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経営者なら誰でも直面する跡継ぎ(事業承継)問題とは

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2016年10月06日 公開
経営者なら誰でも直面する跡継ぎ(事業承継)問題とはのアイキャッチ

後継ぎのいない企業が増加

2016年2月29日に発表した「帝国データバンク 特別企画:2016 年 後継者問題に関する企業の実態調査」によると、社長が60歳以上の半数以上の企業が後継者がいないというデータが発表されている。しかも、非同族(家族・親族以外)の後継者も増加傾向にあるという。

帝国データバンク 特別企画:2016 年 後継者問題に関する企業の実態調査

出典:帝国データバンク 特別企画:2016 年 後継者問題に関する企業の実態調査

そこで、M&A・企業再生・民事再生に精通している「金子博人法律事務所 金子博人弁護士」に現在の中小企業の後継ぎ問題についてお話を伺いました。

1.中小企業の経営者にとって、後継ぎ問題は深刻

中小企業の経営者の平均年齢は2015年で66歳であり、この20年間で19歳もあがっている。また、70歳代の経営者でも半数は後継者が決まっていないという。

息子がいても、跡を継ぎたがらず、娘婿も継いでくれない。社内に良い人材もいない。いても、株を買い取る資金がない。また、中小企業の経営は、従来よりも難しくなり、あえて、自分の子に継がせたくないという例も少なくない。

そのため、中小企業の廃業は多く、従業員20人以下に限れば、2013~14年の2年間で、廃業が開業を17万件上回っている。しかし、廃業とは従業員を路頭に迷わせることにもなり、無責任である。

それだけではない。廃業すると清算で資産の評価替をするので、評価益に法人税が課され、かつ残余財産はみなし配当となるので、ダブルで課税される。そのため、せっかくの長年の蓄積が税金で消えてしまうことになりかねない。

これに対し、会社を誰かが事業承継してくれれば、税金は株の譲渡益の20%で済むし、従業員や取引先に迷惑をかけないですむ。

後継者がいなければ、M&Aで、第三者に譲渡するのがベストの選択のはずである。

2.市場が縮小し、買い手がいないと決め込んでいる経営者も多い

とはいえ、M&Aといっても、市場が縮小しているので、買い手がいないと決め込んでいる経営者も多い。しかし、それは間違った思い込みである。

市場が縮小するときは、強いところがM&Aで集約しながら切り抜けるのが手筋である。また、規模を大きくすれば、海外展開、あるいは技術移転して、多角化する道も開ける。

2007~8年に経営者が交代した中小企業では、2014年に経常利益率は5.50%、逆に経営者が交代しなかった企業は3.37%となっているという統計もある。両者に歴然とした差がでているのだ。M&Aは、それ自体で企業に活力を与えるといえよう。

従って、大部分お中小企業は、売ろうと思えば売れるのだ。

3.いざ売却するとなると、なかなか決断がつかない

しかし、経営者にとっては、今まで長く経営してきた企業を、いざ売却するとなると、なかなか決断がつかないというのが現実のようだ。

だが、売るかどうか迷っていると、経営状況が悪化してしまうことが多い。そうすると、高く売れなくなってしまうことが多いのだ。

中小企業M&Aでの企業評価計算式

M&Aでは、その企業の価値は、原則的には、

純資産の価値+のれん

のれん=(年間営業利益+年間償却費)×2

が、目安となる。

つまり、純資産が変わらなくても、営業利益が低下すれば、価格は下がる。

逆に、高く売りたければ、営業利益を高めておく必要があるのだ。

4.売上が下がって債務過剰状態でも方法はある

なかには、売上が下がって債務過剰状態となり、売りたくても売れないと思っている企業ケースも多い。しかし、この場合も、企業再生に強い弁護士に依頼すれば、第二会社方式などのスキームで切り抜けてくれる。

具体的には、スポンサーを連れてきて、受け皿会社(第二会社)を用意してもらい、利益の上がる営業体をそこに売却し(これはM&A)、残った会社を、特定調停などで清算するというような方法があるのだ。

5.M&Aで売る決意はついても、誰に頼めば良いかわからない

確かに、M&Aの仲介業者は多いが、M&Aの仲介にはライセンスは不要で、規制する法律もない。日本では、M&Aは、誰でもやってよいという、野放し状態である。従って、仲介業者はピンきりであり、慎重に選ぶ必要があるのだ。

今、一番の問題は、M&Aの一業者が双方について、利益相反の状態になることが少なくないことだ。売り手と買い手は、本来利益は鋭く対立するはずである。にもかかわらず、それぞれの立場で、相談に乗ってくれるアドバイザーがいないまま、ことが進んでしまうというのが実状である。

つまり、M&Aは、売り手、買い手のそれぞれに別の代理人がたって、交渉を進めるのが原則であるが、その原則が守られていないのだ。

では、どうしたらよいかであるが、M&Aの仲介業者に依頼する前に、M&Aに精通した弁護士、または公認会計士に相談し、そのアドバイスのもとで、M&Aを進めることがベストである。

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金子 博人 (東京弁護士会所属 / 金子博人法律事務所)

事業承継、M&Aなど、ビジネス面でのサポートに力を入れています。今は、インダストリー4.0ないしIOTのマネージメントのコンサルタントに力を入れています。法務だけでなく、海外進出を含め、経営戦略を総合的に支援します。 2014年からは、新たに医療法人、学校法人のM&A,承継、相続に力を入れていますが、さらに、16年は、インダストリー4.0ないしIOTの支援に努力します。

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編集部 (弁護士)編集部

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