成年後見人トラブル

あくまで成年後見人のみで、叔母様が健在のうちに遺言執行者に執行されている等の事情がなければ、そもそも成年後見人は被後見人死亡後の事務処理を行なう権限を有するのみであって、不動産や預金等の相続財産は原則として遺産分割対象となります。ただし、預金は通常相続発生により金融機関において凍結処理を行ないますし、不動産を共有名義に変更してもあまり実益はありません。
これに対し、当該司法書士が有効に遺言執行者に指定されている場合には、「正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる」とされており（民法１０１９条２項）、遺言執行者の意思のみによって辞任できるわけではありません。この場合は、家庭裁判所が許可した場合には、上記と同様の帰結になると見込まれます。