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認知症の相続人がいる場合の遺産相続の対処法とは

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2016年10月06日 公開
認知症の相続人がいる場合の遺産相続の対処法とはのアイキャッチ

Q:相続人に認知症の人がいる場合はどうすればいいですか?

A:その相続人を参加させずに遺産分割協議をしたり、相続分を不当に減らしたりといったことは許されません。必ず「成年後見人」を立てましょう。

3種類ある「成年後見制度」を利用する

相続人のいずれかが認知症、知的障害、精神障害のため判断能力が不十分だからといって、その相続人を参加させずに遺産分割協議をしたり、相続分を不当に減らしたりといったことは許されません。本人の判断能力の程度によっては「成年後見制度」を利用せずに遺産分割協議をするケースもあるようですが、判断能力が不十分な相続人も被相続人財産を承継する権利があり、その人を参加させない協議は法律的に無効になります。

判断能力が不十分な相続人については代理人を選び、その代理人が本人のために協議をする必要があります。代理人には本人の意思で選任する「任意代理人」と、一定の場合に法律上必要な「法定代理人」がありますが、本人の判断能力が低下してしまった場合は法定代理人にする必要があります。

ここで利用しなければならないのが「成年後見制度」です。

成年後見制度とは

認知症や知的障害、精神障害で判断能力が欠けたり不十分だったりする人のための身上監護と財産管理制度です。

身上監護は介護保険の申請や介護サービス契約、施設入所契約の締結の代理などです。財産管理は被後見人名義の預金や不動産などの管理・運用です。

遺産分割協議も財産管理の中の重要な行為です。

認知症などの人の法定代理人を「後見人」と言います。成年後見制度は本人の判断能力の程度により「後見」「保佐」「補助」の3種類があります。

本人の判断能力がほとんどない場合は「後見」、著しく不十分な場合は「保佐」、不十分な場合は「補助」です。

成年後見人は財産に関する全ての法律行為に代理権があるのに対し、保佐人及び補助人は、本人の一定の行為に対する同意権や代理権しか有していない点に注意が必要ですが、遺産分割協議については、相続人が被後見人の場合は,後見人が代理を行い、相続人が被保佐人若しくは補助人の場合は、行われた遺産分割協議に対し、保佐人若しくは補助人が同意を与えることとなります。

本人の家族などが家庭裁判所に申し立てをして、家庭裁判所が成年後見人らを選任します。本人の子供など親族が成年後見人らになる場合は約35%です。(2014年、最高裁まとめ)。裁判所へ申し立てる際は本人の財産を調べるなど書類を整える必要があります。

ただし、父親が死亡し、母親、子供のうち、母親が認知症の場合、家庭裁判所が子供を母親の成年後見人にした場合でも、遺産分割協議を行う際には、家庭裁判所が選んだ「特別代理人」が務めることになります。遺産分割協議では、自らも相続人である子どもと母親の利益が相反するからです。特別代理人は、弁護士、司法書士ら法律専門職が務めるケースが多いようです。

ところで、成年後見制度は、遺産分割協議が終了しても本人が死亡するか判断能力が回復するまで成年後見制度を利用する必要があります。「本人の預貯金の換金がすんだので利用をやめたい」ということは不可能です。

一方、利用中は家庭裁判所に定期的に報告が必要です。本人の財産の不正流用がないかを家裁がチェックするためです。

成年後見の申し立てに必要な主な書類(東京家裁のケース)

1. 後見などの開始申立書

・申立人、本人、成年後見人候補者を記載

2. 申し立ての事情説明書

・「認知症の本人の財産管理のため」などと記載

・本人の生活場所や介護認定の等級なども記載

3. 親族の同意書

・本人の配偶者や子どもなど。困難なら提出しなくてもよい

4. 後見人候補者事情説明書

・候補者の氏名、住所、経歴、経済状態(年収など)

5. 財産目録

・不動産は所在、種類や面積など

・預貯金は金融機関名、支店名、口座番号、金額

・保険、株式は種類や金額

・負債の金額も記載する

6. 収支状況報告書

・収入は年金や株式の配当金など

・支出は生活費、療養費、税金、ローン返済額など

7. 親族関係図

・本人を中心に記載

8. 診断書

・通常は主治医が記載する

・診断名、判断能力についての意見や根拠など

この記事の著者

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

相続は、どなたにも身近で起きる出来事です、しかし、感情で揉めてしまったり話し合いで解決出来ないことも少なくありません。 相続時には色々なトラブル・悩みが発生するものです、私の40年間という弁護士経験のを元に事例や状況に沿って対処法を電話でも解説可能...

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