母の財産は全て兄に使われてしまったようである

まずそもそも、（１）借入の主債務者はお兄様のみなのか、それとも（２）お母様名義の主債務が存在する、あるいはお母様が（連帯）保証人になっているのでしょうか。

（１）の場合、そもそもお母様自身は債務を負わず、負担としては不動産の根抵当権のみになります。
居住用マンションについてですが、①根抵当権がお兄様名義持分のみであれば、残額は時価相当額の価値ということになります。
②お母様持分含め全体に設定されている場合には、マンションの時価から根抵当権額（利息・遅延損害金を含む）を控除した額が不動産価値相当額ということになるのではないかと思います。
いずれの場合も、店舗建物の担保提供分やその他の資金援助分も含め、特別受益として相続時にお兄様に精算を求めることは可能ですが（民法９０３条）、お兄様に資力がなければ、どのように遺産分割するかの問題になるかと思います。

これに対し、（２）の場合、お母様が負うことになる負債総額が多いと見込まれるのであれば、相続放棄した方が無難でしょう。
お兄様への特別受益の点については、（１）と同様の問題となります。

以上の点を整理頂いた上、関連資料をご準備頂いた上で一度弁護士に直接相談頂いた方が良いでしょう。