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【弁護士監修】相続対策向けの生前贈与って何年前から始めるのがベスト?

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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更新日:2019年04月15日
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平成27年から相続税の課税が強化されたことにより、相続や相続税に対する関心が高まっています。テレビや新聞などで話題になることも多くなりました。

相続は自身が亡くなってから起きるものなので、自分自身で対策することはできないと考えがちですが、生前にできる対策は数多くあります。残された家族が遺産をめぐって争うことのないように、また、相続税の納税資金に困ることのないように、元気なうちに相続の生前対策について考えておきたいものです。

相続で出来る3つの対策

相続の生前対策には、主に次の3つの対策があります。

遺産分割

法的に有効な遺言を書いておくことや、不動産など分割しづらいものがあれば現金に換えておくといったことです。

納税資金

相続財産の大部分が不動産や非公開株式であって、現預金が少ない場合には、相続人が相続税の納税に困ることもあります。不動産を現金に換えるか、生命保険を活用するといった方法が考えられます。

節税

税制の仕組みを利用して、財産を減らすことなく相続税の税額を減らすという対策です。生前贈与や配偶者控除の活用、または財産を税制上の評価額が低い不動産に組み替えるといった方法があります。

相続の生前対策はいつから始めればよいのでしょうか。人はいつ亡くなるかわからないので、できるだけ早く始めましょうというのが答えの一つになります。

一方、節税対策の点では、3年前という期間が一つの目安になります。相続前の3年以内に行われた生前贈与は、相続税の課税対象になるためです。

生前対策は少なくとも3年前から

相続税法では、相続前の3年以内に受けた生前贈与財産は、相続税の課税対象に加算することとされています。これには、生前に配偶者や子に財産をすべて分け与えて相続税の課税から逃れることを防ぐ目的があります。

加算の対象となるのは、生前贈与によって財産を受け取り、さらに相続によって財産を受け取った人です。生前贈与したときと相続したときで時価が異なる財産については、生前贈与したときの金額で加算されます。二重課税を避けるため、生前贈与を受けたときに贈与税を納税していれば、その税額は相続税から控除できます。

なお、相続前の3年以内に受けた生前贈与財産であっても、次のものは相続税の課税対象に加算されません。

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贈与税の基礎控除額を活用する

贈与税は、相続税に比べて税率の累進の度合いが高く、低い金額に対して高い税率がかけられています。また、免税点ともいえる基礎控除額も、相続税は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で求めた金額であるのに対して、贈与税は年間110万円にとどまります。そのため、一度に高額な財産を贈与すると贈与税の負担が大きくなり、相続税対策の意味がなくなってしまいます。

このような事情から、生前贈与は、贈与税の基礎控除額110万円の範囲内の贈与を数年にわたって繰り返すことが広く行われています。

贈与税の基礎控除額の範囲内で行う生前贈与は、贈与税を負担することなく贈与ができる点で有効ですが、多額の贈与をするときは長期にわたることに留意しなければなりません。生前対策が何年前から必要かという問いに対しては、「贈与したい額を贈与したい人数と110万円で割った年数」が答えとなります。

ただし、基礎控除額の範囲内での生前贈与でも、相続前3年以内の贈与分は相続税の課税対象に加算されます。人はいつ亡くなるか予想できないので、生前贈与はできるだけ早く始めて、できるだけ早く終えておくことが理想といえるでしょう。

贈与契約を結ぶ時の注意点

生前贈与をするとき、贈与の事実を明らかにするために贈与契約を結びます。そこで注意すべき点は、契約を1回で済ませるのではなく、毎年の贈与のつど契約を結ぶことです。例として、1,100万円の現金を毎年110万円ずつ10年にわたって贈与する場合について説明します。

「毎年110万円を10年にわたって贈与する」ことを1回の契約で定めると、最初の年に1,100万円を贈与したとみなされて、1,100万円から基礎控除額110万円を引いた990万円に贈与税が課税される可能性があります。

贈与税の課税を避けるためには、「110万円を贈与する」という契約を10年にわたって毎年結ぶことが重要です。実務では110万円を少しオーバーする額を贈与し、贈与を受けた人が毎年少額の贈与税を申告することで、毎年契約している事実を明らかにする方法もとられています。

(注意)実際の贈与にあたっての税制上の詳細な取り扱いは、必ず相続税に詳しい税理士に相談してください。

正しい知識と情報をもとに判断を

家族のために相続対策を考えること自体は良いことです。しかし、時期や方法を間違えると、対策が無になるどころか、かえって負担が大きくなることもあります。

相続の生前対策は少しでも早く始めることが大切です。対策にあたっては、正しい知識と情報をもとに判断し、場合によっては税理士やFP(ファイナンシャル・プランナー)などの専門家に相談することをおすすめします。

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

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