に依頼すると高額だ」などと言って弁護士に依頼することをやめさせて抱え込もうとするケースもあるようですが、その結果余計にトラブルが悪化したというケースもあります。しかし紛争解決は弁護士にしかできないのです。無責任な発言をする専門家には注意が必要です。

  

相続放棄

   相続放棄は弁護士と司法書士が取り扱うことができます。
   しかし弁護士と司法書士では権限が異なるため、司法書士に依頼した場合例えば申請書の作成は申述人が署名捺印をしなければなりませんし、裁判所とのやり取りもできません。また、相続放棄をするということは債権者=債権の回収をすることができなくなる人がいる可能性がある、つまりはトラブルになってしまう可能性があります。その債権者とのやり取りの対応も弁護士であれば全て代理で行ってくれますが、司法書士は代理権がありませんのでやり取りを行うことはできません。
   相続放棄は家庭裁判所に申述します。必要書類は相続放棄申述書や戸籍謄本、住民票などがありますが申述する家庭裁判所によって異なります。あらかじめ確認しておきましょう。

  

金融機関の相続手続き

   被相続人が亡くなったことを金融機関が確認できたら銀行口座は凍結されます。凍結された後はまず残高証明書を取得して口座の残高を把握します。それから遺産分割協議を行い、名義変更(具体的には被相続人の口座を解約して相続人の口座にお金を振り込んでもらいます)を行うことになります。必要書類の中には戸籍謄本や印鑑証明書、遺産分割協議書、名義変更の届け出書類などがありますが金融機関によって異なります。
   株式の場合はその株を誰が管理しているのか(証券会社や信託銀行など)を把握し、残高証明を取得します。そして遺産分割協議を行った結果売却しないことが決まった場合、上場株式であれば管理会社へ、非上場株式であれば株式発行会社に届出をして名義変更をすることになります。必要書類は株券や名義変更の請求書、戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書などがあります。こちらも金融機関によって異なりますので確認をする必要があります。
   金融機関の相続手続きはどの専門家でも行うことができます。

  

車などの相続手続き

   車の所有者が被相続人になっている場合は相続が発生します(ローンを組んでいる場合などは所有者がローン会社になっていると思われますので相続は発生しません)。
   車の名義人を変更しておかなければ一時抹消登録(一時的な使用中止の登録のことで、再使用することが可能です)や永久抹消登録(解体処分をする登録のこと)ができません。
   また、名義人を変更しないまま使用していた場合に事故を起こしたら保険の保証を受けられなくなってしまう可能性があります。そのため相続開始後は車の所有者を相続人に変更しなければなりません。
   必要書類は車検証や戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書、車庫証明書などがあります。
   車などの相続手続きは弁護士も行うことができますが、専門ではないので取り扱っているかどうか確認する必要があります。

  

遺言書の検認申請

   被相続人が残した遺言書が「自筆証書遺言書」だった場合は家庭裁判所で検認をしてもらう必要があります。検認とは相続人が遺言書の存在があった事確認し、内容を明確にすることです。検認を家庭裁判所で行うことによって遺言書の偽造や変造を防ぎます。
   ちなみに遺言書が見つかった場合に検認をせずに勝手に開封した場合は5万円以下の過料が科せられてしまう可能性があります。
   検認をするには申立書を作成し、戸籍謄本を用意します。
   また、検認は申し立てをしてから検認を行うまでに1~2ヶ月程の期間を要します。
   検認手続を行えるのは弁護士や司法書士ですが、検認当日に代理人として参加することができるのは代理権がある弁護士だけです。

  

遺産分割調停・審判

   遺産分割調停(裁判所によって行う遺産分割協議)や遺産分割審判(調停によって話し合いがまとまりそうにない場合は審判に移行します)の代理人になる業務は弁護士のみが取り扱うことができます。弁護士以外が報酬を受け取って代理人業務を行うことは弁護士法により禁止されています。
   遺産分割調停や審判は家庭裁判所で行われるため、法律の知識は必要不可欠です。弁護士に依頼せず自分で進めることもできますが、自分に有利に進めるため、また相手が弁護士を立てている場合はきっちりと対抗するためには弁護士に依頼をしたほうが良いでしょう。
   必要書類としては遺産分割申立書や当事者目録、財産目録、相続関係図、戸籍謄本、住民票など多くの書類が必要となります。申し立てをする裁判所によって必要書類は異なりますので確認をしておきましょう。

  

遺留分減殺請求

   遺留分とは相続人に保証される最低限の遺産の取り分のことを言います。
   遺留分減殺請求とは、例えば遺言などによって遺産の取り分が侵されている場合にその取り分について他の相続人に請求することを言います。
   遺留分減殺請求は行政書士にも依頼をすることができますが、あくまで書類の作成だけですので後々の交渉も任せてしまいたい場合は弁護士に依頼しなければなりません。
   遺留分減殺請求は内容証明郵便や遺留分減殺調停または裁判によって行います。
   調停になった場合は申立書や戸籍謄本、遺言書などが必要となります。

   遺留分減殺請求は本来遺言によって遺産をたくさん貰えるべき人に対してお金などを請求することですのでトラブルになるケースが多く、本当に大変なのは請求後です。
   絶対もめるなと思う場合や顔を見て話をしたり直接やり取りをしたくないという場合は弁護士に依頼しておいた方が良いでしょう。

  

代理人としての交渉

   遺産分割協議に自分の代わりに参加してもらいたいなどといった場合は弁護士や司法書士に依頼することができます。司法書士は簡易裁判所における140万円以下の裁判や調停関連の法律事務のみ可能であるということや、協議が整わず調停になった場合に代理人になれないことなど制限があります。
   遺産分割協議が整いそうにないと思われる方は後々調停になった場合などに状況がわかるため初めから弁護士に依頼しておいた方が良いでしょう。

  

その他

   他にも遺言執行者(遺言の内容を実現するための手続きを行う人)に就任することができたり、被相続人が営んでいた企業や個人事業を相続人に承継させる「事業承継」のサポートや、相続の「仮処分(被相続人の収入で生活していた人などが生活できなくなることを防ぐため遺産分割協議や調停などの期間中に裁判所に申し立てて預貯金などを引き出すことができるもの)」の手続きを行ってもらうことができます。

  このように弁護士は相続に関する税金業務以外のほぼすべての業務を行うことができます。
  司法書士や行政書士に依頼することができる業務も沢山ありますが、後にトラブルになる可能性があるケースは弁護士に依頼しておかなければ再度依頼をし直すことになりますので時間も費用も掛かってしまいます。
  また、名義変更などを行う場合は金融機関に出向かなければなりませんが多くの金融機関は平日の日中しか営業しておらず、必要書類の収集も役所が空いている平日の日中にすることが多いのではないかと考えられます。
  仕事をされている方や遠方に出向くのが難しい場合も弁護士などに依頼をすると良いでしょう。
  費用はかかりますが、確実に処理を行ってくれますし、複雑な書類作成や書類の収集も任せることができますので労力もかかりません。

 ●税理士
  税理士が行うことができる業務は次の通りです。
   ・相続財産・相続人調査
・遺産分割協議書作成
・準確定申告
・相続税申告
・金融機関の相続手続き
  遺産分割協議書の作成については相続税申告に伴う場合に行うことが可能です。
  そのため主に依頼すべき内容としては「準確定申告」と「相続税申告」となるのではないでしょうか。

  

準確定申告

   準確定申告とは、被相続人の所得税の申告のことを言います。
   自営業の方や複数個所から給与を受け取っていた方は確定申告をしなければなりませんが、亡くなった後は確定申告をすることができませんので、被相続人の代わりに相続人が確定申告をすることになります。
   準確定申告は被相続人が亡くなった日から4ヶ月以内に行わなければなりません。また、その年に行うべき前年の確定申告がまだ行われていなかった場合は前年の確定申告も合わせて行わなければなりませんので2年分の確定申告が必要となります。
   
   準確定申告は通常の確定申告と同じように源泉徴収票や生命保険の控除証明書、マイナンバーカードなどの身分証明書などが必要です。また、確定申告書の作成をしなければなりません。

   大切なことは、間違いなく確定申告書の作成をすることです。
   特に準確定申告は大切な人が亡くなった後で忙しく、悲しみの中処理しなければならないのに期限が大変短いため見落としが多く起こるようです。
   受けられる控除は確実に受けられるよう、所得の申告漏れをして脱税になってしまわないようにするためには専門家である税理士に依頼すると良いでしょう。

  

相続税申告

   相続手続きで税理士に依頼をする内容の多くはこの相続税の申告ではないでしょうか。
   相続には「基礎控除」があります。基礎控除とは3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算されます。例えば父が亡くなって、母と子供2人が相続人だった場合は3,000万円+600万円×3=4,800万円が基礎控除額となります。
   遺産額が基礎控除を超えない場合は相続税の申告は不要ですが、超える場合は相続税の申告と納税を行わなければなりません。
   
   相続税は相続財産をどう計算するのか、どのように相続人で分け合うのかによって大きく変わってきます。
   例えば相続財産の計算であれば、土地を持っていた場合にその土地がどのような状態であるかによって評価額が異なります。例えば私道を持っていて、その私道を多くの人が使っているような状態だと公共性が高いとみなされて相続税がゼロになったり、近くに墓地があるような場合は評価額が下げられたりする可能性があります。
   相続人での分け方としては各種控除をどのようにうまく使うのかというのがポイントとなるようです。例を挙げると「配偶者控除」というのがあり、配偶者控除は1億6,000万円までの相続額を非課税にする、または法定相続分(1/2)に相当する額を非課税にすることができる制度です。父が残した1億円の財産を全て母に相続させれば、相続税を支払わずに済むというわけですね。
   ただしこれには注意点があり、まず控除を受けるには相続税の申告をしなければならないということ、そしてもし母が相続後すぐに亡くなってしまった場合(二次相続)は子供2人が母の遺産を相続することになりますので、1億円の遺産を今度は控除なしで相続税の計算をしなければならなくなります。そうすると父が亡くなった時点で配偶者控除を利用せず、母と子供たちで相続を行って相続税を支払ったほうが安く済んだという結果になってしまいます(数百万円レベルで変わります)。

   相続財産の評価は難しく、不動産はもちろん株式についても評価額を知ることは簡単ではありません。また、相続税の計算も複雑でわかりにくいものです。
   実際に相続税申告を個人で行った人や申告の内容がイマイチだった人には「税務調査」が行われる可能性がかなり高くなります。4人に1人は税務調査を受けると言われています。
   そのため、相続税の申告は税理士に依頼して確実に財産の評価を行い、相続税の申告までやってもらうことによって確実で楽に済ませることをおすすめします。

●司法書士
 司法書士に依頼できることは次のような内容です。
  ・相続登記
・相続財産・相続人調査
・遺産分割協議書作成
・相続放棄
・金融機関の相続手続き
・遺言書の検認申請
・代理人としての交渉
  中でもやはり「相続登記」が司法書士な主な業務になるかと思います。

  

相続登記

   相続登記というのは、相続を原因とする不動産の所有権移転登記のことです。
   不動産の持ち主を被相続人から相続人へ変更する手続きです。
   住宅ローンを組んでいた場合は不動産に「抵当権」が設定されていますので、団体信用生命保険(ローンを組んでいる人が亡くなった場合に返済義務が無くなるもの)に加入されている場合は抵当権の抹消登記を、加入されていない場合は債務者の変更登記を行わなければなりません。
 
   相続登記は義務ではありませんので無理に行う必要はありませんが、相続不動産を売却したい場合は所有権者が被相続人のままでは売却をすることができません。
   相続した時点の相続人たちが不動産を売却するつもりが無くても後々の相続人が売却をしようとした場合に相続登記がきちんと行われていなかった場合は大変なことになります。不動産登記は相続人全員の押印と印鑑証明が必要となります。例えば曾祖父の不動産を相続することになったが相続登記が行われていなかった、曾祖父には5人の子供がおり、その子供である孫にもそれぞれ2人ずつ子供がいて、その子供であるひ孫にも2人ずつ子供がいた…という場合、最大で20人の相続人がいることになりますので、その全員から押印と印鑑証明をもらうことになります。
   曾祖父がきちんと相続を行っていれば、最大5人の相続人で済んだものがここまで膨らんでしまったのです。ここまでくると中には会った事もない親族もいるでしょう。そんな人に突然押印や印鑑証明を求めるのは気がひけますね。

   長くなりましたが、つまり相続登記は義務ではないけれどやっておかなければ子供や孫の代に迷惑をかけてしまう結果になってしまいます。必ず相続登記は行ったほうが良いでしょう。
   相続登記は法務局に申請書を提出して行います。
   必要書類は申請書、登記識別情報(昔で言う権利証)、戸籍謄本、住民票、遺産分割協議書、固定資産税評価証明書などがあります。
   申請書には不動産の情報を詳細に記入しなければなりませんし、戸籍謄本も被相続人のものは出生から死亡までが繋がるように集めなければなりません。
   個人でも相続登記をすることは可能ですが、戸籍謄本などの必要書類の収集や申請書の作成は時間もかかるし簡単ではありません。
   司法書士に依頼すれば簡単で確実に処理を行うことができます。

●行政書士
 行政書士が行える業務には次のようなものがあります。
  ・相続財産・相続人調査
・遺産分割協議書作成
・相続放棄
・金融機関の相続手続き
・車などの相続手続き
・遺留分減殺請求
  行政書士が行える業務は、基本的には弁護士や司法書士が行える業務ばかりです。
  行政書士に依頼するメリットとしては料金が他の専門家に比べて安いということになるかと思いますが、行政書士はトラブルを解決することができません。
  そのため例えば相続放棄の依頼をした場合で放棄後に債権者とトラブルが起こったとしても行政書士ではそのトラブルの対処ができません。
  相続によってトラブルが起こる可能性がある場合はトラブル対処の制限が無い弁護士に依頼すると良いでしょう。

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まとめ

 相続について相談や依頼ができる専門家には様々な種類がありますが、それぞれ専門にしていることが異なります。特に具体的には相続税については税理士に、相続登記については司法書士に依頼することになります。コストを抑えたい場合は書類作成だけ行政書士に依頼することになるでしょう。
 広く業務を行うことができるのは弁護士で、ほぼすべての業務を行うことができます。また、トラブルが起こった場合にはその対処をすることも可能です。
 まずは相続問題に強い弁護士を探して、相談をしてみましょう。

この記事の監修者

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

相続は、どなたにも身近で起きる出来事です、しかし、感情で揉めてしまったり話し合いで解決出来ないことも少なくありません。 相続時には色々なトラブル・悩みが発生するものです、私の40年間という弁護士経験のを元に事例や状況に沿って対処法を電話でも解説可能...

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