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【個人事業主・経営者向け】国の退職金制度(小規模企業共済)を活用するには?

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2016年10月06日 公開
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老後が心配

最近は年齢に限らずに老後を心配する人が増えてきました。

40、50代の方が老後を心配するのであればわかりますが、10代、20代と言った若者まで老後を意識した生活を送っているそうです。こうした現代の日本人の傾向は、恐らく様々な神話が崩壊したからだと思います。

崩壊した理由は主に2つ。

まず1つは、未だ根強い年金受給問題です。

やっとの思いで長年支払い続けてきた年金をいざ受け取る時分になったら受け取れないというやつですね。怒りに打ち震えない方がおかしいでしょう。

これでは年金は払い損だと言われても致し方ないかと思います。

次に少子高齢化により年金を支える人数が減るのに分配するパイが増えるという問題です。現在は約3人に対して1人の年金受給者を支えています。その人数が将来的には2人が1人を支える構図になると言われています。

はたして3人で支えて成り立つ制度が、2人になって問題なく運用できるものでしょうか。

こうした原因があるのでは根底から安心出来るものなど何一つありませんね。そのため個人個人、あるいは各々のコミィニティで老後に対しての蓄えを行おうとした動きが起こるのは当然です。

そこで老後の退職した時に役立ち、余生をより豊かにしてくれる国の退職金制度、小規模企業共済をご紹介したいと思います。

憧れの老後ライフは今や自分自身で掴み取る時代になっているのです。

ぜひとも、長い年月を頑張り抜いたご褒美的な隠居生活を送るためにも、今のうちに生活の一部へと取り入れてみてください。

小規模企業共済とは

まず小規模企業共済とは、小規模な企業で加入できる共済の積立制度です。

例えば、個人でお店を運営している個人事業主や共同経営者、会社役員などが対象になります。簡単に言ってしまえば、経営者向けの退職金制度といっても差し支えないでしょう。

雇われている社員側とは違い、基本的に小規模な会社の経営者は退職金というものが出ません。それは小規模な会社の経営者が退職=会社を整理するという図式が成り立ちやすいのと、雇用している社員に向けた退職金積立のみをしているケースが非常に多いからです。

そのため経営者ポジションにある方々が別途退職金のようにまとまった額をもらいたいというのであれば、こうした共済を利用してプールしておくしかないのです。

大企業とは違って、中小企業は倒産、破産は珍しいことではありません。ちょっとしたことで資金運用が立ち行かなくなってしまいます。そのトップはいわば会社と一蓮托生とも言える不安定を極める状況にいると言ってもよいですね。

こうした経営者たちを手厚く保護する制度がなければ、誰も上手くいく保障などない起業を行わなくなってしまいますね。ということで国が昭和40年頃に小規模企業共済法という法律を軸に作り上げたのが、小規模企業共済です。

小規模企業共済に加入する条件

そんな小規模企業共済ですが、加入するにはいくつか条件があります。個人事業主、社長格ならば誰しも入れるというものでもないのです。

加入条件は職種雇用人数で変化します。

主に職種と雇用人数で2パターンが存在し、常に正社員として働いている従業員が20人以下の個人事業主、その共同経営者、または役員というパターン。

そして、宿泊業と娯楽業を除いた商業とサービス業では5人以下の個人事業主、その共同経営者、または役員というパターンがあります。

この要件満たしていれば小規模企業救済に加入し、自身の退職金を作り出すことが可能です。毎月払う掛け金は控除対象になるので、税金対策として積極的に利用される方も多いとのこと。節税にもなって退職金にもなると言うのであれば利用しない手はありませんね。

小規模企業共済に入れないケース

しかし、いざ利用しようと思ったら加入出来なかったというケースもいくつか存在します。

例えば、自身が会社員がメインの収入源であり、副業として個人事業をしていた場合です。

そして、事業専業者として働いている共同経営者ではない配偶者も共済に入る事が出来ません。

あくまでもこの共済は、ご自身の事業メインで生計を立てている個人事業主とその共同経営者、または役員が対象という訳です。

事業専業者というのは、個人事業主と生計が同一で、なおかつ1年を通して半年以上その事業で働く人のことを指します。

今や週末起業などと言う言葉も目にするくらい、ノドマ的副業がを行う方が増えています。そして、夫婦で切り盛りをするお店というのは大変多いことでしょ。

意外とご自身では加入条件を満たしていると思っていても満たしていない場合が多々あるので、要注意です。

実際に国の退職金制度を利用するには

それでは、実際にどのように運用していけば良いのでしょうか。

まず加入して掛け金を積み立てていく場面では、節税と後の再スタートの貯金を考えて人生に盛り込むと良いと思います。積立では税金が掛からないので、ほぼ貯金をしているのと変わりありません。

退職後の再スタートにはある程度まとまったお金があるに越したことはありませんから、元手と捉えてもいいですね。

この積立金を受け取る場面では、年金に+αして上乗せする形にしても良いですし、退職金形式でもらって役立ててももちろん構いません。というのも小規模企業共済は、10年~15年間に掛けて分割して受け取ることも可能なのです。

ただしこの場合は、控除内容が変化し、公的年金控除になります。どちらにせよ控除を受けることができ、節税になるのでお得なのは間違いありません。

契約者が亡くなって相続が発生した場合

小規模企業共済に加入している契約者が亡くなった場合、2つの方法が考えられます。

方法1 死亡退職金として受け取る

小規模企業共済の契約者が亡くなった場合、遺族の方が共済金を死亡退職金としての受給権(請求する権利)を得ることになります。

この受給権は、小規模企業共済法という法律で誰に受給権があるのか、受給権の優先順位が定められています。

受給権の順位は相続と異なる

この順位は、通常の相続と異なり、配偶者(内縁含む)→子・親・孫・祖父母の順位ですが、あくまで契約者の収入で生計を立てていた方が優先されます。

もし、契約者の収入で生計を立てていた方がいない場合は、子→親→孫→祖父母という順位になります。

相続税としての扱い

相続税としては、死亡退職金=みなし相続財産として扱われますので、相続税の計算に含める必要がありますが、相続人が共済金を受け取った場合は、退職手当金等の非課税の適用があります。他に受取る死亡退職金を含め、500万円×法定相続人の数の金額の範囲内であれば相続税がかかりません。

方法2 共済契約を承継する(個人事業主や共同経営者の場合)

契約者が個人事業主や共同経営者の場合、配偶者や子がその個人事業を全て相続したり、共同経営者が地位を相続したなどの条件を満たしていれば、掛け金の納付月数を継承して通算する共済契約を引き継ぐ「承継通算」という方法もあります。

承継するメリット

共済契約者が亡くなった場合、死亡退職金でご説明したように共済金を受け取る順位は決まっていますので、契約者の配偶者・子がいる場合に子が事業を引き継いだときは、小規模企業共済法により共済金は配偶者に支払われますので、子が受け取ることはできません。

しかし、この承継であれば、事業を引き継ぐ子供に共済金を受け取る権利も渡すことが出来るのです。

相続税の扱い

死亡退職金と同様、みなし相続財産として扱われますので、相続人が共済金を受け取った場合は、退職手当金等の非課税の適用があります。他に受取る死亡退職金を含め、500万円×法定相続人の数の金額の範囲内であれば相続税がかかりません。

ぜひともお得な国の退職金制度、小規模企業救済を今のうちに加入し、慎重な方は年金形式、何かやりたいことがある方は退職金形式など、より人生が豊かになるための一助にしていただければと思います。

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