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【生前贈与】贈与税3つの節税対策方法とは

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更新日:2018年12月29日
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賢者に学ぶ贈与の作法

贈与には大きく分けて3つの目的があります。

その1 生活面での金銭的援助

1つ目は生活面での金銭的援助です。

親世代、祖父母世代と違って経済の発展が見込めない今日。子世代、孫世代の生活は苦しく、株式投資にしても不動産取得にしても早めに買えば値段が上がって資産形成ができていた時代は終わりました。昨今の世知辛い経済状況を憂うからこそ、子世代、孫世代に早目の住宅取得、教育資金の援助などを積極的に行っているのです。

その2 生前に資産を次世代に引き継ぐ

2つ目は相続まで待たずに、資産を次世代に引き継ぐためです。

日本人の平均寿命は男性で80歳、女性で86歳です。亡くなってから資産を引き継ぐ相続ですと、子もすでに60代あるいは70代。介護への備えは必要であるものの、お金が必要な現役世代とは考えにくいです。一方孫世代は30代、40代です。教育費の負担と住宅ローンの負担などで、家計の収支は赤字の事も多く、家計のかじ取りを一歩誤ると家計破綻まっしぐらの状況です。そのような状況を改善するのが生前贈与にほかならず、お金がいくらあっても足らない世代にお金を移すことを目的とします。

その3 相続税を減らすための相続税対策

3つ目が相続税を減らすための相続税対策となります。今までは相続税とは無縁であった家庭が、平成27年1月1日以降の相続増税により、相続税の課税対象となりました。今まで頑張って貯めてきた虎の子の資金を国に納めるくらいなら(感覚的には盗られるくらいならと思っている事でしょう)、贈与税の税金が少なくなるように計算して子や孫へなるべく多くの財産を移すと考えるのです。

一言でいうと、賢者はいつどのようなタイミングでいくら贈与をすれば、得をするかという事を客観的に合理的に考え、行動しているのです。いつまでも何もしない凡人はそこを学ぶ必要がありそうです。

贈与税を減らす3つの方法

贈与税を減らすには3つの基本的な考え方があります。考え方を整理しない贈与は意味がなかったり、効果が無かったりします。

その1 財産の評価額を知る

贈与税を減らす1つ目は評価替えをした後の贈与です。

財産の評価額を下げてから贈与することで、預貯金の贈与よりも贈与税を減らすことができます。例えば、贈与した時の資産の価値は時価で評価されます。100万円の現預金は100万円の価値があるとして評価されます。一方、100万円の株式は今100万円ですが、1年後に200万円になっている可能性があります。もちろん0円になってしまう可能性もあるわけですが。今は安いけれど将来値上がりしそうな資産であれば、今後上昇する見込みのある現在価値の安い資産として早目に生前贈与することが合理的になります。預貯金の不動産への組み換えも有効な方法です。簡単に言うと不動産を買う事です。預貯金を払って不動産を購入すると預貯金が不動産に替わります。すると不動産特有の時価で評価をすることができます。

不動産にはたくさんの価格があります。売買価格、路線価、固定資産税評価額などです。一般的に不動産は売買価格で売り買いをします。不動産の評価は、建物は固定資産税評価額、土地は路線価で評価(または倍率方式)をします。これによって、現金や預金を贈与するのではなく、不動産に資産を組み替えてから贈与をするという仕組みが使えることになります。

また賃貸用の不動産などはさらに資産の評価を下げることもできますし、税制に詳しくなるほど、色々な仕組みを考えて実現できるのが不動産の面白いところです。

不動産に資産を組み替えてから、贈与をするということで、預貯金よりも実質的に高額な資産をより少ない税負担で子や孫世代に移すことができるのです。生命保険の解約返戻金を活用した贈与という仕組みもあります。

その2 贈与税の非課税制度を活用する

2つ目は贈与税の非課税制度を活用した贈与です。

住宅を買うための資金援助、子育て資金援助、結婚に関する資金援助など、若い人たちがお金を使ってくれそうな用途を絞って、贈与税を課税しないという制度があります。

親や祖父母世代から、子や孫世代への資金移転をしたままお金が使われないと経済が元気になりません。ですから、お金を使うことを前提として贈与税を非課税にするという制度がたくさんあるのです。20年以上の婚姻期間がある夫婦間では、自宅を無税で贈与できるという仕組みもあります。

その3 贈与税を繰り延べて相続税にする

3つ目は贈与時の課税の繰り延べです。一定額までは贈与税を払う必要が無い代わりに、相続時に相続税を払うことで贈与時の課税をしないという制度もあります。(相続時精算課税制度)資産は贈与の時点で移るのですが、税金のかかるタイミングを遅らせるという事ができるのです。

贈与を賢者に学ぶには

賢者は歴史に学び、凡人は経験に学ぶと言います。資産家は今までの相続において痛い目を見ているため、相続時に相続人間で争ったり、多額の相続税を支払うことを嫌う傾向にあります。だからこそ、生前贈与に熱心なのです。ということは、つまり資産家と言えども凡人なのです。

皆さんは、賢者として今まで痛い目を見てきた資産家たちが実践している各種生前贈与を賢く学び、着実に実行する。そんな賢者になりたいものです。うちはそんな資産家ではない、という方も多いでしょう。そんな方々でも自分の死期を悟ると生前贈与を実行したくなるものです。

法定相続人に対して実施した死亡前3年以内の贈与は、贈与自体が無かったものとして相続税の課税対象となります。つまり、付け焼刃の生前贈与は意味がないのです。税金をかけてくる政府も黙っているわけではないのです。

年間130万人が亡くなる日本。130万通りの節税方法があるわけではなく、いくつかのパターンしかありません。ですから、政府も当然対策をしてきます。付け焼刃の生前贈与は意味がない代わりに、制度を上手に活用することができれば、少ない税負担で子孫に財産を移すことができるのです。知識を得て、上手に生前贈与を活用しましょう。

この記事の著者

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高橋成壽 (保険関係)相続センター神奈川

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