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本が好き!、裁判官を7年間務めた弁護士事務所に行ってみたのアイキャッチ

本が好き!、裁判官を7年間務めた弁護士事務所に行ってみた

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2017年02月08日 公開
本が好き!、裁判官を7年間務めた弁護士事務所に行ってみたのアイキャッチ

弁護士先生は、難しく分厚い本を難しい顔で読んでいる、そんなイメージを皆様お持ちではないでしょうか?
相続相談ガイド編集部ももちろんそのイメージを持っているのですが、IT・データ・ペーパーレスなど進み、様々な弁護士事務所へ足を運んでみると、それほど本が多くないのですが、、、、
今回は本が大好き、趣味は神保町の古本屋巡り、本を愛し・本に囲まれ相当高額な本もあり、本の置き場に困るほど・・・・
武士道の本に心を打たれ、その心を重んじる・・・少し重い感じのイメージの先生でしたが、そんなことは全くなく、後々話を聞いてみると裁判官から弁護士へ
アーバントリー法律事務所 嘉村孝弁護士

アーバントリー法律事務所 嘉村孝弁護士

そんな、経歴豊富な弁護士先生にインタビュー、事務所も流石!本が大好きなだけある先生のインタビュー是非ご覧ください。

アーバントリー法律事務所に関して

アーバントリー法律事務所 嘉村孝弁護士

 

アーバントリー法律事務所の名前の由来

元々は「嘉村孝法律事務所」という名前だったんです。
本来、個人の名前を出して仕事をするという事は責任を持って仕事をするという意味で大事なことだと思います。
けれども、その昔、国選弁護の重大事件を担当したところ、23年ぶりにあるところから手紙が来たことなどもあり、既に権限が失われた案件まで問い合わされたり、ということになると、むしろ抽象的な名前にした方が良いのではないかという考えに至りました。

それでどうしたらよいかと考えた時に、当事務所のメンバーに台湾人の先生が加入してくれた事もあって、最初は「アジア・パシフィック」にしようかなと考えました。
しかしそれだと少し長いということでそれは見送ることにし、改めて何が良いかと考えた時に、当事務所の立地は都会の真ん中であるので「アーバン」という言葉を使おうかと思ったんです。
でも私は元々田舎の人間ですので「カントリー」を大事にしたいし、農業法学会の会員でもあり農業関係の顧問もしていて、「イナカ」にも関心があるんです。
それで、「アーバン」と「カントリー」を組み合わせた造語ということで、最終的に「アーバントリー法律事務所」にしたんです。

—-台湾の先生とはどのようにして知り合ったのですか?

彼とは、法科大学院の講師仲間ということで知り合いました。
当事務所では外国人の方からの依頼は多く、外国の裁判との連携のようなこともやっています。
こちらで働いていた事務員がその後行政書士になりまして入管関係を専門にしているんですが、当事務所で仕事上たびたび外国人の方と付き合いがあったので違和感無く入れたんだそうです。

現在の弁護士事案の構成比率はどんなものでしょうか?

法人と個人の比率で言えば、半々くらいだと思います。

当事務所はそれこそ「何でも屋さん」と言いますか、様々な案件を扱っています。
その中でも大きいのは会社法絡みですが、その前までは保険が多かったです。
他には貸し金の回収ないしは回収される側からの相談、それからやはり相続や離婚が相当あります。
アーバントリー法律事務所 嘉村孝弁護士

—-入管関係も多いんですか?

前はよくあったんですが最近は少なくなりました。

簡単に言えば、困っている外国人の方を助けたいという思いはあります。
ただ、弁護士が入ると入国管理局はますます殻を閉ざすだけという印象があります。

私の尊敬する友人にも、この件で徹底的に戦う弁護士もいるんですが、勝ったときはメディアに出ていてよろしいんですけれど、それが続くかというとなかなか続かないんです。
だから、私としては、そのあたりは柔軟に対応しています。

アーバントリー法律事務所を永田町で設立した経緯

以前、この近くで勤務弁護士をしていたんです。

—-先生の弁護士歴は?

34年です。

最初は裁判官を足掛け7年やっていました。
その後イソ弁を2年経験しましたので、法曹界に携わってきた期間はもう40年になります。

—-先生は他の弁護士と少し違う雰囲気がありますね

おそらく、元々弁護士になりたいとか法律家になりたいとか思っていなかったからじゃないでしょうか。

(冊子を取り出し)これにも書いたけど、「アウトサイドからのコンプライアンスチェック」という題名の小論が一番最初にあるんです。
「法律をただ守ればいいというものではない。より高次元の理想に合わないとおかしいのではないか」
それには歴史や社会学、文化人類学、そして哲学も大事なのではないかと思うんです。

「武士道」もその一環でして、兵農未分離時代の武士というのは、武士ではあるが農民でもあった、つまりより平等の社会だったのに、刀狩りの秀吉の時代くらいから変わっていってしまいました。
つまりは消費者としてのステータスの高い武士になってしまったんだけれど、私はそれが嫌いなんです。
生産者である武士が好きなので、農業を大事にしなきゃいけないという思いをこめての「カントリー」という意味もあります。

嘉村 孝弁護士に関して

アーバントリー法律事務所 嘉村孝弁護士

裁判官を目指した理由

高校生の時から政治に興味を持っていまして、好きというよりもむしろ「これでいいのか」というような一種の公憤を持っていました。
例えば、50年近く前、日米安保条約破棄を叫んでいた今の某大臣なんかは私の同学年なんですけど、彼らは当時は、いわゆる「左」、私はなにしろ武士道だからその反対なんです。

高校1年生の時から生徒会長になりあれこれとやっていたんですが、民族派だから英語が大嫌いでした。
しかし2年生の2学期の中間テストではたった一問しか点が取れず最悪の成績となり、反省をして勉強をし始め、ようやく国立大学を受けられるくらいまでには上がったんです。
それで大学進学を考えた時に、歴史が好きだから国立の文学部に進学しようかと思っていたんですが、学生運動で入試が中止になり、一方、「文学部じゃ飯が食えないだろう」と父が言いまして、「つぶしが利くから」という父の勧めで仕方なく法学部にしたんです。

それで明治大学に進学したのですが、入学早々ロックアウトが始まって、それからストライキが起こったんです。
学校にストライキがあるなんて珍しいと思われるかも知れませんが、そういうことが当時はありました。
なので、一年生の時にはほとんど授業らしい授業が無く、4年生次には1日もありませんでした。

そんな中で、私の高校の美術の先生に草野睿三という先生がおられて、一族有名な法律家なんですが、その先生に「お前は司法試験を受けないと駄目だよ」と言われたことがきっかけとなったんです。
親の言う事は大体聞かない私ですが、先生の言う事を聞いて試験勉強を始めることにしました。
草野先生にはこの前もお会いして来ました。
大正11年生まれで94歳なんです。
その先生のお父様(草野豹一郎先生)とお兄様は裁判官だし、もう1人のお兄様は弁護士だし、御祖父様は検事で法曹界の名門一家なんです。

 

武士道を重んじる理由

アーバントリー法律事務所 嘉村孝弁護士

中学1年生の時にたまたま家にあった『次郎物語』という本を読んで、その中に引用された『葉隠』と『歎異抄』に興味を持ったことがきっかけです。
これらの本は今までに何回も読み返していますし、かつ、『葉隠』に書かれている場所をいろいろ訪ねています。

この『葉隠』には、戦国時代のリアリズムを前提とした「実」の発想が書かれています。そして、『次郎物語』の著者下村湖人さんは、『葉隠』の「武士道に於ておくれ取り申すまじき事、主君の御用に立つべき事、親に孝行仕るべき事、大慈悲を起こし人のためになるべき事」の四誓願の内、「大慈悲」が最も大切だと言っているんです。そして、刀なんか抜かないのが本当の武士道だという発想です。

なぜ?裁判官を辞めて弁護士を目指そうと思ったのでしょうか?

裁判官も良いけれど、私みたいにいろんな事をやりたい人には少し自由が足りないんですね。
本当にやりたい事をやるには、弁護士の方が便利だということです。
自分のやりたいようにやれるし、依頼者も多様な人が来ます。

宮仕えとそうでないものの違いでしょうけど、倉田卓次さんというある意味桁外れで最も有名と言ってよい裁判官がおっしゃっていた事ですが、裁判所というのは大病院で、私たち弁護士はクリニックで、それでいいじゃないかという事です。
クリニックにはクリニックの良さがあるだろうということです。

 

裁判官を通じて見えたこと

大きな裁判所から小さな裁判所までいろんな所で見てきましたから、機能的にどういうものかというのは一応見たことになります。

ずいぶん以前の事ですが、昔、司法部と軍部は「部」と名前のついた双璧だと言われていたんです。
つまり、裁判所の組織は非常に軍隊組織に似ていて、その昔、軍隊にいた人が戦争が終わってもう軍人にはなれないから裁判官になったなんて人も当時はいたんです。
そういう人たちのきちっとしたポリシーを勉強出来たのは良かったかも知れません。

例えば、1970年代の過激派による重大事件に関わったある裁判官の方が司法研修所に来て、「裁判官には勇気が必要とか言う人がいるけれども、そんなものは要りません。弱虫でも泣き虫でもいい。何が必要かというと、責任感が必要だ」と言ったんです。

今の風潮から武士道と言うと、華々しさ、あるいは勇気が良いという傾向があるかも知れません。
でも、弱虫でも泣き虫でもいいから、むしろ責任感が必須だということなんです。

——そういうことで裁判所時代をまとめると、どんな感じですか?

総合的に言える事は、自由度が無いけれども責任を持って仕事をするというポリシーをいただいたのはすごく良かったです。

弁護士から見た裁判官とは?

弁護士の最大の特徴は、特に民事事件で言うならば裁判を起こす前から関わって、裁判が終わった後までも関わる点です。
判決をもらったからと言って、それですぐ実行出来る訳ではないんです。
今日も電話で「決まったのに払って貰えないんです」という連絡をもらったんですが、そういう裁判の前後の様々な事象に関わっていかなければなりません。
要は、依頼者の欲求に直接関わるということです。

「前」で言うなら訴状を書くまでが大事なんです。
どういう訴訟物にするかとか、どういう手続きを利用しようかなどという様々な選択をしなければなりません。
依頼者の欲求からどういうものを汲み上げて、最終的に欲求を満たしてあげられるか、そのための裁判というのは一つのツールに過ぎないんです。
こうして最初から最後まで付き合えるということが、弁護士の面白い点であり、苦しい点でもあります。

お客様への考え方

例えば、民事訴訟法改正の時に、まさに裁判所の人たちというか、改正に関わる人たちが「お客様意識」を持ったんです。
それは、裁判に「納期」がないのがおかしいということで、以前は3年以上経ったら長期未済事件として最高裁に報告しなければならなかったのが、これを1年に縮めたんです。
でも、一言で言うと、裁判は「早い・安い・美味い」でなければいけないはずで、早いだけではいけないんです。
廉価であって、適正でなければいけないんです。
それが、民事訴訟法の改正で本当に実現できたかどうかは少し疑問で、納期論から早いことばかりを重視してしまうとすれば問題ではないかと思います。

—-元裁判官として裁判を進めるコツはありますか?

裁判官を辞めた当初は裁判所の考えていることが分かったから確かに良かったんです。
でも今は改正が進んでしまって、逆に「これでいいのか」と思うこともあります。
それがさっきも言ったように、なまじな納期意識のような話です。

本がものすごく多いのですが、趣味なのですか?

アーバントリー法律事務所 嘉村孝弁護士

昔から読書は好きでした。
家にも田舎の実家にもあって、置き場所に困っています。(笑)

—-どこで購入するんですか?

神保町や、地方に行ったら必ず古本屋にも行きますし、インターネットやカタログでも購入します。
「この人は買う人だ」ということで、カタログを送ってきてくれるんです。
昔の本は凄いと思いますし、問題の原点を知る意味で有用です。

—-高い本もあるんですか?

確かに相当高価な本もあります。

—-どうやって見つけるんですか?

カタログや、インターネットで探した物もあります。

—-中身を直接見ずに買う判断基準はなんですか?

絶対にこれは中身が良いからだとか、これ一冊しか世の中に無いというのが分かっているからです。
あるいは逆に、神保町の道路に面した箱の中に300円とか500円くらいですごく良い本があったりして、後でインターネットで検索すると何万円にもなっているものもあったりしました。

そういう古い本を読んでいると、今の学者も凄いけれど、昔の学者は凄いと思います。例えば法律にかかわる人でいえば、桑原隲蔵なんかもすごいですが、比較的若くして亡くなった仁井田陞の『東洋とは何か』もコンパクトで、かつ凄いです。そして、新しい本でいえば、この間読んだ『中国近代の思想史』(坂元ひろ子)も、これまたコンパクトですごい。
あれを書くには相当本を読み込まないといけないと思います。
社会学の極致みたいなものですね。
西洋との対象からアジアの思想を考えるについて、『東洋とは何か』の続きが『中国近代の思想文化史』になると思います。

—-国会図書館なんかも行くんですか?

最近は行かないですね。行ってる暇が無いんです。
神田は人類最大の図書館とも言われますから、通る度に誘惑されちゃって駄目です。(笑)

お仕事に関して、嬉しかったこと

無罪を取ったりして喜んでいただけた時ですかね。

先生のお仕事の取り方

アーバントリー法律事務所 嘉村孝弁護士

ほぼ全て紹介です。
基本的には年賀状や暑中見舞いで付き合っている人からの紹介という感じです。

 

裁判官・弁護士を通じて相続案件の中でも印象に残ったことなどあれば

アーバントリー法律事務所 嘉村孝弁護士

本にも書いたんですが、兄弟で相続した土地の所有権を争う劇的な案件がありました。

もっとも私は裁判官時代は刑事と行政、労働を主にやっていたんです。
一方、家庭裁判所じゃないと相続案件は基本的にこないので、裁判所ではあまり関わらなかったというのが正直なところです。
しかし、弁護士になってからは件数は少なくても、さきほど述べたとおり最初から最後までのお付き合いですから、印象が深いんです。また、調停委員をやっていましたが、全件が相続案件でした。
また、相続に至る前の段階として、例えば子供に重い障害があって将来の為に何かしたいと思う親心や、子供の兄弟間でいずれ揉めるかもしれないという葛藤をどういう風に遺言で解決していくか、そういう広い意味での正に相続案件が近頃は結構多いです。
特に東京の場合、土地持ちの地主さんなんかは相当苦労してらっしゃいます。

離婚の案件でも、財産を奥さんには渡したくないけれど子供にはあげたいので死因贈与と仮登記とか、そういうことを活用して離婚が成立するとか、ただの相続だけではなく、いろいろな事象が関わってくるんです。
いわゆる相続案件というのは相続が発生してからの遺産分割が主でしょうが、相続は人生の総決算ですからいろいろな事象、法律問題とかかわっています。

最後に

アーバントリー法律事務所 嘉村孝弁護士

法曹業界経験40年に突入し、振り返って見ていかがでしょうか?

バブルの崩壊というのがありましたが、それ以降は本当に大変だなと思います。
それまでは経済も良かったんですが、仕事の中身も前向きなものが多かったんです。
バブルの崩壊以後は後ろ向きの案件が非常に増えて、それで潤っている弁護士も増えてしまっているような印象があります。

私の仕事自体も変わってしまったかなという思いがあります。
弁護士登録から暫くしてバブルが始まり、世の中どうしてこんなにお金があるんだろうと思っていたんですけれど、それがまさに泡の様に消えてしまいました。

相談に来られる方、依頼者の方にメッセージをお願いいたします

アーバントリー法律事務所 嘉村孝弁護士

法律問題は全てリンクしていることを考えると、相談したい内容を、専門にしている弁護士かどうかにこだわらず素直に話して、よく話を聞いて調べてやってくれる人物を選ぶことが大事だと思います。
昔の商人が1円、2円でもそろばんを入れたというのと同じで、必ず調べてきちんと手続きをしてくれるかどうかを見るべきだと思います。
誠実にやってくれる人かどうかということです。

素人が余り最初から決めてかかるのは駄目で、最近の例だと、ご主人が亡くなってから遺言執行者をやって欲しいという依頼がきました。しかし、それは適当ではありません。なぜなら、遺言執行者は相続人全員の代理人ですから、相続人の一部の人の肩を持つことはできず、遺言執行者がそれをやると、懲戒になる可能性だってあるんです。

執行者は別の人にやってもらえばよいだけの話なんです。
あるいは、相続登記をするのは遺言執行ではないので執行者は必要ありません。
だから、勝手に自分で思い込んで判断をしないことです。
まずは直接来て頂いて、ちゃんとやってくれるかどうかを判断することです。

18675の画像

嘉村 孝 (東京弁護士会所属 / アーバントリー法律事務所)

必ず、相談者・依頼者の為になると思います、そのためには、経験が必要です。 私は、裁判官・弁護士の経験を踏まえてお客様のゴールを設定いたします。 一度、ご相談ください

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