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遺言書があったほうが良いケースと注意点

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2016年12月23日 公開
遺言書があったほうが良いケースと注意点のアイキャッチ

Q: 遺言書が必要なのはどういう場合ですか?遺言書を書く際に注意したほうがいいことは何ですか?

A: 子供のいない夫婦はぜひお互いのために書いてください。そうしないと、残った人に全財産が渡らない場合があります。

子供がいない夫婦に遺言書が必要な理由

遺言書は相続をめぐる紛争を未然に防ぐという面と、その存在が逆に紛争を引き起こしてしまうという面があります。前者の代表的なケースは子供のいない夫婦の場合です。この場合は夫婦それぞれがお互いのために遺言書を書いておかないと、後々大変なことになります。

子供がいない夫婦の場合、お互いに万一のことがあった時、残った人に全財産が渡らないことが往々にしてあるからです。残念ながら、どちらかが先に亡くなった場合、残されたほうがすべての財産を当然に相続できるわけではありません。

相続ルールを定めた民法では、亡くなった人(被相続人)が所有していた財産を承継する権利がある人(法定相続人)を定めています。夫婦に子供がいれば、その子供が第1順位の相続人です。子供がいない場合で被相続人の親がいれば、その親が第2順位の相続人となり、親が死亡している場合は被相続人の兄弟姉妹が第3順位の相続人となります。被相続人の配偶者は各順位で常に相続人となることができます。遺産をどれだけ相続できるかは相続人同士の組み合わせによって決まります。

子供がいない夫婦の場合、被相続人に親がいなければ、被相続人の兄弟姉妹は全体の4分の1の財産をもらう権利があります。残された配偶者は全体の4分の3を承継できるとはいえ、相続財産のほとんどが自宅だったらどうなるでしょうか。実はこうしたケースでトラブルが発生することが少なくありません。配偶者の兄弟姉妹が相続分を要求してきた結果、住み慣れた自宅を手放すような場合もあるのです。

こうした悲劇を避けるには、どういった対策をして置けばいいでしょうか。弁護士ら専門家は、夫婦がそれぞれ「全財産を配偶者に相続させる」という遺言書を書いておくことをすすめています。兄弟姉妹には、遺言書がある場合は最低限の相続分(遺留分)が認められていないため、前財産をトラブルなく配偶者に残すには遺言書が最適というわけです。

遺言書には大きく分けて「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の2種類があります。公正証書遺言書は、裁判官や検察官などを経験した公証人が遺言書者から内容を聞いて公正証書にまとめるので、公正証書遺言書をすすめる人がほとんどです。

どのような遺言書がもめるのか

反対に、遺言書があったばかりにもめることもあります。

一番もめやすいのは、特定の相続人、あるいは相続人でない人に、多くの、あるいはすべての財産を相続させたり、遺贈したりといった内容の遺言書を書くことです。この場合、遺留分を侵害しているだけでなく、具体的な公平性もありません。

例えば父親が死亡した際、妻でなかった女性に全財産を遺贈すると遺言書に書かれていたら、どうなるでしょうか。その女性が受け入れてしまうと遺言書は有効です。こうなると、子供の相続人は「遺留分減殺請求」を裁判所に申し立てるしかなく、話し合いを飛び越えて一気に法廷での紛争になってしまいます。特定の子供に全財産を相続させる場合も同じような紛争が起こります。

遺言書そのものに対する有効性が争われることもあります。例えば、認知症が進行中の親に遺言書を書かせることは、将来の紛争の種をまいているようなものです。遺言書は具体的な公平感が相続人らに感じられる内容であれば、もめ事だけでなく、遺産分割協議の手間も省いてくれるのであったほうがいいのですが、なかなかこうした遺言書を作成するのは難しいものです。

「争族」を避けるために注意すべきことをまとめてみました。遺留分に配慮し、特別受益寄与分を尊重して、具体的な公平性を確保できるようにする必要があります。

いずれにしても、遺言書がなかったばかりに紛争が起こることもありますし、あったがために紛争が起こることもあります。家族が集まる機会があれば、財産やその分け方について出来るだけ話す機会を増やし、それを具体的に親に遺言書の形で書いてもらうのが一番いいでしょう。弁護士、司法書士といった専門家に頼んで、第三者の立場から、どうしたらもめないのかを相談するのも手かもしれません。

「争族」を防止するための遺言書の注意点など

遺言書をする際の注意点

全ての財産について言及する

不動産などは特定できるように正確に記載する

遺留分を最大限配慮する

遺留分を侵害すると減殺請求の対象になる

特別受益、寄与分を考慮する

特別受益や寄与分の細かい内容は書かずに、それを踏まえた結果を書くのが良い

率直な気持ちなどを「付言事項」として書く

相続人同士で仲良くという気持ちを述べる例が多い法的効力はない。特定の相続人に多く相続させたり遺贈したりする理由などがあれば書く

避けたいこと

正当な理由がないのに、1人の相続人に全財産を与える

もっとも公平さを欠くうえ、遺留分減殺請求を招きかねない

特定の相続人を感情的に責める

遺言書にする例もあるが、触れないのが無難

仲の悪い相続人同士で財産を共有させる

自らもめ事の原因を作っている

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

相続は、どなたにも身近で起きる出来事です、しかし、感情で揉めてしまったり話し合いで解決出来ないことも少なくありません。 相続時には色々なトラブル・悩みが発生するものです、私の40年間という弁護士経験のを元に事例や状況に沿って対処法を電話でも解説可能...

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