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【弁護士監修】本当の親子同然に暮らしていても、相続人とならない?!その解決策は?

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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更新日:2018年12月29日
本当の親子同然に暮らしていても、相続人とならない?!その解決策は?のアイキャッチ

父親の後妻とその後妻の連れ子との関係や、母親の再婚相手と母親の連れ子との関係等、ご自身の幼少時に父親や母親が再婚すると、新しいお父さんやお母さんができることとなります。子供が幼少であれば尚更、新しいお父さんやお母さんと同居して、長年に渡って真実の親子同然の暮らしを送るケースは、離婚率の上昇に伴って多くなっています。

しかし、良く考えてみましょう。実父や実母が再婚して新しい配偶者と同居する様になったからと言って、当然、その連れ子と新たな配偶者との間には、血縁関係は生じません。よって、新たに配偶者となった人と連れ子との間で養子縁組の手続を行なわなければ、連れ子は新しいお父さんやお母さんの相続人とはならないのです。「親子なのに相続人ではない。」こんな悲劇が、よく起こります。

実際にあった相続人とならないケース

実際にご相談を受け、手続代理を行ったケースについて、お話をします。

AさんはBC夫婦の間に長男として誕生しました。Aさんが誕生して3年ほど経過した頃、BCの夫婦関係が破綻してしまい、離婚することとなりました。未だ3歳の幼児であるAさんの親権は、父親であるBが取得し、BはAさんの為に家事も仕事も全てについて、精一杯の努力をしました。しかし、男手一つで幼子を抱え、生活を送ることは大変です。心配した親戚の伯母さんからの紹介で、BはDとお見合いをし、婚姻しました。Aさんに新しいお母さんが誕生したのです。

新しいお母さんであるDは、Aさんとすぐに打ち解け、AさんはDの事を本当の母のように慕い、DもAさんの為に、毎日の家事やしつけを行いました。夫Bさんも、そんなAさんとDとの関係を、快く思っていました。

月日は流れ、Aさんも結婚して家庭を持ちました。子供も生まれ、幸せに暮らしていました。BDと嫁との仲も良く、年に2回は家族旅行に行くなど、大変仲の良い関係が続いていましたが、Bも加齢を重ね、体調不良を訴えることが多くなってきました。そして、Bは癌を患っていることが判明し、3ヶ月の入院生活の後、73歳で死亡しました。

Bの相続人はAさんと後妻Dの二人です。二人はBが残した遺産に付き、協議によって全てDが相続することとし、遺産分割協議書を作成した上で、預金の解約や自宅の名義を変更する手続を終了させました。Aさんは遺産分割の際に、「父の財産はDが全て相続すればいいよ。相続は順番なのだから、次は自分が相続することになるから、今回は全部お母さんが相続すればいいんだよ。」と言って、Bの遺産の全てをDに相続させました。

その後、Bが亡くなって暫くすると、Dも体調を崩しがちになり、1年後に亡くなってしまいました。

Aさんは、二年続けて自分の父と母を失い、大層沈んでしまいました。通夜、葬儀を終えて少し落ち着いた3ヶ月後に、相続の手続をするために必要な戸籍等を取得するために役所へ出向いたところ、戸籍の窓口で、「貴方はDさんの相続人ではありませんよ。」と、予想もしないことを言われました。

「そんなはずはない。一年前に父の相続をした時も、相続人は母と自分の二人だった。その際に、次は自分ひとりが相続人となるのだから、全ての財産を母に相続させた。母の相続人は自分しかいないはずです。」と主張したところ、

窓口の係官は、「お母さんは後妻さんであり、貴方の生みの親ではない。貴方の本当のお母さんは、貴方が3歳の時に離婚され、その後にお父さんと再婚された方が、今回の被相続人であるDさんです。貴方とDさんの間には養子縁組がなされていないので、貴方がDさんの相続人となることはありません。」ということでした。

養子縁組されていない時の対処法はあるのか

Aさんは、友人の紹介で当事務所を訪れ、役所の戸籍係りの係官に言われた上記事情を説明し、どうしたらよいかを相談されました。当事務所では、上記の理由をお聞きした上で、相続人の確定をするための調査業務をお引受することとなりました。

Aさんから、戸籍と住民票の提出を受け、被相続人であるDさんの死亡の記載がある除籍謄本を取寄せ、出生時まで遡りました。結果、Aさんと被相続人Dとの間に養子縁組の事実がなく、DはBと婚姻する前に婚姻暦があり、直系卑属Eが存在することが判明しました。

当事務所では、Aさんに事情の説明を行い、唯一の相続人であるEさんに事実関係を説明し、全てを明らかにした上で、Eさんの気持ちを聞いてみるしかないと判断しました。

幼少時から実の親子のように生活してきており、父親Bの相続時にもAさんは全く相続をしておらず、Bの全ての財産をDが相続したことやDは婚姻後に外で働いた事実はなく、その遺産の全てが、父親たるBの努力・助力によって構成されたものであることなどを説明したうえで、Eさんに相続の放棄若しくは遺産の一部をAさんに譲渡して頂く事をお願いしました。

「相続放棄」と「相続分の放棄」の違い

当初は困惑されていたEさんにも、Aさんの真意や状況を正確に理解して頂け、全ての相続財産をEさんが相続した上で、自分が望む金額を除く他の財産について、Aさんに贈与することを承諾してくださいました。相続財産の換金を行い、半分をAさんに贈与して頂きました。また、Aさん家族が居住する被相続人名義の不動産については、Dさん単独で相続していたことから、Eさんへ所有権移転登記を行い、売買を原因とするEさんからAさんへの所有権移転登記を行いました。

相続登記(不動産名義変更・所有権移転登記)するためにすべきこと

今回のケースでは、Eさんが大変できた人格の持ち主であり、Aさんの事情も考えて下さる方だったので、何とか形が作れましたが、Eさんが「全て相続する。」と言われてしまえば、その通りにせざるを得ない状況でした。

最後に

Aさんは、お父さんの相続時に戸籍をもっと詳しく見ておくべきだったと後悔されていましたが、その通りです。法律は厳格であり、知らなかったでは済まされません。後で後悔するよりも、先ずは当事務所のような法律家へご相談することをお勧めします。

お父さんの奥さんだからお母さんですか?お母さんの旦那さんだからお父さんとなりますか?
答えは、noという場合があるのです。

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