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交通事故など不慮の事故で死亡した場合の相続問題とは

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2016年10月06日 公開
交通事故など不慮の事故で死亡した場合の相続問題とはのアイキャッチ

3月23日、東京・世田谷区の国道246号線で「パトカー追跡による暴走死傷事故」は記憶に新しい。暴走した車は、パトカーなど3台に衝突し6人が死傷。タクシー運転手が亡くなってしまった。車を運転していた20歳の男性からはアルコールが検出されている。

こういった交通事故死亡者数は、全体として減っている傾向はあるものの、2015年で4,117人、毎年4,000人以上の方が命を落としてしまっている。そのうち65歳以上の高齢者の割合は54.6%にも及ぶ。

交通事故で亡くなった場合、損害賠償請求や相続などはどうなるのでしょうか?弁護士さんに伺ってみました。

「誰が」損害賠償請求できる?

交通事故で被害者が亡くなった場合、被害者の損害賠償請求権利を、被害者の相続人が相続により取得します。

したがって、死亡事故の場合、相続人が相続分に応じて損害賠償請求をすることができます。

損害賠償請求は相続税の対象になる?

被害者が亡くなったことに対して支払われる損害賠償金は、相続税の対象になりません。

また、損害賠償金は遺族の所得にあたりますが、法律に非課税とする規定があり、原則として所属税もかかりません。

受け取れる相続人は誰?

相続人の範囲と相続分の割合は、通常の相続の場合と同じです。

まず、相続人の範囲は、次のように定められています。

(1)親族

親族は、次の順番で相続人となります。

① 子

相続開始時に子がすでに死亡している場合、子の子(孫)がいれば、子に代わって、子の相続分を相続します。

② 直系尊属

父母、祖父母、曾祖父母のように、自分より前の世代で、縦の関係にある者を直系尊属と言います。①に該当する者がいない場合、直系尊属が相続人となります。

親等の異なる直系尊属がいる場合、近い者だけが相続人になります。たとえば、父母、祖父母がいずれも存命で孫が死亡したときは、親等がより近い父母が相続人となり、祖父母は相続人にはなりません。

③ 兄弟姉妹

①、②いずれも該当する者がいない場合、兄弟姉妹が相続人となります。

兄弟姉妹が相続開始時に死亡している場合には、その子(甥または姪)が兄弟姉妹の相続分を相続することになります。

(2)配偶者

配偶者がいるときは、配偶者は常に相続人となり、(1)の順に相続人となる親族と同順位となります。

詳しくはこちら

相続の割合・配分は?家系図イラスト(図解)で法定相続分・遺留分の割合がすぐわかる!

100人居たら100パターンの相続があると言われており、割合で表せない思いや家庭環境がそれぞれある場合があります。

今回は、夫...

相続分の配分は?

次に、同順位の相続人がいる場合は、以下の割合で相続します。

(1)配偶者がいないとき

上の①~③の順で相続人が決まり、同順位の相続人が複数いるときは、平等に相続します。ただし、子の子(孫)が子に代わって相続したり、兄弟姉妹の子(甥、姪)が兄弟姉妹に代わって相続したりする場合(代襲相続といいます)、孫や甥・姪は子や兄弟姉妹の相続分を平等の割合で相続します。

例えば、子が二人いたがそのうち一人はすでに死亡しており、その子に二人の子がいた場合(孫が二人いた場合)、相続人は子一人と孫二人の合計三人ですが、相続分は、子二分の一、孫が死亡した子が相続するはずだった二分の一を平等に分ける(四分の一ずつ相続する)ということになります。

(2)配偶者がいるとき

配偶者と親族の割合は、

  1. 配偶者と子がいるとき

    配偶者が二分の一、残り二分の一が子
  2. 配偶者と直系尊属がいるとき

    配偶者が三分の二、残り三分の一が直系尊属
  3. 配偶者と兄弟姉妹がいるとき

    配偶者が四分の三、残り四分の一が兄弟姉妹

となります。同順位の親族が複数いる場合や代襲相続の場合は、上で説明したとおりです。

事故で複数人亡くなった場合ってどうなる?

親族数名が乗っていた車が事故に巻き込まれた場合のように、一つの事故で複数の人が亡くなり、相続が発生することは決して珍しいことではありません。

このような場合には、誰が先に亡くなったかで相続人の範囲、相続分の割合が大きく変わってしまうのですが、必ずしも亡くなった順序を特定できないこともあります。

このような事態の解決のため、民法では、同時死亡の推定という規定を設け、死亡の先後が不明のときは同時に死亡したものと推定することにしています。

相続は、被相続人(亡くなった方)の死亡時に相続人が存在していることが必要ですから、同時に死亡した場合には、同時死亡者の間で相続が発生することはありません。

文章ではわかりにくいかもしれませんので、具体例をあげて説明しましょう。

祖父A、祖母B、父C、母D、孫E(兄弟、配偶者、子はいずれもいない)が乗った車が事故に遭い、CとEが死亡したが、その先後が明らかでないという事例を思い浮かべてください。

どちらか一方が先に亡くなった場合

仮に、Cが先に死亡し、その後にEが死亡したとすると

(1)Cの相続

Cの配偶者Dが二分の一、Cの子にあたるEが二分の一

(2)Eの相続

次に、Eの相続が発生しますが、Eの相続人は直系尊属で親等の近いDのみ。

Eが相続したCの財産の二分の一をDが相続することになり、結果的にC、Eの財産は全てDが取得することに。

もう一方が先に亡くなった場合

(1)Eの相続

Eの直系親族で親等の近いC、Dが相続人となる(二分の一ずつ)

(2)Cの相続

Cの配偶者であるDが三分の二(Eの財産の二分の一を含めた全財産の三分の二)、残り三分の一をA、Bが相続する(六分の一ずつ相続する)ことになります。

このように、どちらが先に死亡したかで結論が大きく変わってしまうにもかかわらず、どちらが先に死亡したかを特定できないとすると、相続の処理をすることができません。

どちらが先に死亡したか特定出来ない「同時死亡の推定」の場合

そこで、民法は、同時死亡の推定の規定をもうけ、「同時死亡と推定される者の間では相続が発生しないこと」として解決を図ったのです。

上の事例では、Cの相続については、Cの子であるEは相続人とならず、配偶者であるDと直系尊属であるA、Bが相続人となり、Eの相続については、Eの父であるCは相続人とならず、母にあたるDのみが相続人となり、Eの全財産を取得することになります。

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