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【弁護士監修】意外と知らない!相続では「親の家(実家)」の評価はどのように計算する?

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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更新日:2018年12月29日
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Q:親の家の評価はどのようにすればいいですか?

A:親の家の評価方法で合意できないと、遺産総額がいくらなのか認識にズレが生じて遺産分割が進まなくなるばかりか、深刻な争いに発展する可能性もあります。

家の評価の考え方の違いが口論や言い争いに発展する

相続人が遺産分割でもめる原因はいろいろありますが、遺産の評価額や評価方法で紛争になるケースは珍しくありません。特に親の家(土地、建物)の評価が食い違い、相続人の間で言い争いが起きる場合が多いようです。

遺産分割協議ではまず、「遺産が全部でいくらなのか」という認識が一致していることが極めて重要です。相続人の間で認識の食い違いがあると話し合いにならないからです。

例えば、遺産が預貯金だけだった場合

預貯金は評価の仕方や金額で認識が違うということはほぼありえません。相続開始時の残高が2000万円あれば、誰がどう見ても2000万円です。これを相続人の間で公平に分けるのは、特別受益寄与分などの問題がなければ比較的容易です。

遺産に不動産が含まれる場合

ところが、遺産に親の家があると「遺産が全部でいくらなのか」について相続人の間で見方が異なってくる場合があります。不動産の評価の仕方が人それぞれだからです。そして、それが遺産分割協議の停滞する原因になるばかりか、紛争に発展する要因にもなりかねないのです。

遺産が親の家と預貯金2000万円の場合で、相続人の兄と弟が均等に分ける場合を考えてみましょう。兄は親の家を相続したいため、親の家の評価額は「2000万円」と主張しています。だから兄は、「均等に分けるには自分が親の家を相続し、弟は2000万円の預貯金を相続すればいい」と言います。

ところが、弟は親の家の評価額は3000万円だと考えており、それを含めた遺産の総額は5000万円なので、均等に分けるには「自分の親の家の一部(500万円分を相続すべきだ」と言います。

5種類ある不動産の評価価格のどれを使うか

親の家の評価をめぐりこんなにも見方に隔たりが出るのは、土地の評価の仕方が多数あるために土地の例えとして「一物四価」とも「一物五価」とも言われています。

まず、1つ目の価格としては、実際の取引価格があります。

次に、近隣の取引価格などをもとに行政機関がそれぞれの目的に沿って設定した価格等4つあります。

・公示地価

国土交通省が毎年3月に公表。全国の約2万地点を評価

・固定資産税価格

市町村が毎年4月から6月に公表。公示価格の70パーセントを目途に設定

・相続税路線価

国税庁が毎年7月に公表。全国約34万地点を評価

公示価格の80パーセントを目途に設定

相続と贈与における土地の価格を出す「路線価」とは?

「路線価」での土地の価格とは?その計算方法は?

・標準地価

都道府県毎年9月に公表。約2万地点を評価

前途の兄弟のケースでは、兄は親の土地について固定資産税評価額を参考にしていたかもしれません。一方、弟は最近の近隣取引事例を見て主張していたのかもしれません。ともにそれなりの根拠があるわけです。ただ、問題なのは、認識が一致していないことです。評価方法や評価額で合意することが必要です。

解決策

1つの解決方法として、土地については路線価で評価してみてはどうでしょうか。

路線価は、国税庁が毎年7月に公表する全国約34万地点の道路の1㎡あたりの標準価格です。国土交通省が毎年3月に公表する公示地価をもとに、国税庁が土地の面している道路の価格をおおむね公示地価の80パーセントを目途に評価して決めます。

土地の相続税や贈与税の課税評価額は路線価をもとに評価するので、相続税の申告には必ず使います。

遺産分割でも活用すれば一石二鳥です。自分の住所地の路線価は国税庁のウェブサイトで見ることができます。また、固定資産税評価額のもとになるのも路線価で、こちらも各自治体のウェブサイトで確認することができますから、一度自分の家のデータを見るのもよいでしょう。

一方、建物については、相続税の申告では固定資産税評価額を使います。遺産分割協議でも建物の評価は固定資産税評価額にすればいいのではないでしょうか?

何れにしても、これはあくまで参考事例であり、必ずそれで協議しなければならないわけではありません。相続人間でよく話し合い、価額を算出する基準をしっかり決めた上で、どのように分割するか決めることが、スムーズに遺産分割を行うポイントになるでしょう。

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

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