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【弁護士監修】内容に納得出来ない遺産分割協議、やり直しは可能か?

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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更新日:2018年12月29日
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相続人間で遺産分割協議を行い、協議書を作成したものの、「やっぱり内容に納得ができないので、遺産分割協議をやり直したいが可能ですか」というご質問をよく頂きます。

法律上可能な5つのケース

分割協議を終えた後、原則として取消しや解除することはできませんが一定の条件のもと取消し、解除ができることがあります。

遺産分割は法律行為です。下記の場合には、無効となったり、取り消されたりすることがあります。その場合は、例外的に遺産分割協議をやり直すことが可能です。ただし、遺産分割の無効や取消しが簡単に認められてしまうと、法律行為の安定性を害することになるため、民法では無効若しくは取消しができる場合を以下のとおり非常に限定的としています。

ケース1 共同相続人の一部を除外して分割協議がなされた場合

一部の相続人を除外して他の相続人のみでなされた遺産分割協議は無効です(但し、相続開始後に認知された者がいる場合、その被認知者を除外してしまった時でも、協議は無効とならず、あとに金銭的な調整することは可能とされています(民法第910条))。

ケース2 法定相続人でない者が遺産分割協議に参加していた場合

遺産分割協議には、相続人しか参加することは出来ません。

相続人でない者(相続欠格等により後に相続資格が失われた者も含む)が遺産分割協議に参加していたことが発覚した場合も、遺産分割協議は無効となり、やり直しをすることができます。

ケース3 当事者の意思表示に瑕疵がある場合

遺産分割協議の当事者である相続人にとって重要な事項(要素)について錯誤がある場合も、その遺産分割協議は無効となり、協議のやり直しをすることができます。

但し、当事者の意思表示が錯誤に基づくものであっても、それが重大な過失に基づくときは無効とはならない、とされています(民法第95条)。

例えば、相続人の中に、認知症などで意思能力に何らかの瑕疵がある者がいた場合、後見人などの法定代理人が必要となり、法定代理人がいなければ、その遺産分割協議は無効です。

遺産分割協議には、相続人の明確な意思表示が必要です。よって、意思表示ができない人が相続人に含まれる場合の遺産分割協議は当然に無効となります。

また、故人が遺言書を残していたことを知らずに遺産分割協議を行った場合、もし遺言書の存在と内容を知っていれば、分割協議に応じなかったというような場合も無効を主張することができます。

ケース4 詐欺・脅迫を原因とする取消し

詐欺、または脅迫の事実があったかどうかが争いになるような場合には、取消しの意思表示を行った上で、遺産分割協議無効の訴えを提起することができます。(民法96条)

ケース5 相続人の全員の合意によるやり直し

「相続人の全員が既に成立している遺産分割協議の全部又は一部を合意により解除した上、改めて遺産分割協議をすることは、法律上、当然には妨げられるものではない」という最高裁判所での判決があります。したがって、相続人全員が遺産分割協議をやり直したいと希望するのであれば、遺産分割協議を解除して再度話し合いをすることは可能ということです。

税務上はダブル課税される

しかしながら、法律上は遺産分割協議のやり直しが可能であっても、税務上の取り扱いは厳しいものとなっています。

当初作成された遺産分割協議書が、詐欺や脅迫などの悪意に基づき無理やり署名・捺印させられたものでない限り、再分割協議には税務署から相続で譲り受けたものでなく、新たに贈与で財産を取得したと判断されることになることが多いようですので、安易な合意の解除や再分割は避けるべきです。

要するに、前の遺産分割協議にて譲り受けた財産には相続税が課税されており、その後の協議で得た財産は贈与税が課税されるタブルで税金を支払うことになります。

そういった場合には、専門家にご相談されることをお勧めします。

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

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