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【弁護士監修】え?子供でも相続人になれないって本当?「相続欠格」と「相続廃除」とは?

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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更新日:2018年12月29日
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相続の欠格とは

子供の非行も、バイクを乗り回しているうちはまだよいとしても、家族に暴力を振るい、親に危害を加えるようになると一家の崩壊にも繋がりかねません。そして、子どもが親を殺した、などという報道を耳にしますと、背筋が寒くなる思いがします。

被相続人の子は相続権があるといっても、そんな子供に財産を相続させるのは、誰が考えても不合理なことでしょう。

そこで、民法では、相続人に一定の重大な非行がある場合、相続人としての資格を失わせることにしています。これを「相続欠格」といい、5つの事由を挙げています。これらのうち一つでも該当した場合は、法律上当然に相続人から除外されることとなります。

相続欠格となる5つの事由

  1. 被相続人や、自分より先順位にある相続人、または自分と同順位で相続人となるはずの者を故意に殺したり、殺そうとしたために刑に処せられた者
  2. 被相続人が殺されたことを知りながら、それを告訴、告発しなかった者
  3. 詐欺や強迫によって、被相続人が遺言しようとするものを取り消したり、変更したりするのを妨げた者
  4. 詐欺や強迫によって、被相続人に遺言させたり、または、遺言を取り消させたり、変更させたりした者
  5. 被相続人の遺言を偽造したり、変更したり、破棄したり、隠匿した者

これらの事由を見てみると、被相続人やほかの相続人の生命を侵害し、相続財産を独占しようとした場合のほか、被相続人の遺言に干渉し、有利に相続しようとする行為も欠格の原因となります。相続権のあるものに上記欠格原因があれば、それだけで相続資格はなくなり、特に裁判所などの手続は必要ありません。

ちなみに、相続欠格事由全体をとおして、それぞれの欠格事由に該当する故意のほかに、それによって相続上の利益を得る目的がなければ欠格者とされず、いわゆる二重の故意が必要となります。

相続欠格は、法律上当然にその効果を生じますので、相続欠格者の戸籍には記載されません。

〈不当な利益目的ではない場合の判例紹介〉

相続人が相続に関する被相続人の遺言書を破棄又は隠匿した場合において、相続人の右行為が相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、右相続人は、民法八九一条五号の趣旨は遺言に関し著しく不当な干渉行為をした相続人に対して相続人となる資格を失わせるという民事上の制裁を課そうとするところにあるが、遺言書の破棄又は隠匿行為が相続に関して不当な利益を目的とするところにあるが、遺言書の破棄又は隠匿行為が相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、これを遺言に関する著しく不当な干渉行為ということはできず、このような行為をした者に相続人となる資格を失わせるという厳しい制裁を課することは、同条五号の趣旨に沿わないからである。

相続人の廃除は現代版「勘当」・・

次に、相続人を廃除することもできます。

昔は「勘当」といって、親子の縁を断ち切る方法が制度として認められていました。今も言葉としては残っていますが、法律上は死語でとなっています。しかし、「こんなドラ息子に財産などもってのほか」とういうように、勘当したいようなケースもあり得るのではないでしょうか。かといって、「お前は勘当だ」と怒鳴っても、相続欠格に該当しないかぎり、相続権がなくなるものでもありません。

そこで、相続欠格ほどではないが、相続人となるべき者に一定の非行があったときは、被相続人の意思により、相続権を奪う制度が認められています。これを「相続人の廃除」といいます。

相続に関する、現代の勘当制度といえるかもしれません。

相続廃除となる3つの事由

相続人の廃除の原因となるのは、次の3つの場合で、相続人となる予定の者(これを推定相続人といいます)のうち、「遺留分」があるものが廃除の対象となります。

① 被相続人に対して虐待したとき

② 被相続人に対して重大な侮辱を加えたとき

③ そのほか著しい非行があったとき

ちなみに遺留分とは、相続人が最低これだけはもらえる相続財産に対する割合のことです。これは、配偶者、子、直系尊属(父母など)には認められていますが、兄弟姉妹には認められていません。したがって、遺留分権利者でない兄弟姉妹は相続人廃除の対象にはなりません。

ただし、推定相続人が兄弟姉妹の場合、兄弟姉妹に財産を相続させたくないと思ったら、遺言で相続人を指定すればよいのです。上記のとおり、兄弟姉妹相続については遺留分はないので、遺言さえ有効なものであれば、それを以って相続の手続きを行うことができるからです。

相続人廃除の進め方

相続人廃除をするためには、家庭裁判所へ相続人廃除の請求(申し立て)をしなければなりません。申し立ては、生前に行うこともできますし、遺言に廃除する旨を書いておくこともできます。遺言の場合は、指定された遺言執行人が被相続人に代わって家庭裁判所に廃除請求をすることになります。

いずれにしても、廃除はその人の相続権を奪う重大な事項ですから、家庭裁判所で慎重に審理をしたうえで決定されるのです。

廃除が決定すると、その旨が戸籍に記載されることになります。(相続欠格との違いにご注意下さい。)

なお、前述の相続欠格や相続廃除で相続権がなくなったときは、その人の子が代わりに相続人になります。つまり、相続欠格や廃除があった場合は「代襲相続」となるわけです。

廃除の手続は、生前に被相続人の住所地の家庭裁判所に申し立てる場合(生前廃除)と、遺言によって、被相続人が廃除の意思表示をしていれば遺言執行者が申立てる場合(遺言廃除)があります。そして、審判が確定(又は調停が成立)すれば、市町村役場に「推定相続人廃除届」を提出されます。そして、戸籍の「身分事項」欄には推定相続人から廃除された旨が記載されます。

最後に、今回のようにデリケートな手続きについては、お一人で悩まずに弁護士に相談をしてみてはいかがでしょうか。

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