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相続税の延納とは?期間と利子税

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更新日:2018年12月29日
相続税の延納とは?期間と利子税のアイキャッチ

相続税の延納とは、相続税の納付は10ヶ月以内に金銭による一括納付となっています、納付が困難な際は、一定条件を満たしていれば延納という形で、相続税を分割して納付することを指します。

また、金額を限度し一定の条件を満たしていれば、相続財産(物)による納付する事を、物納制度というものもあります。

相続遺産の割合・内容で延納を認めてもらうには、担保の提供など以下の条件が必要な上に、税金(利子税)がかかります、延納(分割)が認められる期間は、5~20年で以下条件になります。

(1)担保を提供すること

(2)相続税が10万円を超えている

(3)一括して金銭で納付できない正当な理由がある

(4)相続の開始を知った翌日から10ヶ月以内の申告期限に延納申告書を提出し税務署長の許可を得ること

※延納期間が3年以内で税額が50万円未満であれば、担保の提供は不要

■延納できる期間と利子税

相続財産のうち不動産等の価額の占める割 延納できる期間 利子税
75%以上ある場合 不動産等に係る延納相続税額 20年以内 年3.6%(2.3%)
動産等に係る延納相続税額 10年以内 年5.4%(3.5%)
50%以上75%未満である場合 不動産等に係る延納相続税額 15年以内 年3.6%(2.3%)
動産等に係る延納相続税額 10年以内 年5.4%(3.5%)
50%未満である場合 5年以内 年6.0%(3.9%)

※( )内は「日本銀行が定める基準割引率」が0.75%の場合の割合です。

①不動産の課税価格に対する割合が、75%以上の際の延納期間 不動産:20年以内、不動産以外:10年以内

➁不動産の課税価格に対する割合が、50%以上~75%未満のときの延納期間 不動産:15年以内、不動産以外:10年以内

③不動産の課税価格に対する割合が、50%未満のときの延納期間 遺産の区別はなく:5年以内

延納する税額が50万円未満のときの延納期間は、延納税額÷10万円=年数以内が原則となっています。

延納が認められた場合は、延納期間や相続税の内容によって、年利3.6%~6.0%の利子税を支払うことになります。(利子税は、そのときの金利状勢によって変動します。)

●相続税の延納を行うための手続き

延納の申請を行うには、延納申請書に担保提供関係書類を添付し、延納申請期限・納付期限までに税務署に提出

延納申請書には、金銭で期限までに納付することが困難な理由と金額、延納希望期間、分割額がいくらなのか、1回あたりいくら支払い・いつ支払うのか等を記入します。

担保提供書類を延納申請の期限までに用意することができない場合は、担保提供関係書類提出期限の延長届出書を提出することで、担保提供書類の提出期限を最長6ヶ月まで延長することが可能

※6ヶ月延長する場合は2回届出をする必要があり、1回の届出により延長可能なのは3ヶ月です。

 延納担保などの調査に3ヶ月を超える期間を要するような場合などは、許可または却下までの期間が延長される場合があります。

●必要な書類

・相続税延納申請書

・担保提供書

・担保目録

・抵当権設定登録承諾書

・印鑑

・印鑑証明書

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相続相談弁護士ガイド 編集部

相続問題に関することを専門家と連携しながら情報発信しております。 悩んだり、わからないことがあるときは参考にしてください。 どーしてもわからない場合は、一度弁護士に相談するのもいかがでしょうか。

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