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未来の自動運転やAIの研究活動など、そしてコンプライアンスの研究に従事する、虎ノ門の弁護士先生にインタビュー。のアイキャッチ

未来の自動運転やAIの研究活動など、そしてコンプライアンスの研究に従事する、虎ノ門の弁護士先生にインタビュー。

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2017年12月21日 公開
未来の自動運転やAIの研究活動など、そしてコンプライアンスの研究に従事する、虎ノ門の弁護士先生にインタビュー。のアイキャッチ

自動運転技術の発展や、様々な分野でAIが導入することによって、近い未来私たちの生活はどう変わっていくのでしょうか?
先の未来を見据えて、弁護士のあり方や、自らの関わる領域を広げるために、業界団体での活動や、教育分野にも携わる弁護士が法律事務所愛宕山の吉田直可弁護士先生だ。

吉田先生は、日本の電機産業の業界団体において、自動運転やAIの今後の未来のために、法律の研究や技術者との協働など、多方面での研究にも従事している。
これからの吉田先生の弁護士としての働き方を中心に、今後の自動運転技術やAI、来るべきAI時代を見据えたソーシャルキャピタルという考えについて、インタビューをした。

法律事務所愛宕山 吉田直可 弁護士
法律事務所愛宕山 吉田直可 弁護士

 

■法律事務所愛宕山に関して

---まず法律事務所愛宕山について、事務所の特色や強みを教えてください。

うちの事務所は大きな会社の案件も扱っています。また、一般の事務所で扱わないような、独禁法の案件等でご相談頂くこともあります。
ただし、企業のお客さまだけではなく、個人のお客さまが抱える家事事件、交通事故などの様々な事件を扱っていることが一つの特色です。
専門分野と呼ばれている部分だけではなく、依頼者個人の悩みの解決ということも重点を置いている分野です。
その中で、我々としては「諦めが悪い」というのが一つの強みだと思っています。
例えば、会社の案件であれば、Aという相談が来て、Aができるかどうかっていうことで相談に来られるわけですが、Aができる、できないだけではなく、Aが駄目だったらBと、もしくはAよりも事務作業が減るようなBがあればBを提案するということを心掛けています。

そのような諦めの悪さやより良い解決方法を一緒に考えていきましょうというスタンスを維持していることが一つの強みだと思っています。
もちろん訴訟という面についても、諦めが悪く、依頼者が気付かないような点を考え、駄目だと思うような案件であっても粘り強くやっていこうという姿勢が、当事務所の強みだと思っています。

---結構その粘り強くっていうところって、なかなか難しいところですよね。Aが駄目だったからB案、Bが駄目だったからC案っていうところで、コンスタントに提案していくっていうのは結構大変だなと思うんですけど。

そういう意味では、お客さんとのコミュニケーションを緊密に取ったうえでの提案ということを重視しています。
普段からお客さんと緊密にお付き合いをしていくこと、特に会社ならお客さまの事業の収益スキームとか、サービス内容というものを一緒に共有しながら、新しい案件について一緒に考えていくということが大事なことであると考え、日々お付き合いをしています。

---ではお客さんは長期的にお付き合いしているのが多いのですね。

長期に渡ってお付き合いをして頂いている方が多いです。
法律事務所というのは、何か起こったときにご相談頂くというのが通常の考え方だと思いますが、それだけでなく、事業経営について一緒に考えていける存在とになりたいと思っています。
お付き合いを深め、それに伴って、各顧問企業様毎に、特色や強みというものが出てくるのではないかと考えています。

---現在、事案の構成比率は企業と個人だとどれぐらいですか?

企業さんのお客さまの割合が4割強ぐらいです。
交通事故とか、離婚とか、突発的な訴訟を含めて、個人のお客さまの割合が4割ぐらいです。
あとは裁判所からの依頼案件、暴力団対策とか、そういった弁護団的な案件などが2割弱ぐらいです。
そのようなイメージをして頂ければいいのかなと思います。

---どのようなご相談が多いのですか?

やはり一番多いのは、事件になりやすい性質のもので、交通事故、離婚、遺産分割などが数としては比較的多いです。
特徴的なものだと、学校事故とか、労働事件なども扱っています。
特に労働事件については労使関係なく扱ったりします。

---今度は吉田先生が独立した経緯について教えてください。

独立した経緯は、特色あるお客さんが当時からいらっしゃって、そのお客さまに係る案件数が次第に増えてきたことにより、当時いた事務所の仕事と両立しなくなったというのが一つの理由です。

---やはり、独立してからは変わりましたか?

良い悪いはないですが、とりあえず自分がやりたいことをできるようになったこと、お客さんのことを考える時間が長くなったことなどは良い変化でした。
また、大学院の教員を務めており、教育についても関与したいと考えていたところ、ちょうど自分の教え子が弁護士になるというタイミングで、うちの事務所に来たいというので弁護士として雇うことができました。

そういう意味では、独立することにより、教えていた子が弁護士になってからも面倒を見られるようになり、成長を見守れているというのは良かったと思っています。
基本的に独立するタイミングで思っていたのは、教育というものも常々興味を持っていたので、そういった活動も広げていきたいなと想いがありました。
当時は弁護士の数が増えて、なかなか就職が難しいという時期でしたが、後進の指導や、同じような勉強をしてきたけども落ちてしまった子の面倒を見たいなと思っていましたのでお互いに幸運なことと考えています。
当所の事務員は、教え子やゼミの後輩が多く、うちで勉強をして、また試験勉強を続けたり、企業の法務部の活動に興味を持ち、企業の法務部に入った子もいて、そういう指導ができたことも良かったなと思っています。

法律事務所愛宕山 吉田直可 弁護士
法律事務所愛宕山 吉田直可 弁護士

 

■吉田直可弁護士について

---吉田先生が、弁護士を目指した理由、キッカケは何だったのですか?

弁護士を志望した理由というと少し異なるのですが、自分があまり良くなかった時期に、将来どのような仕事をしたいのかなとか、どんなことを思って生きていこうかなと考えたことがありました。
その時に、やはり人の役に立つことで、自分の存在価値というか、そういったものを確立したいなと思いました。

生まれてからどこかで死ぬということで、なんのために生きているんだっていうことを考えた時に、一つ見いだしたのは、やっぱり人のために生きていって、最期に良い人生だったなと思えたらいいなということでした。
そのためにどういうお仕事をしようかなということを考えた際、人様のお役に立てる仕事に就きたい、弁護士か医者になりたいと思ったのです。
仕事をやる以上お金をもらうわけですけども、ある意味、人の人生に入り込んでいって、その上で対価をもらいつつ、感謝される仕事をしたいという想いがあり、弁護士という仕事を選んだということです。

---その中で、先生の苦労話などあったりしますか?

弁護士をして一つ一つの事柄に苦労しないっていうことが、逆に言うとないと思っています。
どの案件も、正直言って1万円の案件であろうと、100万円の案件であろうと、やることは変わらないんですよ。

我々の報酬体系は、例外的にタイムチャージという時間制の場合もありますが、経済的利益というのを一つの基準にしてやっているというだけで、1万円の案件でも、100万円の案件でも、1億円の案件でもほぼやることは変わらないんです。

そういった中で、1万円の案件にどれだけ労力を使えるかというのは一番の苦労するところですけども、そこについては自分の中ではあんまり考えないようにやっていこうということが、ある意味大変かもしれないです。
ただ、1万円の事件であろうと、100万円の事件であろうと、1億円の事件であろうと困っている人がいることには変わりはないので、できる限り自分の正義に合った仕事をやり続けたいなと、そういう姿勢を保つことが一番大変かもしれません。

---金額によって、同じ事ですけど違いますもんね。

暴力団とか詐欺の案件をやっていると、正直大変なことも多いわけですが、そういった被害に遭っている人は一番救ってあげないといけない存在で、そういう事件にも労力を使いたいっていうふうには思っています。

---話は変わりますが、趣味、休日の過ごし方は何ですか?

趣味というほどではないんですけど、ゴルフは多少やっています。
ゴルフをやっている中で、人とコミュニケーションを取りやすくなったりもするので、意識してやっているところもあります。
また、いろんな所に顔を出して、色々な人と出会ったり、色々なものをなるべく見て、経験してみようと思っています。
趣味的にやっているお仕事というのが、たぶんタイトルになっている自動運転というものであったりするのですが、そういったものに時間を費やしているっていうのも一つの趣味といえるかもしれません。

法律事務所愛宕山 吉田直可 弁護士

 

■お仕事に関して

---お仕事の中で吉田先生が一番大切にしていること、気を付けていることは何ですか?

どんな案件でもそうですが、企業であれば、ご相談頂いている中で、自分が何かを発見をしたいというのがあります。

お客さんから「これこれこうで」という相談が来るわけですけども、当事者が気付いていないことっていうのがかなり多いので、そういったものをちゃんと聞き出して、こちらから提案できるようにしたいと考えています。
個人のお客さんであれば、悩みがあって来ている人が多いわけですが、我々に事件として頼んでくれた人には、頼んだことで、その悩みっていうのを相談した結果置いてきたみたいな、そのような感覚になってもうことには気を付けて対応をしています。

インハウスの弁護士さんがいらっしゃる会社さんからも相談を受けたりもしますが、そのような先生方と、われわれのような普通の事件を扱っている弁護士で観点が違うこともあるので、「こういったこともあるのね」という発見が一つでもあれば嬉しいなと思い案件を扱っていますね。

---発見をする、一つ知識を増やすっていいですね。その中で他の弁護士に負けないところ、差別化できるポイントって何かありますか?

他の弁護士の先生がどういう活動をされているかというのは正直見えないところなので、それはそれぞれの弁護士さんがいらっしゃるんだと思います。
当事務所は先ほどお伝えしたように、「諦めが悪い」ということに関し、他の弁護士の先生には負けないように意識しているところです。

あとは企業さんとお話をするときには、その事件単位ではなくて、企業さんが求めているやりたいこと、事業であったりっていうものに、どうやったらわれわれがお力添えができるのかということ、会社の目的である収益であったり、会社の存続に対して、我々が関与できることはないかと気を遣って一つ一つ案件を見ています。

---次に、自動運転とかAIについてですが、今先生が参加されているJEITAではどのような活動をしていらっしゃるのですか?

現在、自動運転車、自動運転車にまつわるインフラを研究している中で、どういった法的な問題があったりとか、リスクがあったりとか、そういうものに対してどのような手当てをしていくのかということを検討しています。
抽象的になってしまいますが、検討するポイントを考える上でどのような点が弁護士として気になるか、法的に問題となりうる課題などを共有させて頂いています。
また、事故が起こったとき、どのような点を法律家が見ているのか、車内・車外を含めてどのような形で証拠を残していくのか、その残った証拠をどう保全していくのかということについて、一緒に検討する活動をしています。

---このJEITAという団体、どのような団体になるんですか?

日本の電機部品とか、電機産業に関わっている会社さんが加盟している業界団体になります。

もう2~3年一緒にやっているという感じです。
日本の電機産業全ての部分について関与している団体さんですので、医療機器であるとか、エネルギーに係る基準化を図っている団体さんです。

---未来の自動運転とかAIというのは、近い将来すぐ発展していくとは思いますが、法的な整備という視点で考えるとどうですか?

法的整備っていうのはまだまだ進んでいないと思います。
どういうものをAIと認識をして、どういうかたちでリリースをするのか、それに対して、どのような規制をかけるか、安全審査をどのような形で行うのか、もしくは問題が起きたときにどのような法的解決を図っていくかという点に関し、検討を進めているという感じだと思います。

現在は、そのための基礎研究をやっているような段階だというように理解しています。
技術も法的な考え方についても、現在進行中で検討されている最中です。
誤解を恐れずに言えば、自動運転というのは、完全に事故が起こる車ではないっていうことです。

皆さんにご理解頂きたいのは、自動運転車になれば事故は減ります。
それはヒューマンエラーが減るからですが、事故はなくならない。
それに対して、我々はどういうような解決方法を提示できるか、どのような事前準備ができるかということをこれから考えていかなきゃいけないと考えています。

逆に言うと、事故が起きるものを作ります。
それも人が介在しない形で事故が起こる可能性があるものを作るということに対し、社会がどれだけ受容するかということも考えていかなきゃいけない時代に入っているっていうことだと思います。
例えば自動車でいえば、自動車は社会的に大変有用なものなので走っていいよと言われているわけですが、人力の車よりも高速で走るわけですから、当然事故が起き、人力の車に比較して事故が起きた際は大きな事故になるわけです。

そのようなリスクを抱えながらも、社会的に有用である為に実用化することを許されるという意味で、「許された危険」と法律家は言っているわけです。
自動運転車についても、そういう意味で社会が許容できるリスクはどこまでなのか、許容できない範囲というのはどこまでなのかということを、今は探っているところだと私は理解しています。

法律事務所愛宕山 吉田直可 弁護士

例えば、自動運転車が走っており、人をはねますと、ただ、どんな場合にでもはねるわけではないです。自動運転車は、人が飛び出してきた場合は仕方がないでしょうと考え、走ってもいいですよということになれば、許容された部分が「許された危険」の範囲だと思います。
ただし、これ以降の危険性の有している車は、欠陥ですよという考え方もあり得るだろうと考えています。
例えば、真っ直ぐの見通しのよい道で、人が横断しようとしているのに、これを認識しないで轢いてしまう車は許されるものではないので、こういうものを作ると欠陥です。人が飛び出してきた場合は欠陥とは評価をしませんよということです。
この許容される部分っていうのがどこまでなのかということを今後、社会的に探っていかなきゃいけないし、社会的にこれを受容するためにどういう法的整備が必要か検討する必要があるでしょう。

また、社会として、自動運転車を受け入れるマインドを作ることが、今後の課題だと思っています。

例えばですが、鉄道であれば軌道車なので、軌道上に人が入り込んで轢かれたとしても鉄道会社は責任を負わないわけです。
しかしながら、自動車では、道路上で人が歩いていて、それを認識して轢いた場合には許されないわけです。
逆に、自動運転車を円滑に走らせるためには、道路が、鉄道と同様に軌道化していくということがポイントになるかもしれません。

---道路の軌道化とは何ですか?

つまり、赤信号では渡ってはいけない、車道を歩いてはいけない、道路交通法の違反を今だとある程度社会が許容しているわけですが、自動運転車が走行する場合は許容されない行為だというふう形で社会的なコンセンサスを作って行くことが必要になるかもしれません。
そういうコンセンサスがあれば、自動運転車は走りやすくなるわけですから、社会的なコンセンサスを取っていかなきゃいけないという、こういったことも我々は考えていきたいと思っています。

---そのリスクっていうのはゼロにはならないと、事故を減らすという考えですよね。

事故も減る、もしくは地方で運転者が少ない所にバスを走らせる、そういった社会的な有用性があるからこそ、多少の事故の発生と社会的な有用性には等価性があると考えるということです。
ですから、この点については社会的な有用性があると、この有用性とリスクがニアリーイコールになるから許容しましょうという考え方です。
そうでなければ、車は本来走ってはいけないと評価される可能性があるもの、つまり人が死ぬかもしれないリスクを孕んでいるものなので、走っちゃいけないっていうことになる可能性があるわけです。

今後はそういう許容性を法的にというのか、社会的にというのかは別として、一緒に考えていく活動を市民の人とやっていきましょうということが様々なところで検討されているのです。
なお、自動運転車が、どこで走れるかとか、誰が所有できる条件などを限定するのであれば、近い未来、自動運転車が走っている姿を見られると思います。

あとAIについてですが、AIと一言で言っている部分についても、いろんな機能があるわけです。

一般的では、その中で機械学習とかディープラーニングで色んなデータをコンピューターが解析をし、機能を拡充していくとか、進歩させていくということをAIだというようにおそらく認識されているんだと思います。
AIについての法整備というものも、これからやるべき話になります。
自動運転車も、AIが搭載されていという認識をして頂いて構わないと思いますが、今後、医療業界とかどんどん普及していくと思いますが、まだまだこれから法整備などを考えていく段階にあると考えています。

例えば、医療であれば、AIが診断をすることについて、お医者さんを補助するものなのか、AIが診断を下すことを許容するかという考え方も色々分かれていています。
現時点では、お医者さんを補助する道具という位置づけで考えていて、最終決断はお医者さんが診断するということを前提に活用するという方向になっています。

ただし、それもどんなものでもいいというわけではなくて、医療機器っていうのは審査をして認可が下りないといけないので、その審査方法が検討されているという段階です。
ただ難しい部分のもあり、自動運転車の安全審査も今後課題になると思いますが、AIが、ディープラーニングや機械学習をして機能が進んでいくものについて、ある時点で審査をし、その段階で機能について安全審査したとしても、審査後も成長していくわけです。
機械学習やディープラーニングを通じて、様々なデータを機能の中に取り入れ、変容するわけですから。

じゃあ、審査時点で安全だからといって、将来はより安全になるとは限らないという問題が出てくるわけです。
例として、学習データに悪意のあるデータであったりとか、問題があるデータが含まれると、必ずしも成長というものが改良になるとは限りません。そのため、継続審査をどうするかという問題も今後は出てくるわけです。

法律事務所愛宕山 吉田直可 弁護士

かといって、審査段階の機能しか使えませんという形にしてしまうと、AIとしての特徴が一部制限されるということになります。
おそらく車や医療という分野が、一番初めにAIを法的枠組みの中に入れていこうという話になると思いますが、非常に難しい問題が残っていく、もしくは継続して考えていく課題になると思います。

もしくは、AIの診断に従って医療事故が起こった際、「なんでこの判断を下したんですか?」という部分に関し、今のところブラックボックスになっており、検証ができないわけです。
検証ができないということは、改善方法すら分からない事態も発生する可能性もあります。
そのため、医療に関しては、人を補助するものという位置づけが検討されていますが、そのような考え方が本当に適切かどうかという点も、技術の進歩に従って変わる可能性があるかもしれません。

なぜなら、かなり精度の高いAI、医療だったら医療機器ができた場合、お医者さんが「『この病気である可能性が90パーセントです』とAIが言いました」と言って、そのAIは99パーセントの確率で誤診はしませんが決めるのはお医者さんですといわれた場合、お医者さんが、「いや、これは違うんだ。この病気ではないはずだ」という診断を下し、それが誤診だったとき、お医者さんがAIの判断に従わなかった理由っていうのを反証できるかというも問題があります。

逆に言うと、お医者さんとして、医療とかAIの水準論みたいな話が今度は出てくると思いますが、従わなかったら過誤になるのではないか、自分が下した診断に問題がある可能性が高いといわれる可能性がある。
そういうことを考えると、お医者さんは、AIと異なる判断が下せるのか、下す場合には何を考え、証拠として何を残しておくべきなのかということが、実際そうなってみないと分からないということがあります。

これらの問題は、今後検討するべき問題だと考えています。
一般人が使う時代にはまだ来ていないので、それほど問題となっていませんが、AIが自律的に意思決定をしていくっていうことが是だとするのであれば、人間の意思決定をベースに今の民法っていうのは規定されていることから、そのままのルールで維持できるかというと疑問です。

そうすると、AIを使いますという意思決定をし、あとはAIが勝手に意思決定をしていきますということになると、じゃあAIが騙されるとか、AIに対して悪意ある情報を加えられてその情報に基づいて判断をした際にどうするのか。
今だと詐欺という問題があるわけですけども、それは人が騙されて意思決定をしていて、騙した人との契約は解除しますとか、取り消しますっていう話になるわけですが、じゃあAIが騙されるという事象は何だという問題が出てきます。

---確かに(笑)。

そういう話が出てくるかもしれないですし、そうなると意思決定というものに関し、何を要素に、どういう枠組みで処理をしていくのかということについて、もしかしたらゴロっと変える必要があるかもしれないわけです。
変えるというよりも、付け加えていかなきゃいけないかもしれない場合もあるかもしれません。

そういったことを色々と考えていきたいなというように考え、このような研究を一緒にやっていきたいと考えています。
法律的な思考方法などをどうやったら技術とか営業とか、そういったものにフィードバックできるのかということを全般的にやっていきたいと思って様々な活動に参加をしています。

---これからの技術の発展に期待ですね。今後はどのような流れになっていくと先生は予想しますか?

今までの裁判は、当事者しか体験していない事象について、権威を持っている第三者にジャッジしてもらおうというのがポイントにあったわけです。
そういう意味では、当事者双方の言い分を聞く訳ですが、裁判所という場で、一種のフィクションな状態を裁くという状態だったわけです。

今後、もしエビデンスが全部残っていく時代になったときには、本当にそういう制度だけでいいのかっていうことは、考えてもいい課題の一つになるのではないかと考えています。
エビデンスが全部残っていた場合、ある程度の基準があるものについては、そのジャッジもある程度、数値化したりとか、金額化したりということをすることに関し、裁判所以外で紛争を解決したほうが迅速な解決ができるかもしれないわけです。
自動運転でいえば、そういうエビデンスが、電子データで残っていくことになるわけです。

すなわち、裁判所以外で、データの解析能力がある人がいて、我々みたいに裁判官ではないですけれども、一定の法的知識があるという人たちの集団があって、その人たちが一緒に仲裁廷を構成することで、裁判よりもスピーディーに事象を解決していくということが可能になるのではないかというのは考えているところです。
それをやることによって、大量に発生する事象に対して、スピーディーに、かつ、安価に納得感のある解決策を追求していきたいと、それは一つの考えとして研究テーマの一つです。

逆に言うと、裁判所というのはある意味で格式の高い所なので、電子データの解析であるとかについては、専門家はおらず、苦手としている分野である部分もあります。
もし、残っているデータをもとに、専門家が一緒に判断できるような所があれば、そちらのほうで解決するほうが、安価で有効な解決策が構築できるのではないかと考えているところです。

法律事務所愛宕山 吉田直可 弁護士

---ありがとうございます。あと吉田先生は講師としてセミナーを開催している活動に関しても教えてください。

僕が授業で教えている内容として、「ソーシャルキャピタル」というテーマがあります。
要は人の能力、人の持っているスキルを「ヒューマンキャピタル」と言う概念があります。
厳密にその反対語ではないのですが、それと違う観点で「ソーシャルキャピタル」という概念があります。

---その「ソーシャル・キャピタル」とはそのような概念ですか?

個々人の能力だけではなくて、個々人を繋げて関係性を考え、その関係性に財たる価値があるのではないかということが「ソーシャルキャピタル」と言う考え方になります。

企業のコンプライアンスとかを考える際、悪い事象が発生した際、個人が悪いことをしたという話になるわけです。
しかしながら、それを研修で何とかしたいという場合、大概「何で悪いことをすると悪いのか」、「これをやるとこういう問題点があるから、やっちゃいけません」という話をするわけですよね。
ただ、やっちゃいけませんっていうことは、みんな分かっていてやっているわけですから(笑)、本当に研修としての価値があるのかということは常々僕は疑問に思っています。
むしろ、「ソーシャルキャピタル」というものを従業員に考えさせていくことや、学生に考えさせていくことが、企業や社会としてコンプライアンスを考える上で非常に有用なのではないかっていうことを一つの研究テーマにしているわけです。

アメリカの学者さんであるロバート・D・パットナムさんという方が、「ボーリングを誰としますか?」という話で、「ソーシャルキャピタル」を研究しています。

この本では、ボーリング総人口というのは10パーセント増えたけれども、仲間内でボーリングをする人は40パーセント減少したっていうことを一つのトピックにして、いろんな研究をされているのです。
「ソーシャルキャピタル」は、どういう概念かというと、個々人がいて、この個々人は能力を持っているわけですよね。

個々人が異なる能力を持っているということは当然で、こういうものを会社として活用していきましょうということが今までの考え方だったわけです。
ただし、個々人を繋ぐもの、ここにも価値があるのではないかと、要は人と人との繋がりでお仕事をしましょうという話がよく言われると思いますが、こういう繋がりを持てる人、持てない人がいて、人間関係の構築がどのような価値を有するのかということを考えるのが「ソーシャルキャピタル」の考えなんです。
具体的には、「信頼」「規範」「ネットワーク」という三つのテーマを持った人の繋がりが、社会的にも価値がある、資本としての意味があるという考え方が「ソーシャルキャピタル」なんです。

例えば、良いソーシャルキャピタルの例で、映画版のドラえもんでは、ドラえもんが中心にいて、のび太くん、しずかちゃん、ジャイアンとスネ夫がいつも通りいるわけです。
それと、通常のテレビ版ではいない登場人物が登場するわけですが、映画版ドラえもんの場合、皆が一つの目標に向かっていい関係を保って行動をすることで、目標を達成するという結論に至るわけです。
この登場人物の間にある関係性っていうのが「ソーシャルキャピタル」として価値を持っているんです。

一方で、悪いソーシャルキャピタルというのは、人を引きずり降ろそうとか、信頼関係がなくて規範も確立していないような状態です。
ドラえもんでいえば、テレビの場合、ジャイアンがいて登場人物は変わらないんですけど、ジャイアンを中心のパワーバランスが構築されており、ジャイアンが好き勝手をするっていう関係性ができていて、最後はのび太くんがやられるっていうのがお決まりのパターンです。

このような関係性は、悪い「ソーシャルキャピタル」の例だといえます。

では、ソーシャルキャピタルを良くする要素とは、どのようなものかということを考察するヒントが、「信頼」「規範」「ネットワーク」になるんです。
いい規範の要素としては、規範には色々あるわけですが、その中でも相互の信頼がある規範、お互い様だよねということで繋がり合っている関係性が「ソーシャルキャピタル」として価値があるということになります。

何かあったらこの人に気軽に言ってみようか、言われたほうもお金を下さいじゃなくて、お互い様だよと言えるような関係性、それが人間関係として非常に有効だし、社会人としても非常に価値があるわけです。
社会としてみても、そのような相互の信頼関係を根底にした社会が経済的にも一番価値があるということがわかっています。

すなわち、近所全体とか、国全体がお互い様の信頼関係を持っていて、何か合ったらみんなで助け合いましょうという、そういった規範がある方がいいよねと、そういったことをアメリカではちゃんと研究しているわけですよ。
MITでは、どのような研究者が一番能力を発揮するかという研究もしているんです。
もちろんMITに集まるような人だから個々の能力は高いわけですが、その中でもスター研究者っていう人がいて、この人たちと一般的な研究者とは何が違うのかということを研究したというのが、ベルスター研究といわれる研究です。
この人たちは自分の研究をする前に何をしていたのかということを研究したところ、自分たちの持っているネットワーク、人的な関係があるネットワークで、かつ、それは自分たちと同業の研究者だけではなく、いろんな繋がり、それはリーガルであったり、他の業界の方であったり、いろんな多様性のあるネットワークを持っていたということがわかってきたのです。

その人達の有している人間関係は、一方的に話すような関係ではなく、双方向の会話ができる緩やかな関係性を持っていて、それを自分の研究に利用していたという結果が出ているわけです。
なぜそのような人間関係が有効かというと、自分が研究した時におかしいなとか、何でうまくいかないんだろうとか、例えば自分の研究がどう社会に役に立つのだろうかとか、そういったことに対するヒントを自分の有している人的なネットワークから入手し、それを自分の中で再構築をすることで、自分の研究を進める糧にしていたということです。
そのような活動を経ることで、無駄な悩みが減ったとか、自分の研究に社会的な価値を持たすことができたりということが効率的に考えられ、普通の研究者よりもスター研究者のほうが成果を出せると言うことが解ってきています。

それだけではなくて、アメリカでは、どういったコミニュケーション方法や仕方をとっている人が有効かということを研究した人もいます。

---コミュニケーションの方法や仕方もですか?(笑)。

対話とか身振り手振りとか、どのようなコミュニケーションが経済的な意味を持つのかということを研究した人もいるわけです(笑)。
手のひら大の機械を体に付けてもらい、どのような交流を図っている人が集団的なパフォーマンスが高いかということを研究した結果、相互に交流が多くあり、参加者が自由に平等に発言できるようなコミュニケーションを行うことで、多様なアイデアが出ている集団というのがパフォーマンスが非常に高いという結果が出ています。
また、孤独な関係性よりも、社会的な繋がりがいっぱいあったほうが成果も上がるし、健康も良くなるという研究がなされています。

法律事務所愛宕山 吉田直可 弁護士

---個々人のつながりによってパフォーマンスの向上が図れれば、企業にとっては生産性があがり、業績のアップが期待できますね!

アメリカでは、そういう研究がされているわけです。
逆に言うと、そういう関係性を保つためには、社会的な規範がないといけないわけです。いつ裏切られるか分からないっていう状態だと、そのような交流はできないわけです。
交流の仕方をチューニングしてあげることで業績が上がるという研究もされています。

ネットワークの構築というのは、従来型は管理職が従業員を管理しますが、水平型のネットワークっていうのは管理職も従業員もお互いに平等的な関係を持って管理するという方法もあります。
どちらのネットワークのほうがいいかということを研究をすると、水平型のネットワークのほうが先ほどの経済的に有効な関係性は保ちやすいといえます。

まとめると、どのような関係性が、「ソーシャルキャピタル」として有用に働くかというと、水平的で、かつ個々の関係性に係る強度が弱くて、同質な人同士ではなく異質な人が繋がって外部との交流をしており、フォーマルな関係性だけじゃなくてインフォーマルな関係を構築しているというブリッチング型のコミュニケーションを図っている集団や人が一番「ソーシャルキャピタル」として価値が高いといわれています。

この一つ一つの要素には理由があるのですが、性質として弱い繋がりをいっぱい持っていれば、何か起こったときに「そうだ、あの人に聞いてみよう」みたいな話になるわけです。一方で、同じ業界同士で繋がっていても意味がないので、色んな人と繋がり、その人たちがフランクに交流を図れるようにしておかないといけないわけです。

だからブリッチング型のネットワークを構築するために、いろんな所に顔を出したり、いろんな趣味を持っている人と交流をしたほうが「ソーシャルキャピタル」の構築として意味があり、アメリカではそういう研究をどんどんしているわけです。
これをコンプライアンスに生かしていくということが、私はいいのではないかと思っています。

つまり、企業で不祥事が起こった際、みんな「コンプライアンスを大事にしよう」とか「悪いことしちゃいけないよ」とか言うわけですけど、それは当然です。
それは当然だし、それをやるために決裁システムとか、いろんな形式を整えるわけです。

しかしながら、それだけで本当に重大なインシデントが防止できるのですかという話です。
個々人が良いソーシャルキャピタルを作ることによって、業績が上がるんだよとか、自分の人生が豊かになるんだよっていうことを知ってもらったうえで、良いソーシャルキャピタルを育てるために自分はどういう人生を生きたほうがいいのかということを皆に考えてもらったほうが、内なる規範が発生し、いいネットワークが構築されるわけです。

例えば、「悪いことをすると思われる会社、悪いことをすると思われる人に対して仕事を頼みますか?」とか、「フランクに受注をしてくれとかっていうことを言いますか?」と、そういうことを個々人に考えてもらうんです。
じゃあ、今来る受注に対して、何か不正を働くことによって受注できたとしましょう。
不公正さや不正が重なっていく人に、いい話っていうのがどんどん入って来ますかと、その時はいいかもしれないけど「あいつの業績はいいかもしれないけれども、実際はそういうやつだから信頼はできないよね」となったとき、それが継続するかっていうことを考えてもらいたいし、それが果たして、いい人生なのかということも考えてみたいですね。
管理のシステムを考えて行く際にも、「ソーシャルキャピタル」に係るネットワークを考察にいれて検討していくということが必要だと思います。

例えば、管理職不正とか、社長の不正とか、従業員の不正とか、いろんな不正があるわけです。
しかしながら、従業員の不正というのは確かに数は多いのですが、被害金額は小さいんです。

なぜかと言うと、従業員の不正というのは権限が少ないから被害金額も少ないんです。
一方で、管理職とか社長の不正というのは、人が少ないから件数は少ないのですが、被害金額は大きいんです。

---その違いがあるんですね。

そう考えた際、管理職が管理をすればコンプライアンスとしていいのか、管理職に権限を集中させればいいのかというと、そうでもないのです。
管理職も従業員も相互に意見具申ができる環境があって、かつそれが内在的な信頼関係から発生しているということになったほうが会社としては絶対にいいはずです。
企業としても、「ソーシャルキャピタル」ということを一つの規範というか、価値として捉え、従業員を教育したりとか、組織を考えるということも一つのコンプライアンスとしていいのではないかと僕は思っています。

それが業績に繋がったり、社内の雰囲気の融和に繋がったり、相互の人生についていろいろいい結果をもたらしたりとか、社会の活動に関与していこうじゃないかとか、いろんな作用をしてくれるのが僕は一番いいのではないかと思って授業をやっているわけです。
そういうのも我々ならできるのではないかと思っていて、弁護士っていうのはある意味自由な立場なので、弁護士の研修を受けることで業績も上がるし、社内融和も図れるようになったら一番いいなと考えています。

---この先生が行っている授業は大学でやってらっしゃるのですか?

大学です。
医療学会っていう所でも、「ソーシャルキャピタル」に関する講演をしたりしています。
「ソーシャルキャピタル」は、社会学から発生した概念ですので、近所付き合いとか、社会の犯罪率とかを研究対象としていたわけですが、どんどん個に落とし込んでいったりとか、組織に落とし込んでいったりとか、会社に落とし込んでいったりすれば、いろんなところに応用ができるところは持っていると考えています。
だから、「神戸製鋼の問題が発生する理由は何ですか?」と言われたら、収益の追求や受注の増加ということだと思うんですけども、逆に言えば発覚した際、その収益以上のものが奪われるわけです。

それを弁護士っていうのは、従前、抽象的に「レピュテーション」のリスクが発生しましたとか言うわけです。
じゃあ、「レピュテーション」は何だっていうと、単純に訳すと「評判」という意味なんです。
単純に「評判」が落ちましたって言われたら、それはそうだろって思うわけです。

逆に言うと、「評判」の中身って何なんだっていうのを精査すると、会社とコンシューマーの関係性であったり、会社と会社同士の関係性や規範だったり、ネットワークだったりするものが毀損されるっていうことが「レピュテーション」という一つの言葉で表されているのではないかと僕は思っています。
それが企業経営にとって非常に悪影響を及ぼしたり、いい影響を及ぼしたりするわけです。
「ソーシャルキャピタル」を軸に、コンプライアンスを啓蒙できたらいいなと考えています。

---企業向けセミナーでやれたら面白そうですけどね。

でも、なかなかこういう概念を企業のコンプライアンスに生かしていこうという考え方というのは、それほど大きくないというか、たぶんないので、僕が何かできればいいなと思っている分野の一つです。

---逆に、そこを弁護士の立場からお話をされたら結構いいんじゃないですか。

そう思って頂けると非常に嬉しくて、それは僕の今後の課題です。
お金がどうこうではなくて、人と人とが、どういう関係性を構築するというのが、さっき言ったAIとか自動運転とか、そういったものが付き進んで行ったあとの社会で一番価値があるものになるのではないかと思っているところでもあります。
色んな人と話す際、「AIの時代になったときに、AI教育が必要だ」という話になります。

では、「AIの時代になったときに、AI教育って何ですか?」って言われると答えが無い。
もちろんAIを使いこなす能力というのも一つですけど、それだけではなくて、AIができないことをする能力とは何ですかということだと思うのです。

例えば、人と人とを繋げて事業を起こしていく、この人とならこういう事業ができる、この人とだったらこういう商品ができる、その関係性を作れる能力であったり、人と協同して新しい価値を考えだせる能力であったりとか、そういうことを考えて行く教育をすることが一つコアになる可能性は十分あるし、それは上位レイヤーの仕事であっても、下位レイヤーの仕事であっても変わらないはずです。
例えば上位レイヤーの仕事で、ある案件があったら、A社とB社を繋いでマネージメントをしつつ、いい協業関係を作れる人であるとか、それはAIではできないわけです。

---それは確かに私もそのように思います。

数値上の問題として出てくるかもしれないけれども、実際の融和を図る能力というのは人でしかできないはずです。

一方で、下のレイヤーの仕事であれば、販売をする際、お客さまの思考というのはある程度AIで分析できるかもしれないです。しかし、その表れてきた思考に対して、実際問題いかに遡及をして、その思考どおりに購入してもらうかというのはお客さんとの関係性が重要になってくるのではないでしょうか。

そのような仕事は、AI時代であっても変わらないのではないかと思っているので、「ソーシャルキャピタル」に係る教育というのは、今後、非常に面白い分野ではないかと考えています。
それが、ひいてはコンプライアンスっていう我々の業界が考えているものにも繋がってくるし、社会全体にも良い波及効果をもたらすと考えています。

すなわち、社会の健全性、例えば「近所付き合いのある地域、近所付き合いがなかった地域、どっちが治安がいいですか?」という質問であれば、「近所付き合いがあったほうが治安はいいに決まっている」と言う人は多いと思いますけど、「何でいいんですか?」というのを考えることが出来たり、「どういう要素がある近所付き合いをしたほうがいいんですか?」と言われたときに考えられる人っていうのは、なかなかいないわけです。

それを、この「ソーシャルキャピタル」という一つのシンボリックな概念を使って啓蒙できれば、いろんな業界さんと、それは地方自治体かもしれないですけど、お話ができるのではないかと考えています。
家庭という小さな社会で考えても、「ソーシャルキャピタル」がある地域に住んでいる子、それがない地域に住んでいる子によって犯罪率が変わるとか、学習能力に差異が出るとか、そういう研究結果というのも出ています。

逆に言うと、そういう子を救うために、草の根的に何をするべきかっていうものを、「ソーシャルキャピタル」という概念で考えていくことがいいのではないかと考えています。
経済的な発展ということについても、「ソーシャルキャピタル」がある地域と、ない地域で差が生じると言われています。
シリコンバレーであったり、一方で、それより前に発展していたルート128という所の企業さんの成長過程で、なぜ差異が生まれたのかということを考えていく上で、経営者間における「ソーシャルキャピタル」の有無というのが一つポイントになっていると考えられています。

---「ソーシャルキャピタル」って、結構広く考えられるんですね。

ですから、「ソーシャルキャピタル」という概念を啓蒙できれば面白いなと思っています。
人の能力を上げるという必要性は、一般的にはあるわけですけど、人と人との繋がりに対する能力をどう育てるかっていうことも、一つの研究対象としては面白いかなと考えています。

弁護士という立場から、そういう考えを発信していくってなかなかないですよね。
「ソーシャルキャピタル」を企業経営に生かしてもらいたいっていうのは、一つ思いとしてあるのですが、なかなかそこまでまだいけていないので、将来的にできればいいなと常々思っているところです。

法律事務所愛宕山 吉田直可 弁護士

 

■最後に

---吉田先生は弁護士歴10年を振り返ってみて、弁護士業としての人生の10年はいかがでしたか?

振り返ってみると、自分のやりたい仕事というものはある程度、思っていたことはできたのかなというふうに感じています、
それはお客さんのおかげで、そういったことができたというふうには思っています。
ですから、非常にありがたい10年だったと思っています。

---今後のビジョンとか方向性って、どう考えていますか?

先ほどから話している法人さんとか、個人のお客さんへのスタンスであるとか、事件処理へのスタンスというのは大事にしていきたいです。
それだけではなく、自動運転であるとか、AIであるとか、そういった先進的な技術や商売に対して、基礎的な部分から一緒に考えていく活動を一つ核にしていきたいなと思っています。

また、弁護士業というものの可能性っていうものを試行錯誤しながら考えてみたいなと思っているところです。
例えばですが、弁護士業っていうと、やはり法的な紛争に関与しますというのと、リーガルサービスっていうのが一つの核になっています。

でも、それだけではなくて、我々が常日頃やっている業務というのは、紛争の解決であれば、全体として見れば法的な解決ですが、その一部分を見ると、交渉ということが一つの核になっているところになります。
そのため、一種のネゴシエイターみたいな、企業の代理人、交渉の代理人というポジションに立てるようなお仕事ができれば嬉しいなと考えています。
どうしても弁護士となると、法的な問題がなければ、お話ができないであるとか、相談できないと思われがちですが、今後の弁護士業の形としては、それだけでは物足りないと思っています。

我々が持っている交渉スキルということを一つ生かしてもらいたいなと考えています。

また、一個一個の事案というのは非常に大事なんですけれども、今やっているJEITAであるとか、自動運転に係る経産省さんの委託の一部をやらせて頂けていますが、そういうお仕事を通じて思うのは、我々も何か事象が発生した後の処理だけではなく、政策的なものに関与していけるようなポジションを確立していければいいなと考えています。

例えばアメリカであれば、政策的なものや政治に対して関与していく弁護士さんというのもいたり、ロビイストと呼ばれているような議会や政府関係で働きかけをするお仕事もあるわけです。
個々の事案を通じて、制度の不都合であるとか、最新の問題点に触れているわけですから、そのような一翼を我々が担えるんじゃないかと、そのようなお仕事を通じて何らかの大きな流れというものを作っていけるのではないかと考えています。

今の弁護士業というのは人数が増えたから「どうこうだ、こうだ」とおっしゃっている節もあるわけですけれども(笑)、そういう意味ではなくて、我々が持っている基礎的なスキルや知識を生かして、何らかの活動ができるのではないかと考えています。

---弁護士が関わる領域が増えることは頼もしいですね。
---最後に記事を見てくれた方、相談に来られる方に一言メッセージをお願いします。

正直、弁護士に頼みに来るとかっていう話ではなくて、自分の企業であったり、家庭の悩みを一緒に共有して考えること、自分が社会に生み出していきたいもことなど、そういったものを一緒に考えていきましょう。
そういうスタンスでお話ができればいいなと、そのぐらいの気軽な感覚で来てもらうのが一番いいと思っています。
まずはご連絡を頂戴し、相談にきてください。

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吉田 直可 (東京弁護士会所属 / 法律事務所愛宕山)

企業のお客さまだけではなく、個人のお客さまが抱える家事事件、交通事故などの様々な事件を扱っていること法律事務所です。 お客さまとのコミュニケーションを緊密に取り、より良い解決方法を一緒に考えていきましょうというスタンスを維持して、難しい案件でも粘り強く対応させていただく姿勢が強みであります。 企業のことから個人のお悩みまで、まずは相談にきて、共有させてください。 より良い解決の道筋をともに考えていきましょう。

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