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贈与税に時効がある?知らないと損をする贈与税のアイキャッチ

贈与税に時効がある?知らないと損をする贈与税

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2016年10月06日 公開
贈与税に時効がある?知らないと損をする贈与税のアイキャッチ

皆さんは時効という言葉を聞くと、どんな事柄を思い出すでしょうか。

多くの方は犯罪の時効のことを思い出すのではないかと思います。一定の期間が経過すれば不問にされるというものですね。

実はこの時効という要素は、贈与税にも存在するのです。ほとんどの方が聞いてびっくりするのではないでしょうか。贈与税自体身近にあるものではありませんし、ましてやその時効というのであれば何のことかわからないと思います。

滞りなく贈与し終えた、もしくは贈与に関しては完璧だと自負していても見落としてしまって気付かないうちに時効を迎えているかもしれません。

そこで今回は知らないと損をする贈与税の時効についてまとめてみました。知らないうちに損をしてしまわない様に一読していただければ幸いです。

そもそも贈与税とは何ぞやということに軽く触れ、どうして時効があるのかということをご紹介していきます。

贈与税はどんな税?

まずは聞きなれない贈与税がどんなものであるか簡単にご説明します。

贈与とは

無償で相手に財産を贈ることを指し、その財産に対して税金を支払う義務が生まれるのが贈与税です。法的には贈与する側の贈る意思表示とそれを受諾する受取側の契約ということになりますので、「あげます」「もらいます」という意思の合意が必要。

これだけでは、日々の生活上でも色々な行為で贈与税が発生してしまいそうですね。

贈与税は年間110万円を超えると発生

贈与が発生してしまうケースとしては、例えば、子供への仕送りや友人の結婚式などがあります。贈与税には基礎控除額というものが設定されていて、1年間に110万円以内の贈与であれば、税金は掛からないことになります。

子供への仕送りも友人の結婚式で包むお祝いも、滅多なことでは110万円を超える事はありませんね。それに加え、社会的に一般的なお祝いである場合は、贈与税の対象にはあたりません。

仕送りに関しても教育費や生活費という内容、範囲であれば、そもそも贈与税の対象にはならないのでご安心ください。

ただし、年間と110万円以内の贈与であれば、と述べましたが、これは一人が受け取る贈与額の合計という意味になります。

例えば、Aさんから100万円、Bさんから50万円を受け取った場合は、計150万円の贈与を受けたことになるので、贈与税が発生することになります。

誰にいくらもらったという点に留意するのではなく、自分が一年間に合計いくらの贈与を受けたかということが焦点となるのです。また、贈与の仕方によっては、税逃れや基礎控除額を計算上超えてしまうケースもあるようです。

正しい贈与、贈与税を把握するためにも、贈与を検討する際は税務署などに相談をすると良いでしょう。

贈与税の税率は?

贈与税は、平成27年に改正しており、贈与された金額から基礎控除額(110万円)を引いた課税価格ともらった相手によって変動します。

詳しくは下記コラムををご覧下さい

平成27年に贈与税はどう改正された?6つの改正点とは

皆さんは“贈与税”というものが平成27年に改正されたというのをご存知でしょうか。何となく覚えている、まったく知らないという方、様々だ...

贈与税に時効がある?

それでは、肝心の贈与税の時効について説明します。

贈与税の時効とは、贈与税が発生する場合に無作為、或いは故意に申告しなかった場合に一定期間経過後に支払う義務が無効化されることを指します。

犯罪における時効と本質的には何ら変わり有りません。

ただし、無作為による申告漏れは申告期限から6年経過、故意による悪質な申告漏れは申告期限から6年経過+1年=7年間経たなければ時効にはなりません。

どの様に一定期間経てばいいのかと言うと税務署に捜査、指摘されない、未申告の贈与税を請求されずに上記の期間が過ぎれば良いのです。刑事事件と比べると期間が短い様に感じます。

つまり、贈与税が発生したからと言ってすぐに払うのではなく、時効を待つという選択肢も実は存在することになります。

ある事情で1年間に5000万円を贈与されたとしましょう。支払う贈与税は1000万円-110万円(基礎控除)=890万円に対して掛かる贈与税です。仮に890×20%=178万円が贈与税だと仮定します。

贈与を受けた日から6~7年間税務署から指摘がなければ、1000万円がまるまる手元に使えるお金として入ってきたことになります。逆に正しく申告してしまえば、贈与税を支払った残り822万円が手元に残るのみです。

国民には納税の義務があるので、申告した方がいい・悪いで言えば、明らかに前者でしょう。故意にというのはいただけませんが、贈与税が発生することを忘れてしまっているケースもあるかもしれません。

ただし、気を付けなければならないのが、大変悪質であると判断された場合は刑事罰に問われる場合もあります。

そこまで問われないとしても追加で税金を納めることになると思いますので、その点は留意しておきましょう。

贈与税の時効は遺産相続でバレる

こうして時効を迎えれば贈与税を支払わなくても良くなるとお伝えしてきました。

贈与という名目は大変把握しづらく、内容や流れを把握しづらいため、贈与税の申告漏れは発生件数が大変多いと言われています。

そのため、よほどの大金、目に付くような贈与でなければ、ほぼ税務署から指摘されることはないように思えます。

しかし、中には一発で贈与税の申告漏れがばれてしまうケースもあるのです。それは相続時です。なぜなら相続時は、あらゆることを税務署が検査、調査しますので、申告漏れでなおかつ、時効を迎えていない贈与税を請求される確率は非常に高くなります。

相続対策としてもそうならないために計画的な贈与、財産の委譲を行うことをおすすめします。短絡的に1000万円を贈与し、税金を逃れたいがために時効を狙うのではなく、計画的に毎年100万円ずつ贈与をすれば何の問題もありません。

あまりに基礎控除額ぎりぎりで定期的に行うと税逃れを指摘される場合もあります。その場合は、多少基礎控除を超えたとしても、贈与税を納めると滞りなく贈与することが出来る場合もあるそうです。

時効を過ぎていても税金が取られてしまう場合もある

なんで?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、時効を過ぎていてもそもそも「贈与」と認められない場合があります。

孫のために孫の口座名義で預金している(名義預金)場合や、父の退職金を母の口座で貯金しているケースなど夫婦間の贈与などは贈与として認められないケースもあります。

亡くなった祖母(祖父)が孫名義の預金をしていたら

亡くなった父方の祖母が、生前に、孫である私の名義で預金をしてくれていたことがわかりました。祖母が亡くなっていますが、その預金を受け取...

贈与として認められないケースは大きく3つに分類されます。

両者に意思の合意が無い場合

前に挙げた「孫のための名義預金」など、もらっているという認識がない場合、贈与として認められず、ただ預けているだけになります。

贈与として確実に認められるには、贈与契約書などを用意していくと良いでしょう。

管理・支配が移転していない場合

両者が合意していたとしても、孫の通帳を祖父母が通帳を保管・管理している場合などは、その財産が受け取った人に移っていないと判断され贈与して認められません。

夫婦間での贈与の場合

夫婦での資金移動については、贈与して認められないことが多いです。

例えば、妻が生活費などを夫から受け取り、やり繰りして余ったお金を妻の口座に貯金していることも多いかと思います。妻の管理している口座での預金であり、両者の合意を満たしていますが、その原資は夫であるため、夫が亡くなった際には、妻の口座のお金も夫の相続財産になってしまう可能性が高いです。

贈与と相続は密接に関わってくる可能性が高く、生命保険や生前贈与も計画的に行うことをお勧めいたします。相続税・贈与税では多額な請求が来ることもありますので、事前に相続に詳しい弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナーなどにご相談してみてはいかがでしょうか?

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