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相続税を納める方によくある悩みと対策法3選

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更新日:2018年12月29日
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平成27年度の相続税法改正により基礎控除が引き下げられ、相続税を支払う必要のある人が増えるなど、国民側に不利な方向へと法改正がされてしまいました。

元来、人の死(に伴う財産の移転)という事態に税金をかけるということ自体、国民側には納得性が低いわけですが、国の財政が厳しいなど政治的な理由から本改正が行われました。
従来は相続税対策というのは割と裕福な富裕層でなければあまり関係ないことだったかもしれませんが、大幅に基礎控除が下げられて相続税の支払い対象になってしまった人は強い憤りを感じていることと思います。

今回は相続税を納める立場になってしまう方向けに、どうやってその税負担を軽減すれば良いのか、代表的な3つの方法をお教えします。
その方法とは、「生前贈与の活用」「相続財産の価値を下げる」「借金を上手く利用する」の3点です。
相続財産の価値を下げるというのは、あなたの財産にとって傷つけるなどして市場価値を下げるわけではありませんのでご安心ください。それではそれぞれを見ていきましょう。

生前贈与の活用とその注意点

我が国の税制では相続税の他に贈与税という仕組みがあり、一定の財産を貰った者はその額に対応する税金を支払う必要があります。
もし贈与税というシステムが無い場合、将来の相続税の発生に備えて親が子などに生前に所有権移転をして相続税逃れが横行するため、生前贈与には贈与税を使って徴税を行っています。

暦年課税制度を活用する

ただ贈与税は年間110万円までの贈与であればかからないことになっている(暦年課税制度)ので、毎年少しずつ財産の移転を行って行けば、相続発生時には相続財産を基礎控除の範囲内に収めておくことができる可能性が高まります。

財産額が非常に大きい場合はこの額では対処しきれませんが、数年かけて少しずつ財産を移転していけば、基礎控除の枠内に財産額を納めることが十分に可能で、相続税の支払いを免れることができます。
もし、基礎控除からはみ出てしまっても相続税率をかける元になる相続財産額を減らす効果によって納税額を減らせる可能性が高くなります。相続税や贈与税は累進課税のため、財産額が減ることで税率が低くなるからです。

生前贈与の対象は子などでなくとも可能ですが、贈与税がかからないのは財産を受け取る側1人当たり年間110万円までです。
贈与相手が例えば子一人の場合は年間110万円ですが、子二人と孫二人に生前贈与するならば年間440万円も財産移転することができるので非常に有利になります。

注意点としては

相続が発生する日(つまり贈与した人が死亡した日)の前3年間にした生前贈与いついては、同額が相続財産に組み戻されて計算されてしまいます。
あからさまな相続税逃れをけん制するための制度ですが、死亡前3年で受けた贈与について支払った贈与税があれば、二重課税を避けるために相続税額から控除されます。

「相続財産の価値を下げる」とはどういうことか?

だれでも自分の財産価値は上げたいものです。それを下げるなんて・・と思ってしまうかもしれませんが、例えば家屋に傷をつけて市場価値を下げるなどというものではないのでご安心ください。
これは相続税対策のための便宜的な手法であり、財産の正味の価値に傷をつけるものではありません。
どういうことかというと、相続税は相続財産を数字化して、○○万円というように数字で評価します。ここに相続税率をかけて相続税額を算出するわけです。

つまり、相続財産額の数字が小さいほど、税率をかけて算出される税額の数字も小さくなるわけですね。財産額の数字を小さくするのはウソをつくのかというとそうではなく、代表的なものでは不動産投資があります。

現預金の額というのは相続税の計算の際もそのままの額で評価されるため、同金額での評価額となります。
しかし、不動産を買って現金を不動産に変えてしまうと、相続税の計算上は低く評価されるのです。
不動産は数字化する時の計算方法が決まっており、それに従うと現預金よりも評価を下げて計算できる仕組みになっているからです。

加えてその不動産が賃貸用のものだった場合、「他人に貸す分、自分の為の利用価値が減っている不動産」と考えられて、計算上はさらに小さい数字で評価することが可能です。
計算上のことですから、別に市場価値そのものを下げるわけではありません。

こういった理由で現在はタワーマンションなどの購入が盛んに行われているようですが、相続発生(被相続人の死亡)直前に購入するようなあからさまな相続税逃れは国税当局に否定された判例もあるので、税理士や不動産業者などとよく相談して実行することをお勧めします。

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「借金を上手く活用する」とはどういうこと?

先ほど述べたように相続税の計算は税率をかける元になる相続財産の額(数字)をできるだけ小さくするのが常道です。

この点、債務控除といって被相続人に残った借金などの一定の債務は財産額から差し引くことを利用して賃貸マンションなどを借金して建設することがバブル時代(1986~1991年)に流行しました。

実際にどうなっていくのか、具体的な数値を出して計算したいと思います。

更地の土地1億円、現金1億円を持っていた場合、(A)そのままにしている場合、(B)現金でその土地にマンションを建設した場合、(C)借金を1億円して土地にマンションを建てた場合の3パターンで相続税評価額を比較してみます。

 資産ごとの評価額 (A)

そのまま
(B)

現金マンション建設
(C)

借金マンション建設
土地1億円 1億円 8000万円(※1) 8000万円(※1)
建物1億円 無し 4000万円(※2) 4000万円(※2)
現金 1億円 無し 1億円
借入金 無し 無し -1億円
総評価額 2億円 1.2億円 1.2億円
(A)との差額 8000万円 8000万円
相続税40%時(※3)

の節税額
3200万円 3200万円

※1:賃貸マンションにしたことで「貸家建付地」となり、相続税評価額がおおよそ20%減額されます。

※2:賃貸マンションの建物としては、現金よりも約60%減額されます。

※3:相続財産の総額によって10%~55%と変動します。

現金でマンションを建設した時と、借金で建設した時と変わりません。

一括で払えるのであれば問題ないですが、「借金したとしてもマンションにした方が節税になります」ってことなのではないでしょうか?

不動産化によって現預金の価値を下げ、加えて債務を作ることでさらに財産額を減らすことができますが、当然のように借入金には利息が発生します。

ただ、この利息や固定資産税・建物部分の減価償却費など経費とすることが出来ます。

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更地の土地を持っている場合は特に固定資産税の節税になりますが、賃貸マンションにすることにより、「遺産分割がしにくくなる」「簡単には売れなくなる=現金化しにくくなる」などの問題も発生しますので注意が必要です。

詳しい金額のシミュレーションが必要ですので、不動産に詳しいFPや税理士に相談すると良いでしょう。

相続税のシミュレーション・相続税の納税額や法定相続分が10秒でわかる

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