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日米欧中で国際派弁護士として活躍する虎ノ門の原口薫弁護士に、国境を跨ぐ相続について聞いてみた。

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2018年03月01日 公開
日米欧中で国際派弁護士として活躍する虎ノ門の原口薫弁護士に、国境を跨ぐ相続について聞いてみた。のアイキャッチ

遺産相続は、国内に限らず、国外に居住している方にも起こりうることです。
近年、国際離婚が増えたこともあり、国を跨ぐ遺産相続の相談も増えている傾向にあります。

虎ノ門にある、原口総合法律事務所では国際関係に関わる事件や案件を多数扱っている法律事務所です。
所長の原口薫弁護士は、アメリカ、イギリス、中国、インドなど、海外のビジネス案件を中心に法的問題を多数解決している弁護士先生です。

個人からのご依頼も遺産相続、国際離婚などのご依頼も多数受けており、英語を流ちょうにはなすバイリンガルの弁護士先生で、アメリカ、イギリスにも留学のご経験もお持ちです。
今回は海外経験の豊富な原口先生に、弁護士として海外ビジネスに関わるお仕事のことや、国を跨ぐ遺産相続についての問題を中心に、お話をお伺いしてきました。

原口総合法律事務所 原口薫 弁護士
原口総合法律事務所 原口薫 弁護士

 

■原口総合法律事務所に関して

---原口総合法律事務所の特色、強みを教えてください。

所長の原口の長い海外経験と30年に亘る国際取引実務、外国人の代理経験に基づき、内外の企業、個人に対する日本語、外国語による法的アドバイスができることです。

---現在、先生がうけている事案、事件は何が多いですか?
国際案件が6割、国内案件が4割、企業と個人の依頼者が半々です。

---こちらの事務所を設立して、どれぐらいになるんですか?

2003年に設立して、今は2018年なので、ちょうど15年ぐらいです。

---その中で先生が多く手掛けてきた分野って、どの分野になるんですか?

元々は発展途上国向けの融資ということで、発展途上国に向けての融資が多かったんです。
2003年ぐらいに独立してからは、もう少し小さなというか、個人の案件も入ってきて、そういう面では国際相続とか、国際離婚とか、国際刑事とか、そういったものも入ってきました。

特に、独立したあとに、たまたまなんですけどアメリカ大使館とか、イギリス大使館とか、フランス大使館の推奨弁護士というかたちになりましたので、そうすると、アメリカ大使館に名前が出るんです。

たぶん他にもいるとは思うんですけど、なぜか分からないですが、原口薫っていうのがカオル・ハラグチになって、一番上に出ているんです。
そういうのもあって、いろんな話が来るようになって、2003年ぐらいから外国人の個人の案件がたくさん入るようにはなりました。

---その中で得意な分野は、やはりその国際融資になるんですか?

やはりアメリカとかイギリスに4年、5年といましたから、そういう面では、アメリカとかイギリスに関連するアメリカ人、イギリス人、アメリカの企業、イギリスの企業、そういったところが比較的得意です。

実際に向こうで勉強したり、働いたりする中で、アメリカ人とかイギリス人ってこういう人たちなんだなっていうのが分かりますから、逆に言えば、アメリカ人やイギリス人、アメリカの企業やイギリスの企業が来たときに、日本はアメリカとはここが違うんだよとか、イギリスとはここが違うんだよっていうかたちで説明しやすいところはあります。

逆に、中国とか、他の国には住んだことがなかったので、そちらのほうは苦手としていたんですけど、最近は、一つは中国が力を付けてきたということ、もう一つは中国のほとんどの取引が英語になってきて、中国の発展する契機になったのは国を開いて、外資を導入してきたということで、そうすれば当然、私と同じように英語を使う人が増えてきているわけです。

そのような人たちによって中国が力を付けて日本にやって来るとか、そういうのが出て来たので、最近は事務所の仕事の半分ぐらいは中国の仕事なんです。

---中国の仕事が半分だとすると、依然とかなり仕事の割合が変わりましたね。

全てが英語です。
去年までの2~3年間の中では、やっぱり中国の仕事が増えています。

---その中国でのお仕事が増えたというのは、具体的にどのようなお仕事なんですか?

国際債権回収です。
中国の貿易保険の会社があって、それはSINOSUREって言うんですけど、それは中国で一番、世界でも三本の指に入るぐらい大きな国営の機関で、そのSINOSUREっていうのは国内的なミッションがあって、中国の貿易を支援するというものなんです。

中国の貿易を支援するって、どうやってするかと言うと、中国の輸出企業が輸出して、その輸出代金を貰えなかったときは保険でカバーしてあげるという話なんです。

かなり野心的な目標で、中国の全貿易の4分の1を保険で保護して、中国の輸出を支えるというのが国営企業のミッションなんです。
中国の力がどんどん付いてきて、おととしで100兆円……。

原口総合法律事務所 原口薫 弁護士

---貿易の取引だけ100兆円動いているのですね。

輸出全部で100兆円の取引なんです。
そうすると、そのSINOSUREっていう貿易保険の会社は25兆円分の輸出を保護しなくちゃいけないんです。
それで4000人の従業員のうちの2500人が中国全土に跨って貿易保険を買ってくれっていう営業をやっているんです。
なかなかその25兆円の達成は難しいんですけど、それだけたくさんあるんです。

それだけたくさんあれば当然事故もたくさんあって、日本と中国っていうのは、たぶん中国とアメリカの次ぐらいに大きいので、たくさんあるんです。
そのいろんな問題や事故が全部一手に私の所に来ているという感じで、そうすると大体、年間で100件ぐらい、金額で20億円から30億円ぐらいの仕事が私の手元に来ると。
そうすると、もう他の仕事ができないぐらいなんです。

それが、ここ2~3年です。
そういう面では、今、中国の貿易保険の会社のために働いているっていう面があります。

1年目は、北京の本店だけをやっていたんですけど、それでかなりいい成績を挙げたので、「じゃあ、中国全土を頼むよ」と言われて、去年からは「中国だけじゃなくてモンゴルも全部頼むよ」と。

---モンゴルでの仕事もうけていらっしゃると。

それが去年の話で、今年の1月からはインドの最も古くて、最も大きな会社の一つと1月1日から提携することになって、これからインドをやっていこうと。

今、インドの連中から「いつインドに来るんだ?」と言われて、「いつでも行けるけど、何日ぐらい必要なんだ?」って聞いたら、「インド全体で16の事務所があって、それぞれの事務所に紹介したいから、最低16日は欲しい」って言われて、「そんなに行けないよ」って言って(笑)。

---今度はインドですね。

インドは何度も行っているんですけど、大体行くのはデリーとか、ムンバイとか、コルカタとかに限られているんですけど、それ以外にも、モディ首相の出たグラジャラード州とかは今、非常に高い評価を受けていますし、それから日本の企業の集積地のチェンナイとか、そういう所にも行ってみたいと思っています。
でも16はちょっとキツイので……。
1週間ぐらいで済めばいいなと。

---今は、やはりインドも伸びているっていうことですよね。中国との違いは何ですか?

世界最大の民主主義国ですよね。
中国は民主主義と言っても、実際は共産党で民主主義ではないと言っても過言ではないと思いますし、実際にほとんどの人は選挙権を持っていなくて、共産党の人だけで選挙をやって決めて、共産党が指導するっていう話で、全く民意が反映されない体制にはなっていますよね。

インドは民主主義で人口が12億ですから、世界最大の民主主義国ですよね。
あと中国も日本と同じで高齢化が進んでいますが、インドの場合はまだ若いというところはあります。
20代、30代、40代という……。

---その人口の割合が多いということですか?

多いです。
これは人口ボーナスと言って、こういう働ける若い人たちが多い国はこれから伸びていくと言われているんです。
あとインドの場合は信じられないぐらい多様なんです。

中国も大きいのでたくさんあるんですけど、インドの場合は公用語が22あって、方言も入れると800あるんです。

---そんなにあるんですね。

あります。
それで州が29あって、直轄デリーとかがあって、それぞれその州ごとに公用語が違うんです。

ヒンドゥー語を話す人が30パーセントぐらいで、それ以外の言葉がいろいろあって、それぞれの州が公用語を定めているので、州から出て来る国会議員が国会に行くと、みんな言葉が分からないんです。

ヒンドゥー語も英語も話せない人がいるので、みんな翻訳の機械を付けてやっているんです。
国会ですよ?

---それでまとまるんですかね?(笑)

だから、モディさんの一つの重要な課題は、「一つのインド」というところで、多様なインドを一つにしていこうというようなことですよね。
ですから、相当に違いはあると思います。
ただ、中国に比べてすごい親日ですよね。
それもいろいろな理由があるんですけど、例えば、仏教を共通の基盤にしてきたとか、インドがイギリスから独立する時に日本が助けたとか、いろいろな理由があって中国とは全然違うんです。

---じゃあインドのほうが親日というか。

はるかに親日という面はあります。
ですから、日本が高齢化して若い人がいなくなったけれどもノウハウやお金はあると、それに比べてインドは若いけれども、まだノウハウとかお金がないということで、いい組み合わせになると思います。

それを知って、スズキさんとかのように早くからインドに参入している人がいて、ちょっと私は遅れているんですけど、これから追いかけて行こうというところですかね。
だから今年の1月1日からはインドだと(笑)。

原口総合法律事務所 原口薫 弁護士

 

■原口薫弁護士について

---原口先生が弁護士を目指した理由、きっかけを教えてください。

かっては卓球選手で、打倒中国を目指していました。
高校三年生の時に、練習のし過ぎで腰を疲労骨折してしまい、大学で卓球をすることができなくなってしまいました。

そこで、生まれて初めて適性検査を受けてみたところ、何か人のためになることを仕事にするのがよい、成績が悪くないので、医師や弁護士が適職である、という思いがけない結果が出ました。
そこで当時の高校の担任とも話をし、法学部を受験することにし、中央大学の法学部、法律学科に入学しました。

当時の中央大学は法科の中央といわれるくらい、司法試験に強い大学でしたが、法律になじめず、英語やフランス語、経済、政治学など、法律とあまり関係のない科目を一生懸命勉強していました。
そのうち、就職ということになり、いろいろ考えたのですが、あまりよい仕事もなく、結局司法試験を受けることになりました。

何とか司法試験に受かり、司法修習の時に友人から外国人と交流をする3Fクラブというところに入会しました。
そこでメキシコの留学生たちから、自分たちは日本の援助があれば、国をよくすることができる、お前も協力をして欲しい、という話があり、その時に、発展途上国向けの融資を専門にするという弁護士の仕事があり、そのころから、弁護士になることを漠然と考えました。
修習中は、他に検察官、裁判官の道も探りつつ、最終的には自由度の高い弁護士、とりわけ、国際派の弁護士になることを決意しました。

---先生の趣味、休日の過ごし方について教えてください。

テニスとカラオケです。
週に一度はテニスクラブに行き、かなり真剣にラケットを振っています。
昨年は東京都のベテラン・チーム選手権で優勝しました。

---先生がお仕事で一番大切にしていること、気をつけていることは何ですか?

提供する法律の質の高さ、タイミング、依頼者の真の利益を見抜くことです。

---その中で、法律の質の高さって、なかなか計り知れないと思いますが、例えば仕事や案件の大きさという視点でみればわかりやすいでしょうか?

質って難しいですけど、法律ってすごく抽象的なんです。
ある程度抽象化しないといろんな世の中の事象に対応できないんですけど、実際に抽象的な法律を具体的な事案にあてはめるといろんな解釈が可能なんです。

簡単な例でいくと、橋の横に「この橋は馬は通るべからず」とか書いてあればある程度は分かりやすいですよね。

でも、「じゃあ牛ならどうなの?」とか、「犬ならどうなの?」とか、よく分からないところがあるわけです。
馬は通ってはいけないと、「でも当然、橋だから人は通るけど、なんで馬は通ってはいけないのか」と、もしかしたら重量が重くて橋が落ちるかもしれないということだったら馬よりも軽いものは通ってもいいんだなとか、馬よりも重い牛とか象とかは通れないんだなとか、そこはいろんな解釈の余地があるわけです。

そのいろんな解釈をベースにして、この事案に一番あてはまりそうなものを選ぶとか、そういうふうなところはやっぱり弁護士の解釈、あるいは力量にかかってくるところですよね。

あとは海外関係で言えば、「アメリカでできていること、イギリスでできていることが何で日本でできないんですか?」って言われれると、「いや、それは単に日本でできません」っていうのも一つの在り方ですし、「それはアメリカと日本の法律が違うから、アメリカではこうやるけれども、それは日本ではこうやったらできますよ」とか、「同じ目的が達成できますよ」とか、そういうことが言えるといいですよね。

いろんな法律とか判例とかを調べて、その依頼者の一番の利益になるようなかたちで提示できるかどうかっていうのは一つの質ですよね。
世の中はどんどん変わっていきますし、新しいものが出て来ますし、法律は古いですし、でも法律もどんどん変わりますし、常にキャッチアップしていかなくちゃいけないと。

---確かに、そうですよね。

そういう面では、なかなか難しいところですけど、何とかそれをやろうとしているというところです。
法律も変わりますからね。
そこはプロフェッショナルとして一番大事なところの一つですよね。

---これまでの弁護士のお仕事の中で、大変だったなとか、苦労したことってあったりしますか?

たくさんあります。
今に至るまでですけど、言葉のハンデが結構大きいです。

---国を跨ぐ中で仕事をでやっていると出てくる壁じゃないですけど、絶対にぶち当たるところですよね。

やっぱり時間が限られてきたりすると、電話会議とかが結構あるんですよ。

大きな取引とかになりますと、日本に10人ぐらい、香港に20人ぐらい、イギリスに5人、アメリカに5人とか、そういうので時差も物ともせず電話会議とかをやっていると、20人ぐらいの電話会議になるんです。
そうすると1人でも言葉が分かりにくいのに、20人入ってそこでギャーギャー始めると、よく聞き取れないんです。

しかも、そういうときって半徹夜が続いていますから眠いですし、集中力がなくなっていて、そして全部英語ということで、倒れます(笑)。

最後のほうになってくると、「お前の日本法の意見が出ないと先に進まない、どうすればいいんだ」って質問されるんですけど、「何言っているかよく分からない」とか言って、「ふざけるな、お前、アメリカやイギリスに5年も住んで、アメリカのロースクールを出て、アメリカの資格を持っているじゃないか」っていう声が聞こえてきて、「そうは言ってもさ、無理だよ。ちょっと悪いけど書いて送ってくれない?」とか言って、「何で書くんだよ?」って言われて、「書けば読めば分かるからさ、イエス・ノーで答えられるように書いてよ」とか言って、「う~ん、ちょっと待ってろ」とか言って、「1時間ぐらいか?」と聞いて、「いや2時間よこせ」と、「分かった」って言って、横で寝ているわけです。

それで2時間経ったら、「送ったぞ」って電話が来て、「よしよし」とか言って。
イエス・ノーであれば大丈夫なんです。
元々やっていることをイエス・ノーで答えられるので。
20人があちこちでギャーギャー言いながら電話で話されるとギブアップです。

それから危なくなったら必ず、「答えてやるから、ちょっと書け」と言うようにしています。

---確かに、そうですよね。

今、インドとやっていて一番困るのも言葉の壁なんです。
話すと何を言っているか分からないんです(笑)。

これがインド英語かと思って。
完璧な英語で書いてきますから、書けば分かります。
ただ言っていると何か全然分からないんです(笑)。

---インドと言うと、ITとか、そっちのイメージがあるんですけど。

やっぱりゼロを生み出したりした所ですし、インドは世界でも有数のハイテクですし、インドの人たちがアメリカのシリコンバレーとかで活躍していますけれども、結局そういうのは本当に一握りのエリートで、英語はできるし、頭も良い人たちなんです。
12億人もいれば1000万、2000万人はそういう人がいるわけですよ。

でも、それでは国は全然豊かにはならないんです。
結局そういう人たちは特別な能力を持っている人たちなので、それはそれで1000万人ぐらいは潤って、あと特定の財閥はものすごいお金を持っているわけです。

でも12億のほとんどの人はそんな人たちではないわけです。
そういう人たちに広げていかないといけないということで、どうすればいいかっていうのがメイク・イン・インディアという、製造業なんです。

---製造なんですね。

製造業っていうのはいろんな物を細かく作って、それに関連してきますから、いろんなレベルの人が潤うわけです。
それをインドに持ち込もうというのがモディさんの考え方です。
メイク・イン・インディア、インドで物を作ってくださいと、そのために整えますと。
中国が大発展したのも、製造業の基盤が元々あって、そこに国を開いて、外資を導入して、あと外資の物をコピーとか何か知りませんけど、そういうのをやったのが良かったというのがあります。

---じゃあインドと中国の違いとしては、インドっていうのはゼロからこれから入れていくっていうイメージなんですか?

実際に発展していこうと思うと、やっぱり民主主義のほうが遅いですよね。
中国は「やれ!」って言ったら、やりますからね。
遅いですけど、動き出したらもう止まりませんから。

---成長力はありそうですよね。

大体いろんなレポートによると、これから一番日本にとっていい国っていうと、インドだって言われますね。
中国は元々良かったんですけど、中国のビジネスっていうのは安くてクオリティーの高い労働力を生かして、中国で作って日本で売るとか、そういう話だったんです。

でも、ここ10年ぐらいで賃金が20倍ぐらい上がってしまって、安い労働力を使っていい物をというのは全然成り立たなくなったんです。
中国で作ってというのは全然成り立たなくなって、「これからはどこだ?」って探して、今はタイかなとか、ベトナムかなとか、インドネシアかなってやっているんですけど、そういうところはあります。
ただ中国がまだ大事なのは、やっぱり13億の人口がありますから、中国で物を作って中国で売ると、今はこのパターンに移ってきていますよね。

---じゃあ労働単価っていうのが上がってきたっていうことですよね。

この10年、20年で思いっきり上がりました。

だから中国は工場としては使えなくなってきているんですけど、インドが使えるかはまだ難しいところなんですけどね。
インドの場合はいろいろとまだ改正していかなきゃいけない部分があって、例えば、中国はある意味で一つの国ですよね。
インドはある意味で22の国ですから。
例えば、州を跨ぐと関税みたいなのがかかるんですよ。

---インド国内で税金が掛かるのですか?

国内でかかります。
中央の税金と各州の税金があり、州をまたぐと関税みたいな税金の処理のために、すごい時間がかかるんです。

インドって広い国ですから基本はトラックで動くんですけど、トラックが動く距離が中国に比べて半分とか3分の1なんです。
その多くのものは関税の処理なんです。
そこでトラックが止まってしまうので。

それでモディさんになって、それを無くそうと。
昨年から新しい法律を作り、統一化を図っています。問題はその実施が円滑に進んでいない、ということでしょうか。

---では現在インドは、具体的に国を一つにするっていう動きが大きくなってきていると。

そうです。
もう、そうしないとインドの発展はないと、そういう今は発展途上なんです。

原口総合法律事務所 原口薫 弁護士

 

■お仕事に関して

---印象に残っている事案、ご紹介できる解決事例などを教えてください。

最近顧問先が、契約違反を理由に17億円余りの損害賠償を請求され、仮処分、第一審、控訴審、最高裁まで争って勝訴しました。
相手方は、さらに顧問先を独禁法違反で、公正取引委員会に提訴し、公正取引委員会の審査の結果、独禁法に違反していないという審決を受けました。

---いや、すごいですね。

ちょっとこれは僕もビックリしました(笑)。
その相手方の先生が青色ダイオードで100億円勝ったっていう先生なんです。
でも逆にそういう先生だと、腕が鳴るといいますか、勉強になることも多いし、やりがいがあるなというところもあります。

---この勝訴したっていうところは、最高裁までとなると長期的な戦いだと思うのですが、やっぱり先生なりのポイントはどこだったとお考えですか?

事実としては相手方にかなり無理のある主張があったところですかね。
書面としてはとてもよく作られていますけど、いろいろ一つ一つ丹念に当たっていくと、かなり無理のある主張だという気はしました。

他の先生ならすぐ蹴散らされるんですけど、さすがにその先生は力があるのでなかなか大変でした。ただその先生の訴状を何度も繰り返して読んだり、その訴状に基づいて関係者たちと話をしていくと、かなり無理のある主張なんじゃないかなっていう気はしました。
勝ち負けっていうのは、やっぱり事実で、その事実をうまく裁判官に伝えられるかどうかですよね。

こちらはこの事案をこういうふうに見ていますと、向こうはこの事案をこんなふうに見ていますと、でもわれわれの言っていることのほうが真実なんですよというふうに言って、それがうまく裁判官に伝わるかどうかなんです。
裁判官も、事実が明らかになればこちらに有利になる判決を書いてくれるんです。

---今後の海外ビジネスなど、弁護士のビジネスとの関わり方について、先生のご見解を教えてください。

欧米では、弁護士なくしてビジネスはできない、といわれるほど、ビジネスと弁護士の業務は密接です。

国際展開を図る企業に取り、進出国の弁護士との関りは極めて重要です。
また、いきなり現地の弁護士を選任したり、現地のことを現地の弁護士にだけ任せるのではなく、国際経験の豊富な日本人の弁護士を、本社側で抱えて、現地の活動を監視してゆくことが必要でしょう。

---国内外の相続の問題について、国内でおきる相続との違い、海外に相続人がいた場合まずすることは?

日本法の場合、被相続人が遺言なくして死亡すると、法定相続人がいわば自動的に被相続人の資産も負債も法定相続分に応じて相続します。

しかし、英米法では、被相続人が死亡した場合、まず被相続人の資産を現金化し、負債や税金を支払った後に、残りがあれば、それだけが相続の対象になります。

被相続人の財産の清算を必要とするか、否かで、日本法と英米法は大きく異なります。
海外に相続人がいる場合、その相続人に連絡をし、相続を承認するのか、放棄するのかの意思を確認することが先決です。

---日本法と英米法でだいぶ変わるっていうのを初めて知りました、実際に相続問題が海外に跨ぐ場合、解決に至るまで結構時間がかかることが多いのですか?

かかりました。
特に欧米系の所は、日本みたいに自動的に相続が起きるわけではなくて、遺産を処分して現金に換えて、それの税金を払い、債務を弁済してっていう話になりますから、まず売るところから時間がかかりますよね。

不動産なんかですと、そんなにすぐには売れませんし、例えば1億円の価値の物を1000万円っていえば誰でも買ってくれるんでしょうけど、相続人のためには1億円の物は1億円で売りたいわけですから、そうするとなかなか難しいですよね。

---では全部、現金化をしないといけないっていうことですよね。

そうです。
だから破産管財人みたいなところはありますよね。
資産を全部現金に換えて、債務者に弁済をして、税金を払ってという、そんなかたちですよね。

---そこが日本法と英米法の違うところですね。

そうです。
逆に、いい面は、お父さんやお母さんの債務を子どもが引き継ぐことがないわけです。

---それは確かにメリットありますね。

負債は一切引き継がないで、お金が残ったら貰えると。

日本の場合は必ずしもそうではなくて、私もそうですけど、父の借金を背負ったり。
債務を引き継ぐかたちになるので。
放棄という方法もありますけど、放棄すれば何も貰えなくなりますから。

原口総合法律事務所 原口薫 弁護士

---先生の考えとしては、日本法と英米法どっちのほうがいいと思いますか?

難しいですけど、今は家とか、そういうのはなくなっていますから、家父長の債務は全部子孫が引き継ぐっていうのは流行らないような気はしますけどね。
それぞれの所で清算して、残ったら承継するほうが合理的かなと思いますけどね。

例えば、親族が海外に行って、自分がそのような立場になったときに、まず先に考えることとか、起こすべき行動って、どうしたらいいですか?

少し難しいんですけど、外国に住んでいたり、外国人と結婚して外国に行ってしまった人が「親が亡くなった」と、それで「兄弟のほうから『お前、何にもしないで外国にいるんだから相続放棄しろ』と言われるんですけど、どうしたらいいんですか?」とか、そういった相談をよく受けるんです。

「いや、それは法律上は頭数で割るんですけど、あとはご兄弟関係とかなんですけどね」というふうに言うと、大体みんな「自分は外国が長いから、自分としては放棄してもいいんですけど、自分の取り分が何千万かあって、『夫婦とか子どもたちが、それはおかしいだろ』と言うんで難しいんですよね」とか、そういう話があります。

特に1980年代ぐらいに、アメリカに行った人が、今はもう2018年なので、親が亡くなっている時代なんですけども、その頃にアメリカに行った人は結構お家が豊かだったんです。
ですから今、結構な資産が相続の対象になっていて揉めています。

---最近ですと、海外に住んでいて、お正月に帰ったら遺産があることが発覚してそこで相談とかもつい最近ありました。

まさに私がよく聞く話です。
結構そういうのも増えてきているのかなっていうのはあるので。

やっぱり法が違うところでの話になってくると思うので。
アメリカに長く住んでいる方は、もう日本語も話せない人もいるんです。
資産によるとは思うんですけど。

本人としては放棄したいようですけど、家族は大反対していますね。
遺産分割って難しくて、例えば、不動産をお父さんが持っていて、子どもが4人で相続したら4分の1ずつ持ちますよね?

でも、そんな不動産って誰も買わないんです。

だから、誰か1人の名義にして売らないといけないとか、誰の名義にするんだとか、売ったお金はどうやって分けるんだとか、そういう話になってきて、一つしかなければまだ簡単なんですけど、
いくつも不動産があって、株があって、現金もあってってなると、なかなかまとまらないところはありますよね。

---確かに、そうですよね。

裁判になると、7年から15年ぐらいかかります。
依頼者が亡くなったりするケースもあり、その間に二次相続、三次相続が起こることもあります。

一つの解決法としては、やはり遺言書を作っておいて、そういう問題が起こらないようにしておくということなんでしょうけど、なかなかそういうことまで考えてやる人は多くなくて。

---親族が海外に行ったりとか、相続問題が国境を跨ぐ場合っていうのは、やっぱり弁護士に相談したほうが一番いいですかね?

そう思いますけどね。
自分で解決するのはちょっと苦しいんじゃないですかね(笑)。
言葉や文化のハンデもありますから(笑)。
向こうで相続が起きることもありますし、向こうの財産のこともありますし、そうなると今度は日本の人が言葉のハンデがありますからね。
向こうの弁護士と話をしても、全然訳が分からないですから。

そういう面では国際相続の経験が豊富な弁護士に頼んだほうが安全ですよね。

 

■最後に

---弁護士歴30年に突入し、振り返って見ていかがでしょうか?

今年で30年に突入しました。

いつも試行錯誤の連続ですが、国際派の弁護士は自分の天職だったのかなと思っています。

弁護士の他に検察官、裁判官という道もありましたが、検察は実際に仕事をしてみたら、結構、挫折感があったんです。
元々刑事訴訟とか刑事政策とかに興味があって、人を捕まえるというよりも、捕まえた人をどうやって立ちなおさせていくかと。

それは矯正っていうんですけど、そういうのが自分でいろいろできるんじゃないかなと思って、薬物犯罪で捕まった人をどうやって薬物から救うかとか、少年犯罪でどうやって立ち直らせるかとか、そういうのにかなり力を入れて勉強したんですけど、実際に検察官になってそういう人を取調べてみると、「いや~これはちょっと……自分ではどうしようもできないな」と(笑)。

裁判官は、随分かわいがってもらって誘われましたし、ある意味、仕事としては楽なところもあって、スタッフといいますか、裁判所書記官や裁判所事務官とかの優秀な方々が支えてくれますし、仕事はしやすいですよね。

弁護士だと自分でお金を稼がないといけないですし、家賃や従業員の給料も自分で払わないといけないんですけど、裁判官のほうは親方日の丸ですから、そういうのがなくて、いいなって思うこともありました。

自分はどちらかと言うと、海外に自由に行き来できるのが向いているかなと思った面もあったので、宮仕えで「あっち行け、こっち行け」と3年ごとに行くのよりは、やっぱり自分の行きたい所、例えばアメリカに行ってみたり、イギリスに行ってみたり、東京に住んだりというほうが生活としていいのかなっていうところですかね。

事としてはどっちがいいかっていうと、裁判官のほうもかなり魅力的なんですけど、その仕事以外の生活を考えたときに、弁護士のほうがいいのかなとは思いました。
かなりそこは悩んだところではありますけどね。

---やはり、やっぱり弁護士になって良かったって思いますか?

どこかで思いましたね。
最初は思わなかったですよ。
最初、もう言葉に圧倒され、法律に圧倒され、毎日泣きながらやっていましたから。
言葉の問題で言えば、留学するまではほとんど使い物にならなかったですね。
読み書きはできますけど、話したり、聞いたりすることは全然できなかったですね。

原口総合法律事務所 原口薫 弁護士

---留学をキッカケに力が付いてきたなっていう感じだったんですか?

やっぱり朝から晩まで英文を読んだり、それを1年ぐらいロースクールでやりました。
憲法のケースブックだけで全部で1716ページあって、これを2か月半で読んで、それで試験があるんです。

しかも、最初の項の英語が1776年とかで、今の英語と違うんです。
1700ページあるんですが、最初は1ページに1時間ぐらいかかるんですよ(笑)。

ほとんど起きている時間は、この本を読むのに費やすわけです。

それを1年やると、かなり読むスピードと力は付きます。
あと講義を聞きますから、その聞く時間もありますし。

---相当な時間を使って英語の勉強をされてたんですね。

そうです、最初の1年間は大体これだけですので、これで読み書きと聞く力が付きますよね。

あと実際に働き始めれば、今度は話さなくちゃいけないですから、話すのを3年も4年もやっていれば多少は話せるようになりますから。
そうやって帰ってくると、少し泣かなくて済むと。

今まで、英語ができないよって泣いていたのが、今度は英語ができないって泣いている人を尻目に「英語は任せて」と(笑)。

---その点は先生の武器でもあると思うんですけど、その当時は重宝されたのではないですか?

厳密に言えばいたんだと思いますけど、そこまでやらなくても、まだ司法試験が60倍とかで、60人に1人しか受からなかったので、もう受かればあとは何とかなるだろうというところがあって、何が悲しくて、これから英語をやって外国に留学してっていうのは多かったと思います。

英語で日本の法律を説明してくれる、しかもアメリカやイギリスと比較して日本の法律を説明してくれるっていうのは便利だねっていうのはありますよね。
だから、あちらこちらから紹介があって「一緒にやらないか?」っていうのも、そういう経験とかがあってのことだと思います。

---今後の原口先生のビジョン、方向性は?

今後とも仕事の質を高め、速度を増し、依頼者の真の期待に応え続けたいですね。

かつては在住していた欧米に仕事が偏っていましたが、最近は中国からの仕事が増え、今後は中国以外のアジア、アフリカ、インドなどの業務の増加が予想されてくると思います。

---最後に記事を見られた方、相談に来られる方にメッセージをお願いいたします。

まずは気軽の連絡をしてください。
お話をよく聞き、資料も拝見させていただき、どのようなアドバイスができるか、一緒に考えさせていただければと思います。

最近ですと、顧問として受けるというほうが多くはなっています。

その個人の方、その会社の人と長くお付き合いしたほうがいいサービスができるというところがありますので。

特に私のような比較的特殊な経歴を必要としている人とだけ、長いお付き合いをしていくほうがいいのかなと思っております。
一度私のホームページを見て、内容や私の人柄が合いそうであれば、まずは気軽の連絡をしてください。

お話をよく聞き、資料も拝見させていただき、どのようなアドバイスができるか、一緒に考えさせていただければと思います。

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原口 薫 (東京弁護士会所属 / 原口総合法律事務所)

当職は、国を跨ぐ法律問題に精通し、国際相続、国際離婚など、国際的な案件を得意とし、法人・個人問わず、ご相談を受けております。 まずは事務所のホームページにて、当職の実績などご覧いただき、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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