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【弁護士監修】結婚したことを親族に周知出来ずに亡くなってしまった場合の相続トラブル

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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2016年10月04日 公開
結婚したことを親族に周知出来ずに亡くなってしまった場合の相続トラブルのアイキャッチ

「行ってきます」といつも通りに朝、家を出た奥様A子さんが突然の事故で亡くなったと警察から連絡を受けたご主人(相談者)からのご相談内容は、前妻との間に生まれた子供1人を連れ、A子さんと結婚をしたものの、多感な時期の子供とA子さんの相性があまり良くなかったことや、相談者もA子さんの親族との関係で悩んでいたこともあり離婚をしました。

離婚後もお互い相談相手として交流を続けていたこともあり、相談者の子供が成人した3年前に相談者とA子さんは再婚をしました(相談者の子供とA子さんは養子縁組の手続きはしていませんでした)。

一度離婚をしたこともあり、双方とも親族には再婚の事実は告げていないため、A子さんが亡くなられたことを、相談者は義姉に連絡をしました。

ところが義姉から「母は、A子が独身で仕事を頑張っているとしか聞いていないため、結婚していたことを知ったら気が狂ってしますので婚姻の事実は絶対内密にして下さい。それから、葬儀は親族で行います。あなたは姿は見せないで欲しい。」「遺留品の整理等も全てこちらで行うので、そのつもりでいて下さい。」と一方的に言われた相談者は、確かに義母の年齢を考えると自分が我慢すればいいことという気持ちと、葬儀の場でA子の親族から次々ときつい言葉を投げつけられるのは目に見えているので、自分が傷つかずに済むと思ったそうです。

義姉達が葬儀の手配を行った旨の連絡を受けた相談者は、A子の交友関係先・仕事関係者へ葬儀の日時・場所等の連絡を行ううちに、自分が葬儀に出席できないということは今後の法事にも出席できないこと、先々お墓を購入しようと話はしていたものの現時点ではA子の実家にお願いした場合、お墓参りをすることも出来ないのか等と疑問に感じ始めました。

義姉から、A子は義父の相続時に実家近辺の山林を所有していることや実家が管理している預貯金等が存在することを知りました。話の最後に、「A子は独身だったからね」と念を押され、相談者としては「貴方には相続する権利はないのよ」「相続放棄をしなさい」と命令された気分でした。

本当にこのまま義姉に言われるがまま、葬儀に参列せず2人で生活していた部屋から自分の荷物だけ整理して出て行くことで、全てが丸く収まるのでしょうか?実家が管理しているものまで欲しいとは思わないが、2人で築き上げた分だけは法定相続分を主張することは出来ないのか?

という相談内容でした。

法定相続人について

まず、遺言書がある場合は遺言のとおり相続され、今回の家族構成の場合、兄弟姉妹には遺留分はありません。

相続の割合・配分は?家系図イラスト(図解)で法定相続分・遺留分の割合がすぐわかる!

100人居たら100パターンの相続があると言われており、割合で表せない思いや家庭環境がそれぞれある場合があります。

今回は、夫...

次に、遺言がない場合は法律で定められた法定相続人が相続することになります。では、法定相続人はどのように定められているのでしょうか?

法定相続人のルール

  1. 配偶者は常に相続人です
  2. 第1順位の相続人は子供(既に死亡している場合は、その子供)です
  3. 第1順位の相続人がいない場合、直系尊属(父母・父母が死亡している場合は祖父母)が第2順位の相続人です
  4. 第2順位の相続人がいない場合は、兄弟姉妹が第3順位の相続人となります
  5. 法定相続人が一切いない場合の遺産は、法人とし(民法951条)、特別縁故者への相続財産分与など一定の手続きを経て国庫に帰属します(民法959条)

なお、法定相続人の相続分は以下のとおりです。

法定相続人の相続分

法定相続人及び法定相続分

順位 法定相続人 法定相続分
1 配偶者と子供 配偶者 1/2 子供 1/2
2 配偶者と親 配偶者 2/3 親 1/3
3 配偶者と兄弟姉妹 配偶者 3/4 兄弟姉妹 1/4

上記のルールに基づいて今回のケースを考えると、

  1. 相談者はA子さんの配偶者であるため、相談者は常に相続人となります
  2. 相談者とA子さん間には子供がいないため、第1順位の相続人が存在しないことになります
  3. A子さんのお父様は既にお亡くなりになっているので、第2順位の相続人はお母様だけとなります。

よって、法定相続人は配偶者である相談者と義母の2名となり、法定 相続分は相談者が2/3と義母が1/3となります。

また法定相続人間では、協議して各自の取得分を定めることも出来るため(遺産分割協議)、法定相続分とは異なる協議をすることもでき、相続分をゼロにすることも可能となりますが、今回のケースでは、義母や義姉がA子の婚姻の事実を知らなかったことを理由に義母に分からないように相談者を相続人から除くことは出来ず、相談者と義母間で協議するか、法定相続分で分割する方法しかないのです。

内縁など婚姻しないケースでは相続権が無い

戸籍にとらわれない婚姻の形が増えている今、入籍しないまま夫婦として生活を営んだり、高齢者の再婚の場合にはお互いの子供達への遠慮から籍を入れない内縁関係が増えていたりしますが、内縁関係のままでは相続権は発生しません。折角2人で築いた財産を相続するためには婚姻することが必須となります。

やむを得ない事情から婚姻する形をとれない場合は、相互に遺言書を作成することで対策できることもありますので、是非、専門家にご相談下さい。

「まだ若いから大丈夫」、「まだまだ先の話・・・」と考えがちですが、自らが事故を起こさなくても、不慮の事故が増えていることもありますので、保険と同様早めに対策を練ることをお勧めいたします。

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

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