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【弁護士監修】自筆の遺言書より確実!公正証書遺言の作成方法を伝授

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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2016年10月06日 公開
自筆の遺言書より確実!公正証書遺言の作成方法を伝授のアイキャッチ

遺言とは

自分が生涯をかけて築き、かつ守ってきた大切な財産を、もっとも有効・有意義に活用してもらうために行う、遺言者の自由な最終意思を確保するための制度です。

世の中では、遺言がなかったために、相続を巡って家族や兄弟姉妹間で争い(所謂、「争続(アラソウゾク)」)が起こることも少なくありません。

遺言は、遺言者自らが、自分の残した財産の帰属を決め、相続を巡る争いを防止しようとすることに主たる目的があります。

したがって、遺言は代理人によってすることが許されず、厳格に方式が定まっており、一定の事項についてきちんと記載しなければならない、遺言者の単独行為です。単独行為とは、相手の承諾を必要とせず、一方的な意思表示だけで効力が生じる法律行為のことを言います。

遺言は遺言者が生前に、自由に自分の財産を処分するための方法であり、遺言の効力は死後生じるため、本人の生存中には何の効力もなく、また、いつでも遺言の方式にしたがって、その遺言の全部または一部を撤回することができます。

民法の定める遺言の方法には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の方法があります。(民法第967条)

公正証書遺言とは

証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口述し、それに基づいて、公証人が遺言者の真意を正確に文章にまとめ、公正証書遺言として作成してもらう遺言のことです(民法第969条)。

公正証書遺言のメリット

法律の専門家である公証人に依頼して作成するもので、方式・内容においてももっとも確実で、遺言者の意思を、遺言者が亡くなった後、実現するものとしては優れている方式です。法律的にも検討が加えられるため、まず無効になることがない明確なものができるものと考えられます。

病気等で手が不自由で自書のできない場合や、口や耳の不自由な場合でも、通訳人の通訳を通じて申述することにより、公証人にその意思を伝えることができれば、公正証書遺言ができます。また、公証役場に出向くことが困難な場合でも、公証人が自宅や病院等に出向いてくれる場合もあります。さらに、遺言書の原本は公証人役場に保管されるため、偽造・変造の恐れがなく、また、家庭裁判所での検認手続きの必要もなく、遺言の執行が迅速にできます。

公正証書遺言のデメリット

作成のための費用・手間がかかり、2人以上の証人が必要、証人には、遺言の内容が知れてしまうなどがあります。

公正証書遺言の作成の準備

どのような内容の遺言にするのか、意思を明確にする必要があります。

  1. 相続財産の全てを具体的に網羅し、誰に対して何を(どの財産を)引き継がせるのか。
  2. 遺言執行者を誰に指定するのか。(遺言執行者とは、遺言内容実現のために、登記所や銀行等で名義変更等の手続きを行うことができる人)
  3. 祭祀継承者(墓を引継ぎ、遺言者や先祖の法要を主宰すべき者)を誰に指定するのか。
  4. 証人は誰にお願いするのか。(未成年者・遺言者の推定相続人・受遺者及びその配偶者並びに直系血族・公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人は証人にはなれません。)(民法第974条)

〈必要となる書類〉

  1. 遺言者本人の確認資料(印鑑証明書・運転免許証・住基カード等顔写真入りの公的機関の発行した証明書のいずれか一つ。)
  2. 遺言者と相続人との続柄がわかる戸籍謄本(全部事項証明書)
  3. 財産を相続人以外の人に遺贈する場合、その人の住民票(法人の場合には資格証明書)
  4. 財産の中に不動産がある場合、登記事項証明書(登記簿謄本)・固定資産評価証明書、または、固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書
  5. 証人2人が必要になりますが、証人予定者の氏名・住所・生年月日・職業をメモしたもの。
  6. 遺言執行者を指定する場合、氏名・住所・職業・生年月日・職業をメモしたもの。
  7. 他公証人が指定した資料が必要になる場合もあります。

公正証書作成日当日

指定された日に遺言者と、証人2人が公証人役場に出向きます。

遺言書案は事前の打ち合わせにより、公証人の方で予め用意していますので、当日、公証人より遺言書の趣旨を口頭で聞き、内容が遺言書案と相違ないことを確認した上で、署名捺印をすることで公正証書遺言書が完成します。

公正証書遺言書の原本は公証人役場に保存され、正本と謄本各1通が交付されます。

※ 遺言者は実印を、証人は認印を持参することになります。

※ 公正証書遺言書の作成費用は、手数料令という政令で法定されています。公証役場にお問合せ下さい。

ここでご注意いただきたいのは、争いを避けるために遺言があったとしても、「遺留分」を侵害するとトラブルになるケースがあるということです。

遺留分制度とは

故人名義の財産といっても、妻や子といった家族の協力によって得られたものが多く、それらの財産には協力者である家族の潜在的持分が含まれていると考えられますので、この潜在的持分を確保する必要があります。また、残された家族の生活を保証するためにも、故人の財産を、ある程度の部分は確保する必要があります。

そこで、この両者の調和をはかる観点から、遺言の効力を一部否定し、一定割合の相続財産を残さなければなりません。これを「遺留分制度」といいます。

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遺留分請求権利者

  • 配偶者
  • 直系尊属(父母・祖父母など自分より前の世代で、直通する系統の親族、養父母も含まれます。)
  • 直系卑属(子・孫など自分より後の世代で、直通する系統の親族、養子も含まれます。)

各相続人の遺留分の具体例

配偶者のみ       配偶者が2分の1

子供のみ      子供が2分1

配偶者と子供    配偶者が4分の1 子が4分の1

配偶者と父母    配偶者が3分の1 父母が6分の1

配偶者と兄弟姉妹  配偶者が2分の1 兄弟姉妹は遺留分なし

父母のみ      父母が3分の1

兄弟姉妹のみ    兄弟姉妹には遺留分なし

※代襲相続による相続人にも遺留分の権利があります。

遺留分を侵害する遺言であっても、無効になるわけではありません。

遺留分を取り返す権利を行使するかどうかは相続人の自由であり、「遺留分減殺請求権」が行使されるまでは有効な遺言として効力を有します。遺言書で財産を相続または遺贈される方は、その内容どおり現金や不動産を受け取っても構いません。

しかしながら、遺留分減殺請求をされた場合には、その侵害した分をその相続人に支払わなければならないので、注意が必要です。遺言を作成する時には、遺留分についても念頭に置いて、遺言の内容を検討される方がよいかもしれません。

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

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