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納税者が死亡時にしなければならない「準確定申告」とは?

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2016年10月06日 公開
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そもそも確定申告とは

所得税及び復興特別所得税の確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税及び復興特別所得税の額を計算し、申告期限までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続きです。

所得は、利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・譲渡所得・山林所得・一時所得・雑所得の10種類に分類されていますが、それらを所定の手順で計算し、税額を算出して申告、納税することを「申告納税」といいます。

しかしながら、一般的なサラリーマンのような給与所得者は、事業所が前年分の所得からその年の分の所得を想定して、それに基づいて算出した税額を給与から代行して徴収及び納付をし、年末調整で本来納めるべき税額との精算を行っているため、原則的には確定申告をしなくてもよいことになっています。

一方で、医療費控除や住宅ローン控除が代表例として挙げられるように、所得間の損益通算や所得控除、税額控除などから所得税の再計算をして、納め過ぎた所得税などを還付してもらうための手続きを「還付申告」といいます。

確定申告で「申告納税」が必要な方

確定申告をして税金を納めなければならない方の主な例を挙げてご説明させていただきます。

  1. 配当所得があった方

    株式の配当金や公募株式投資信託の配当金をもらった方。なお、NISA(少額投資非課税制度)口座での取引は非課税なので確定申告の必要はありません。

  2. 不動産所得のあった方

    賃貸用のマンションやアパート、駐車場などを所有しており、そこからの賃料収入がある方

  3. 事業所得があった方

    農業や酪農、漁業、サービス業などの所得がある方

  4. 給与所得があった方のうち、以下のいずれかに当てはまる方

    ・給与収入が2000万円を超える方

    ・給与は1箇所から受け取っているだけだが、給与所得や退職所得以外の各種の所得金額の合計が20万円を超える方

    ・2箇所以上から給与を受け取っていて、年末調整を受けていない給与とその他の所得金額が20万円を超える方

  5. 退職所得があった人

    源泉徴収されていない退職金を受け取った方

  6. 譲渡所得があった方

    ・上場株式等の譲渡損失を繰り越し控除する特例を受ける方

    ・土地及び建物を売却し、譲渡益がある方

    ・ゴルフ会員権を売却した方

  7. 山林所得があった方

    取得後5年超えの山林を立ち木のまま、あるいは伐採して譲渡した方

確定申告で「還付申告」になる方

給与等から源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金が、年間の所得金額について計算した所得税及び額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納め過ぎとなっている所得税及び復興特別所得税の還付を受け取ることができます。

次に、確定申告を行うと税金が還付される可能性のある方の主な例を挙げてご説明させていただきます。

  1. 退職した方

    1年の途中で退職して年末調整していない方や、退職金以外の収入が少なかった方

  2. 以下のような所得控除を受ける方

    ・医療費控除

    生計を同一にする親族が、1年間に支払った医療費の合計が10万円を超える方

    ・雑損控除

    台風や地震・火事などの災害や、シロアリ・盗難・横領などで家屋や家財に損害を被った方

    ・ふるさと納税などの寄付金控除

    国や地方公共団体、NPO法人などの特定の団体へ、ふるさと納税を含む寄付をした方。税額控除の「寄付金特別控除」を選択することも可能で、どちらか有利な方を選択することができます。

    ・年末調整で、生命保険料控除や地震保険料控除を受け忘れた方

  3. 以下のような税額控除を受ける方

    ・住宅ローンを組んで、住宅ローン控除を受けたい方

    ・自己資金で耐震工事や、省エネ・バリアフリー改修工事を行った方

納税者が死亡したときの確定申告=準確定申告

上記のとおり、所得税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について計算し、その所得金額に対する税額を算出して、翌年の2月16日から3月15日までの期間に申告と納税をすることとなっています。

ところが、年の途中で死亡した方の場合は、その方の相続人が、1月1日からお亡くなりになった日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に、相続人または包括受遺者が、亡くなられた方の死亡当時の住所地を管轄する税務署に、申告と納税をしなければならないこととなっています。これを「準確定申告」といいます。

準確定申告をする場合の注意点

  1. 申告期限

    確定申告をしなければならない方が、本来、確定申告すべき年の1月1日から確定申告の期限(原則としては3月15日)までの期間に申告書を提出しないで死亡してしまった場合の申告期限は、本来申告しなければならなかった前年分の申告、及び死亡した年の1月1日から死亡日までの分の申告共に、相続開始のあったことを知った日の翌日から4ヶ月以内となります。

  2. 相続人が2人以上の場合

    相続人が2人以上いる場合は、各相続人が申告書に連署して準確定申告書を提出します。

    ただし、他の相続人の氏名を付記して各相続人が個別に提出することもできますが、この場合、申告書を提出した相続人は、他の相続人に対し、申告した内容を通知しなければなりません。

  3. 準確定申告における所得控除の適用の可否

    ・医療費控除の対象となるのは、相続の開始前までに被相続人が支払った医療費までであり、相続開始後に相続人が支払った医療費について被相続人の準確定申告において医療費控除の対象に含めることはできません。相続開始後に支払った被相続人の医療費については、その医療費を負担した方が確定申告をするときの医療費控除の対象となるのです。

    ・社会保険料、生命保険料、地震保険料の控除の対象となるのは、医療費控除と同様、相続開始前までに被相続人が支払ったものまでです。

    ・配偶者控除や扶養控除に該当するかどうかの判断については、相続が開始された日の現況によって行われます。

    ・被相続人が消費税の納税義務者であった場合は、消費税の申告も併せて行う必要があります。

準確定申告の確定申告書と付表の書き方・雛形・サンプル集
ここでは、準確定申告の確定申告書と付表の書き方・雛形・サンプル集をダウンロード出来る様にしております
被相続人(亡くなった方)...

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

相続は、どなたにも身近で起きる出来事です、しかし、感情で揉めてしまったり話し合いで解決出来ないことも少なくありません。 相続時には色々なトラブル・悩みが発生するものです、私の40年間という弁護士経験のを元に事例や状況に沿って対処法を電話でも解説可能...

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